助かったでやんすぅ!
サンザイの荷物を確認している3人の兵士達は見たこともない物ばかりで戸惑っていた。
「使い魔がこれほどの魔道具を所有しているのかおかしくないか?」
「青雷君の友達なんじゃないでしょうか?」
「青雷、あぁ、ラックル様の使い魔か、そうなると3匹は禁足地である魔蟲の洞窟から来たってことだな」
「魔道具ならドーレーラム様に見てもらった方が良いのではないですか?」
すると、急にドアが開き兵士3人は驚いた。
「なっ!? 貴方様がどうしてここに!?」
立っていたのは魔王軍最高幹部八翼の一人、六翼のフローゼラーであった。
「お主らその魔道具をわしに見せるのじゃ!」
「ですが、魔道具ならドーレーラム様にお見せした方が」
「ドレ坊に見せるとわしが触れなくなるのじゃ、さぁ! 他の仕事でもしたれぇ!!!」
フローゼラーは兵士3人を部屋から追い出し、サンザイが持ってきた魔道具を確認していた。
「ほぉ、流石じゃのぉ。普通の布と見せかけて、空間魔法陣が描かれておる。ん?この石板は? なんと!? 久しぶりにこの文字を見たのじゃ、えーと、ぷっ!蜘蛛が手紙を持っているなんて、この手紙を書いたやつは可哀想な奴じゃのぉ」
フローゼラーはサンザイに興味を持ち彼に会いに牢屋へ向かった。
「それでやんすね。主人様はイデアおじちゃんの胸を貫き倒したのでやんす! だが、主人様はイデアおじちゃんが不死身なのは知らなかったのでやんす。そして、イデアおじちゃんはもうその時から主人様にぞっこんだったのでやんすよ」
「それで魔王軍の方と交流したということかい?」
「そうでやんす」
「ゴハン、ゴハン♪」
「キャサリンもこの話もっと聞きたいんだね」
「ゴッハン!」
「ほぅ、イデ坊の心臓を貫いたと、魔蟲の洞窟の主人もなかなかやるのじゃな」
「主人様はさいきょーでやんすからね! って?嬢ちゃんはだれでやんすか?」
サンザイの前にはピンクのドレスを着た美しく長い青い髪が特徴的の少女が立っていた。
「ふふふ、わしは六翼のフローゼラーじゃ!」
「魔王軍の幹部でやんす!!! あっし達を助けて欲しいのでやんす!」
「わしが助けてあげても良いのじゃが、それには条件があるのじゃ」
「条件、ここから出れるならなんでもいいでやんす!」
「それじゃあ、この石板は何処にあったのじゃ?」
フローゼラーは石板を取り出した。
「これはでやんすね。ここにくる途中に湖があって湖の底に埋まっていたみたいでやんす」
「ほぉー、その湖まで案内してほしいのじゃ」
「それは、その、あっしにも事情があって案内してあげたいんでやんすが、そのぉ、あっしは今すぐに布を集め終えないと、あっしは白桜様に殺されるのでやんす」
「白桜? あー! 青雷君のお姉さんに殺させるのじゃ? それじゃあ、わしが布集め手伝ってあげるのじゃ、手伝ってあげる分、わしの願いを聞いてもらうのじゃ」
「ありがとうでやんす!!! あと、キャサリンさんにご飯あげて欲しいでやんす。もうそろそろ、お腹減り始める頃なので、暴れちゃうでやんす」
「じゃあ、其方達はこれからわしの使い魔として契約しとくのじゃ」
「分かったでやんす! ミハエルさんとキャサリンさんもそれで良いでやんすね」
「自由になれるなら俺は構わないさ、こんなに美しく可憐な少女のナイト! になれるなんて光栄さ!」
「騎士じゃないでやんすが」
「ゴハン!ゴハン!」
「キャサリンもナイトになりたいみたいだね!」
「ゴッハン!」
「それじゃあ、契約するからその場から動かないで欲しいのじゃ」
「はいでやんす!」
「美しく可憐なフローゼラーちゃん今度俺とお茶でも行かないかい?」
「ごはん!!!」
ミハエルがフローゼラーをナンパしようとしたのでキャサリンはミハエルを抱きしめた。
「キャサリン! これは、浮気じゃないさ! 男として美しく可憐な女性を口説かないといけないんだ!」
「ごはん!!!!」
「動かないで欲しいのじゃ!」
その後、ミハエルはキャサリンに絞め殺されかけたが、無事に3人はフローゼラーの使い魔となったのでした。
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