長達の結魂式 中編
小休憩が終わり、DJ蜘蛛がアナウンスをして参列者は最初座っていた場所へ戻った。
「それでは、次の新婦は6層目の長にして、珍しい植物を操る力を持ち、ちっちゃいのに怪力、大の大人も軽々落ちあげちゃう、ハチャメチャ! さいきょー! 少女! 花茶様のご入場です!」
ウエディングドレス姿の花茶がヴァージンロードを歩き始めると水晶越しで見ていた藍介が咽び泣きながら叫んでいた。
「かぁちゃぁぁあああ!!! とっても、とっても、可愛いですうぅううう!!!! 花茶の晴れ姿を見れるとは! 嬉しいし悲しくなってもきますぅ!!!」
「藍介さん落ち着いでください! 花茶ちゃんの式なんですから静かに!」
藍介の隣にいた黄結姫が藍介を物理的に(髪を使って)黙らせた。
「ん!!! んん!?!!!」
花茶は椅子に座っていたライネルに気付き彼に近寄った。
「もう、お兄ちゃんたら、大袈裟だよ。あっ! ライネルお兄ちゃん見て見て! 花茶かわいいでしょ!」
「おい、花茶、こっちにくるんじゃなくて主人さんの所に行かなきゃダメだろ。後で褒めてやるから先に結魂を終わらせてこい」
「はーい」
花茶は主人様の元へ駆け寄った。
「主人様! 花茶さいきょーに可愛いでしょ!」
「えぇ、さいきょーに! 可愛いわよ」
「やったー!」
「コホン、それじゃ、始めるぞ」
氷月は魔法陣を起動させ、花茶は主人様に口付けをした。
「これで花茶も主人様と家族だ! やったー!!!!」
「花茶、これからもよろしくね」
「うん!」
花茶はスキップをしながら歩き、椅子に座った。
「それでは、次の新婦の登場です! 我等の母の娘にして、次期長候補の一人! 我儘、口が悪い、そんな彼女ですが、服作りに情熱を燃やす! 白桜様のご入場です!」
白桜もウエディングドレス姿で登場したが、DJ蜘蛛の紹介に腹を立てていた。
「あたしが口が悪くて我儘ですって、DJ後で覚えておきなさい! あれ? あいつがいないけど?」
白桜はDJ蜘蛛に近付いた。
「あの、白桜様、主人様の元へ向かってください」
DJ蜘蛛は怯えた様子で白桜に主人様の元へ行くことを促した。
「ねぇ、どうして青雷がいないの?」
白桜はDJ蜘蛛が持つマイクのスイッチをオフにした。
「あー、青雷様は魔王城から出ることが難しく、オビリオンさん達と一緒に明日到着予定です」
「あいつ! あたしが主人様と結魂する所を見たく無いからって、あたしの晴れ舞台に参加拒否するとか、明日来たら覚えておきなさい!」
「ひぇええええ!!!」
白桜は青雷に見せつけることが出来ないことに腹を立てながら主人様の元へ向かった。
「白桜、青雷が来なくて寂しい?」
「あんなやつ姉の晴れ舞台に来ないなんて信じられないですよね! あいつなんかいなくても大丈夫です!」
「そう」
「よし、始めるぞ」
氷月は魔法陣を起動させ、白桜は主人様に口付けをしたのだが、白桜は主人様にディープキスをした。長い、長い、キスに主人様は白桜から離れようとしたが、彼女の方が力が強い為逃げられずにいた。
「ちょ! 白桜ちゃんずるいですよ!」
緑癒はその姿を見て羨ましがり。
灰土はまだ寝込んでいた。
「あらあら」
紅姫は娘のそんな姿を見て自分もすれば良かったと考え。
「キス長いねぇ」
花茶は長いキスを見てこんなに長いキスがあるのかと思った。
「ここで見せつけてくるなんて、やはり、私の1番の敵は白桜で確定ですかね」
藍介は白桜に敵対心を燃やしていた。
そんな中、氷月は妻にキスをする白桜を引き離し、白桜を担いで花茶の隣に座らせた。
「何するのよ! 折角いい感じだったのに!」
「妻を守るのも夫の勤めだからな、妻が戸惑っているなら元凶を引き離すに決まっているだろう」
「まぁ、いいわ。やっと主人様とキスできたし、これからはし放題ね」
氷月が妻の元へ戻った。
「妻よ、大丈夫か?」
「まさか、白桜にディープキスされるなんて思っても見なかったわよ」
「次のやつが1番面倒だから気をつけるんだぞ」
「やっと最後ね。もし、紫水が私から離れようとしなかったらよろしくね」
「あぁ、妻を守るのは夫の勤めだからな! 俺様に任せろ!」
そして、最後、紫水の番がやってきたのであった。
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