石板の内容
サンザイ達はフローゼラーの使い魔となり、釈放された。そして、彼女の後を着いて行き、フローゼラーの自室でクッキーを頬張っていたのでした。
「ゴハン! ゴハン!」
「キャサリン、そうだね甘い物は別腹だね」
「クッキー美味しいでやんす! 疲れ切った後のコーヒーは最高でやんす!!! 」
サンザイはコーヒーを飲み少し酔っ払っていた。
「ゴハン?」
キャサリンはコーヒーが気になるので飲んでみたが、キャサリンにはコーヒーは合わなかったみたいであった。
「ごー、はー、んんん」
「思った以上に苦かったんだね」
「そうでやんす! フローゼラー様はこの石板を読めるのでやんすか?」
ソファーに座ってコーヒーを飲んでいたフローゼラーはサンザイの質問に応えた。
「当然じゃ! これはの、絶滅した種族の巨人が使用していた文字なのじゃ!」
石板には象形文字が描かれていた。
「見たことない文字でやんしたが、まさか、巨人が使っていた文字とは!? 驚いたでやんす!」
「そうじゃろ、そうじゃろ、そして、わしはこの世界で数少ない巨人の文字を読むことができるのじゃ!」
「凄いでやんす! さすが!フローゼラー様でやんす!」
「すごいじゃろ! それでな、この石板の内容なのじゃが、これは、恋文なのじゃ」
「恋文? そうだ、巨人なのにどうやって小さい石板に文字が書けたでやんす?」
石板の大きさは横30cm、縦45cm程の大きさだった。
「そこが、謎なのじゃ。巨人が書いたと言うよりかは、巨人の文字を当時知っていた人間が書いた者じゃろな」
「じゃあ、巨人が書いた訳ではないでやんすか、浪漫が消え去ったでやんす」
「そうかのぉ? 今の時代に残る恋文なのじゃよ。歴史的価値は大いにあるのじゃぞ」
「他人の恋文なんて面白くないでやんす」
「そうか? それなら、少しだけ内容を話してやっても良いぞ」
「恋文なんて知りたくないでやんす」
「ゴハン! ゴハン!」
キャサリンは右腕をあげて読んでほしいアピールをした。
「キャサリンが恋文知りたいみたいなんだ。フローゼラー様お願いします。少しだけでも良いので、恋文の内容を教えてください! あと、俺も気になります!」
「そうじゃろ! それじゃ! 読むからの!」
「えー、あっしはコーヒーでも飲んでいるでやんす。あっ、コーヒーおかわり貰ってもよろしいでやんすか?」
「サンザイは連れないのぉ。まぁ良い。恋文の内容はじゃな」
フローゼラーは石板を読み始めた。
『我、愛しの宝石、新たな試練、突破せし時、宝石は星となり、全ての生命、照らすだろう、星となりし宝石、我、永遠に愛す』
「みたいな感じじゃの! 女性を宝石に例えているのじゃ、浪漫があっていいのぉ!」
「そうすると、ストレートに君を愛してるって事を書いているのでやんすか?」
「おや、サンザイ、君は聞く気はなかったのに、やはり、気になってしまったんじゃろ」
「宝石と聞いて気になったのでやんす!」
「サンザイは宝石が好きなのかじゃ?」
「お金になるものは全部好きでやんす!」
「キャサリン、俺もこの様な恋文を君に送っても良いかい! 石板に書けば一生、俺のハァーニィーへの思いが消える事なく伝え続けられるんじゃないか!」
「恥ずかしくないでやんすか?」
「恥ずかしい? そんな訳ないだろ! 俺のこの熱い思いを消える事なく残り続けるなんて浪漫じゃないか!」
「ふぅーん。その様な考えがあるんでやんすな」
「まぁ、他にも色々と書かれておるが、もし続きが気になったら今度読んであげるのじゃ。わしはもうそろそろ仕事をせんとドレ坊に怒られそうでな。あっ、布の件はこの後部下に伝えておくので3人はゆっくり隣の部屋で寛いでいて欲しいのじゃ。今外に出るとまた、牢屋行きの可能性があるからのぉ」
「分かったでやんす」
サンザイ、キャサリン、ミハエルは隣の部屋に行きぐっすりとその日は休んだのでした。
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