初夜での争い
洞窟の長達とイデアの結魂式が無事に終わり、凪はゆっくりと平和な日々になると考えていた。
その日の夜、初夜を迎えようとイデアは凪の寝室へ廊下を歩いていた。
「凪さんと〜、初夜〜、今日は寝かせませんよぉ〜」
すると、凪の寝室前の廊下で、クティスが布団の上で寛いでいた。
「クティス見かけないと思ったらここにいたのですね。さぁ、待ちに待った初夜ですよ! 初夜!」
「ガウガグルル(初夜はやらないってよ)」
「はい? クティスどうしたのですか?」
「ガゥ、ガウガウガグルルガウガ、ガウガァグルルルガルガルルルカ、ガウガグルガグルガウガウガァ(あのね、凪と結魂したら話せるようになったんだけど、凪はねリリアーナに復讐を終えたら交尾してあげるから、それまでは交尾はお預げなんだって)」
「それは長達であって私達は関係ないんじゃないですか!」
「ガゥ、ガウガァ〜。ガウガグル(いいや、僕達も同じだってよぉ〜。交尾したかったな)」
「そんな馬鹿な!!! クティス今から凪さんに会いに行き私のこの素晴しく、美しい肉体を凪さんに教えてあげるのです!」
「ガウガ、ガウガグルガウガ(ごめんよ、凪にお願いされちゃったからここから離れられないんだ)」
「凪さんにお願いって何をお願いされたのですか? もしかして」
「ガウグルルルガウガ(夜這いする奴らを倒せって言われた)」
「なんですとぉおおお!!! そんな、夜這いなんて私は正真正銘の夫なのですから、夜這いじゃないです! 夫婦生活にとって重要な初夜を迎えにきたのです!」
イデアとクティスが廊下で口論していた時に庭では死闘が繰り広げられていた。
灰土は凪に勝手に部屋に入ってくる人達から守ってほしいとお願いされ、灰土は庭で1人、紫水、緑癒、白桜と戦いを壮絶な闘いを繰り広げていた。
「灰土〜、主人様と交尾したいんじゃないの〜。それならさ〜、俺の後でいいから交尾してもいいよ〜」
「どうして、あたしは通れないのよ!」
「白桜ちゃんはアウトですからね。僕の場合なら主人様の寝室に入ってもよろしいのではないですか? 僕なら無害ですしね!」
「何が〜、無害だよ〜、一番変態なくせして〜」
「変態じゃないですよ! 僕のお尻を抱きしめたがっているのは主人様なのですからね!」
「ふん! それは前の姿で今の姿は求められてないのよ!」
白桜の鋭利な言葉の槍によって、緑癒の心臓が貫かれ、その場で緑癒は地面に倒れた。
「ぐはぁっ!? そんな、馬鹿な」
緑癒は前の姿の方が主人様に求められている事を知っていたが、知らぬふりをして心を守っていたが、白桜の一撃の前に知らぬふりができない状態になってしまった。
「灰土〜! そこどいてよ〜」
灰土は3人の言葉の攻撃を喰らいながらも、聞く耳を持たす事なく立派に護衛としての責務を全うしていた。
「俺は主人様からお願いをされてここにいる。それが、どう言うことか分かるよな」
灰土の迫力の前に緑癒と白桜は後退りしたが、紫水だけは前に出た。
「俺と〜、やり合いたいのかな〜? いいよ〜、でも〜、俺結構キレてるから〜、本気出しちゃいそう〜」
「紫水の本気などたかが知れているさ、日々の鍛錬を怠り続けたお前にはこの俺を倒すことなどできん!」
「この筋肉馬鹿〜!!!!」
紫水は灰土に岩を粉砕する威力の圧縮された水を飛ばしたが、灰土は己の拳だけでその水の軌道を変えた。
「うそ〜ん!」
紫水は軌道を拳だけで変えられて、ショックを受けた。
「ふん! 筋肉こそが正義だ!」
紫水と灰土との闘いが始まり、白桜と緑癒は灰土をどのようにして攻略すればいいのか話し合っていた。
「あの筋肉ダルマを出し抜くにはどうしたらいいのかしら」
「主人様からの命令となると動かすのは難しいですよね」
そして、廊下と庭で激闘の闘いが始まり、凪の寝室に氷月がいたが、氷月もここの所疲れが溜まっていたので熟睡していた。当の本人も疲れ切っていたので、ぐっすりと眠りについたのでした。
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