あみだくじの結果
結魂式を決めるあみだくじ大会が始まり、何処からかDJ蜘蛛が現れその様子を巨大スクリーンに投影していた。
「さぁ! 始まりました魔蟲の洞窟、長達によるあみだくじ対決! さぁ! 1番を引き当てる幸せ者は一体誰になるんだ!!!」
巨大スクリーンを見ていた虫達は誰か1番を引き当てるのか予想をしていた。
その中に主人様が名前を付けた双子のムカデもいたが、2人は皆の会話とは違う事を話していた。
「黒常、真白は主人様と結ばれたい!」
「真白、唐突になんだ。そもそも、長になれる素質が無いんだから、主人様と結魂はできないだろ」
「そんなこと言われても、真白は主人様に助けられたあの時から主人様の事が大好きなんです!」
「俺に言われても無理なものは無理だな」
「黒常、真白を長にするために紫水様を暗殺してきて!」
「お前は俺に死にに行けと言っているんだな。よし、仕方ない、俺は」
「黒常!真白の為に戦いに行ってくれるんだね! ありがとう! 黒常の勇姿は忘れずに心に刻む事にするよ」
「ミーライから連絡が来る頃だから帰る。それじゃあな、後であみだくじの結果報告よろしくな」
黒常は真白から逃げるようにして棲み家に帰っていった。
「あ!帰らないでよ! 行っちゃった。はぁー、どうやったら真白は主人様と結ばれるのかな。 主人様、真白は何を磨き上げれば貴方の側にいられるのかな。真白の強みってなんだろう? 毒を作れることかな? この白い体? はぁー、毒なんて紫水様の方が強いに決まってるじゃん。真白は、真白は、どうしたらいいのでしょうか」
真白は巨大スクリーンに映される主人様を見つめ続けていた。
そして、主人様の家の庭ではくじ選びのじゃんけんが始まり、1番目は紫水、そして、白桜、緑癒、紅姫、花茶、灰土の順番になった。
「それじゃあ〜、俺は〜、ここかな〜」
紫水は6本の棒から2番を選んだ。
「あたしの番ね、それじゃあ、あたしはここよ!」
白桜は4番を選んだ。
「僕のこのお尻幸運パワーの前にひれ伏すが良いのです!!!」
緑癒はズボンを下ろしお尻を出した。
「そう! お尻がここに反応している! ここにします!」
緑癒は1番を選んだ。
「私はここにしますわ」
紅姫は6番を選んだ。
「次は花茶だ!!! どっちにしようかな、よし! 花茶はこれにする!」
花茶は5番を選んだ。
「俺は残りだな」
最後の灰土は残った3番を選んだ。
凪はあみだくじをペンで引き始めた。
「まず最初に紫水は」
「俺は1番に決まってるよ〜」
凪は紫水の線を引き終わった。
「6番目ね」
「え〜!? そんな〜、6番目って〜、最後じゃん〜!!! どうして〜! どうしてなの〜!!!」
「紫水じゃんけんでは勝てたが、どんまいだな」
「くそぉ〜!!! ねぇ〜、じゃんけんで〜、勝った人が1番って事にしない〜?」
「ざまぁないわね、次はあたしの番よ!」
凪は白桜が選んだ4番に線を引いていた。
「白桜は5番目ね」
「あたし5番目なの!!! そんな、馬鹿な!!!」
白桜は主人様の側へ行き、自分が選んだ4番から線を引き直したが、結果は変わらず5番目となっていた。
「そんなぁー!」
紫水は皮肉を込めて白桜に言った。
「白桜ちゃん、おめでとう〜」
「ふん! 紫水様よりかはいいわね」
凪は緑癒がお尻で選んだ1番に線を引いた。
「嘘! 緑癒が1番目よ」
「やりましたー!!!!! やはり、僕のお尻は最高です!!!」
緑癒はお尻を撫でながらお尻を誉めていた。
「お尻に負けるなんて」
「屈辱だわ」
紫水と白桜は不服そうな顔をしていた。
「次は私のですね」
凪は紅姫が選んだ6番に線を引いた。
「紅姫は3番目ね」
「真ん中いいですわね!」
紅姫は自分の順番に満足していた。
「次は花茶! 2番目かな、それとも、4番目かな!」
「花茶の順番わね」
凪は花茶が選んだ5番を線を引いていった。
「花茶は4番目ね」
「花茶が4番目だから、糸吹きさんは2番目か、糸吹きさんに負けて、花茶悔しいな」
花茶は灰土よりも遅い順番で悔しがっていた。
「2番目、思っていたより早い順番になってしまったな」
「灰土〜、確か〜、灰土は〜順番気にしてなかったよね〜? それならさ〜、俺と交換しない〜?」
「紫水、主人様が決めてくれた順番を変えることなど俺はしないぞ」
「そんなぁ〜、1番目がよかった〜」
結魂式の順番が決まり、虫達は結魂式の準備に取り掛かり始めたのでした。
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