蝋梅妃、新しい罠が浮かばない
とある日、偽ダンジョン作りがとある事で一時作業中止となっていた。
偽ダンジョンの主人様が考えた罠、『鏡の迷路』を過ぎると落とし穴が大量に作られている場所があった。そこで、蝋梅妃は配下の蟻達と穴掘りを進めるか否かを彼女は考えていた。
「ロウバイヒサマ、ツギ、ドコニ、アナホル?」
「ネルガル、ト、キノウ、アナホリ、タノシカッタ」
「はぁー、主人様に穴掘りはやめろと言われてしまった。我はどうすればよいのじゃ」
蝋梅妃は昨日主人様に穴掘りではなく他の罠を作って欲しいとお願いされ、穴掘り以外に罠の発想が浮かばない蝋梅妃は困り果ててしまっていた。
「我は主人様みたいに奇抜な発想を考える事がでないない。どうすればよいのか、話すのが楽しくてお茶会ばかりやっていた我も我だが、うーん、どうすれば」
「ロウバイヒサマ、ナヤンデル、タスケテ、アゲタイ。デモ、ドウスレバ、タスケラレル?」
「そうじゃ! 我だけじゃ考えられん! なら、配下と共に知恵を出し合うまで! 皆の者! 今から落とし穴以外の罠を我と一緒に考えるのじゃ!」
「ワナ、カンガエル? オトシアナ、ジャ、ダメ?」
「落とし穴以外で考えるのじゃ!」
話ができる蟻達は一生懸命新しい罠を考えたが、一向に良い案が決まらなかった。
「ふむ、どうすれば良いのじゃ」
すると、1人の蟻が何かを思い出した。
「ロウバイヒサマ! ロウバイヒサマ! アイツナラ、ワナ、カンガエラレル、カモ!」
「アイツとは誰のことじゃ?」
「ホラ、ズット、ハナシガ、トマラナク、ナル、ヤツ」
「ヒトリ、ワナメグリ、シテイル、ヤツ」
「あー! あやつか! あやつなら新しい罠を考えてくれるかもしれんな!」
蝋梅妃はとある蟻を思い出し、その蟻に会いに向かった。
1人の蟻は大岩の罠の後にある通路をぶつぶつと独り言を話しながら歩いていた。
「ここにあの罠を設置できれば、移動手段として使えるのでは無いか、そもそも、侵入者を別れさせる罠が少なずぎる、それなら、主人様が広めたスポーツを使って、そう野球で使われたバットで侵入者をフルスイング! そして、強制退場させる。いや、強制移動させる。そう、場外ホームラン! を設置するのも面白いかもしれないな」
「おー、ここにいたのか。すまないが、我にそなたの知識を貸してくれないか?」
「蝋梅妃様!?」
蟻は蝋梅妃に気付くと頭を下げた。
「かしこまるでない、それで、我のお願いを聞いてくれないか?」
「えーと、お願いとはなんでしょうか?」
「それはだな」
蝋梅妃は今までの経緯を話した。
「それって、つまり、私に新しい罠を考えろと言うことで合ってますか?」
「その通りじゃ、我だと主人様が望む奇抜な罠を考えられない。じゃが、お主の発想力があれば、主人様を驚かせる罠を作れると我は思ったのじゃ!」
「本当に、私が、罠を、ここの罠を考えてもよろしいのですか!」
「あぁ、我の力を使えばお主の要望に応えることも可能じゃ」
「そ、それなら!まず最初に! ルーレットなんか作ってみたらどうでしょうか! あと、ここに侵入者を別れさせる罠を作ってみても良いと思うのですよ! それで、私が考えついたのが、主人様が広めたスポーツ、野球で使われる道具を使いまして、それと、それと!」
「待て、お主の情熱はよく分かった。詳しくはここではなく、我の部屋で聴くことにしよう。それと、お主に名前を付けたいんだが、なんて名前が良いか?」
「なら、私は末っ子なので、若いと意味を込めてヤングでお願いします!」
「そうか、ヤング、これからよろしく頼むな」
「はい! 精一杯頑張ります!」
蝋梅妃はヤングを連れて自身の部屋へ行き、ヤングの話を丸3日聞いたのでした。
その後、蝋梅妃はヤングと話す時は時間を決めておこうと考えたのでした。
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