狩られる立場なんて嫌でやんす!!!
あっしはキャサリンさんの首元に乗ってエンデューブに向かっていたでやんす。だけど、最初は良かったでやんすよ。これなら、2日で着くとばかり考えてたでやんす。それなのに、それなのに、お腹減ったら襲いかかってくるってどういうことでやんすぅ!
サンザイとミハエルは全速力でキャサリンから逃げていた。
「ミハエルさん! なんで、あっし達が狩られる立場になっているでやんすか!!!」
「ハァーニィーにご飯以上のエネルギーを使わせてしまったからね。その分、腹も減る。近くに俺とサンザイと言う名の食べ物、今のハァーニィーには俺達の事はゴハンとしか考えてないんだ、他の獲物を全力で逃げながら探すしかないね!」
「くそぉー、風呂敷に沢山の食料を入れていたのに一瞬で食べられたでやんす! 半年分入れたのにおかしいでやんす!」
「いやー、それぐらいお腹が減ってたってことだねー!」
「ゴハン!ゴハン!ゴハン!」
キャサリンが速度をあげてサンザイとミハエルを捕まえようとした。
「は、はやいでやんす! くそぉ!何か、何か、食べれるものは!!!」
サンザイは辺りを見渡したが、森の中では食料にこと足りないが、辺りは岩、岩、岩と岩石地帯で食料が尽きた為、植物さえも見当たらなかった。
「灰土さんは岩食べているでやんす。それなら、キャサリンさんも岩を食べれないかでやんす!」
「無理だね。ハァーニィーは美食家だから、そんな岩は食べないよ」
「ゴハン! ゴハン!!!!!」
「ぎゃあぁぁぁぁああああ、こんな所で死にたくないでやんすぅううう!!!!」
全速力で4時間逃げ続けた結果、小さな湖を見つけ、キャサリンに果物を与えることに成功した。
「ゴハン、ゴハン、ゴハンゴハン」
「肉が食べたいだって、ハァーニィー、ごめんよ。今はフルーツで勘弁してくれないか」
「ゴハン」
キャサリンは不満そうにしていたが、水々しい果物に齧り付いていた。
「し、死ぬかと思ったでやんす」
サンザイは湖の水を飲んでいた。
「そうだね。エンデューブまで全力で逃げ続けなくて良かったじゃないか」
「はぁー、ここの果物の量だと持ちそうにないでやんすよね」
「多分、休憩できるのは1時間あるかないかじゃないかな」
「もっと休みたいでやんす!!! 魚でもいないでやんすかね?」
「うーん、いるのかな?」
「ゴハン!? ゴハン!!!」
キャサリンは魚と聞きつけて湖にダイブした。
「ハァーニィー!? 水に入っても大丈夫なのかい!?」
キャサリンは湖に潜り、湖の底にとある石板を見つけ持ってきた。
「ゴハン? ゴハン、ゴハン?」
「ハァーニィーって泳げるんだね。ないだいその石は、何か掘られてあるね」
「どうしたでやんすか?」
サンザイも気になったのか2人に近付き石板を見てみた。
「石に何か書かれているんだよ」
「どれどれ? うーん、あっしにも分からないでやんすね」
「ゴハン、ゴハン、ゴ、ハ、ニ、ゲ、テ」
キャサリンは泳いだせいでお腹が減り、2人に逃げて欲しい思いで思念を送った。
「にげて? あー!!! ミハエルさん逃げるでやんす!」
「ハァーニィー、ゴハン以外に話せたんだね! 俺は、俺はハァーニィーが少しだけでも話せる様になって嬉しいよ!」
「逃げるでやんすぅ!!! この石板はあっしが風呂敷に入れておくでやんすね」
「保管よろしく! それじゃあ! 逃げよう!!!」
腹ペコのキャサリンからミハエルとサンザイ逃げたのでした。
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