サンザイの新しい移動手段
サンザイは突然白桜の部屋に呼び出された。
サンザイは渋々白桜の部屋に向かっていた。
もう、今日は子供達と一緒にオセロっていうゲームやる予定だったでやんすが、急に呼び出すなんて酷いでやんすよ。行きたくないって言ったら、子供達に行ってこなきゃってダメだよと言われてしまいやして、はぁー、休暇なのに休んだ気にならないでやんす!
サンザイはつい心の声の思念を周りに流してしまった。
「はぁー、帰りたいでやんす」
サンザイは廊下で白桜に出会った。
「へぇー、帰りたいんだ。あたしまだ何も頼んでないけど」
「ひゃっ!? し、白桜様!? おはようございますでやんす!」
「おはよう。早く帰りたいなら手短に話すわね。この前集めてくれた布をまた集めてきて欲しいのよね。そうそう、この前の3倍の量を集めてきてね。期限はそうねぇ、12日間までかしらね。それじゃ、頑張ってね。もし、期限内に集めきれなかったら、どうなるか分かるわよね?」
白桜は笑顔なのに目は笑っていなかった。
「そんな! 無理でやんすよ!」
「分かっているわね」
「ひぇっ!? 分かったでやんすぅ」
「よろしくね。あたしはこれから、主人様とデートだから、じゃあね」
白桜は主人様がいる居間へ向かった。
「はぁー、どうして、あっしにばっかり仕事を押し付けるのでやんすか。酷いでやんすよ。はぁー、どうやってエンデューブに戻れば良いでやんすか? 青雷様にお願いする? いや、この前の事でお願いしても快く引き受けてくれないでやんす。そうなると、そうでやんす! あの2人のお世話係を任されたのでやんすから、2人を使ってもいいでやんすよね!」
サンザイはキャサリンとミハエルの元に向かった。
「キャサリンさん! ミハエルさん! 助けて欲しいでやんす!!!!」
キャサリンはサンザイが弔い屋で勝った同胞の死骸を食べていた。
「ゴハン!」
「おっと、キャサリンは食事中だから俺が聞いてくるね」
「ゴハン!」
ミハエルはサンザイの前まで歩いてきた。
「やぁ、スモールスパイダー君助けて欲しいとはどうしたんだい?」
「ミハエルさん、あっしはサンザイと言う名前があるでやんすからその、スモールスパイダーはやめて欲しいでやんす」
「そうかい? 俺は気に入っているんだけどな、それで、助けて欲しいのは俺の呼び方が気に食わなかったってだけかい?」
「それではないでやんす。話を聞いて欲しいのでやんす」
サンザイは今までの経緯をミハエルに話した。
「そうなのかい、サンザイも大変だったんだね。それで、俺達は何を手伝えばいいんだい?」
「助けてくれるのでやんすか!」
「そりゃあ、ハァーニィーおっと、キャサリンの食事を調達してくれているからね。これぐらいは手伝わせてくれ」
「ありがとうでやんす! ありがとうでやんす!!! それでやんすが、エンデューブまで一緒に来て欲しいのでやんす」
「それは、なかなか遠出になるね。ハァーニィー! 久しぶりの海外旅行だよ!」
「ゴハン? ゴハン、ゴッハン、ゴハン?」
「そうだよ、今回は今までの旅行より1番遠くに行くことになるけど大丈夫かい?」
「ゴハン! ゴハン、ゴハン!」
「分かった、分かった、道中のご飯はサンザイが準備してくれるから楽しみにしていてね」
「ゴハン!」
「それじゃ、今すぐに行くでやんす!」
「キャサリンの首元に乗ってくれ! ハァーニィー! 全速前進だよ!」
「ごーーーーはーーーんん!!!!!」
キャサリンの首元にサンザイとミハエルがしがみつくとキャサリンは力強く羽ばたき魔蟲の森を爆速で移動し始めた。
「は、は、早いでやすうぅうううう!!! でもぉぉおお、これだったらぁあああ! 2日ぐらいでつきそうでやんすね!!!」
サンザイはキャサリンとミハエルと共にエンデューブへ旅立ったのでした。