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メルトとサンザイの布集め

 メルトとサンザイはスイートルームでゆっくりとくつろいでいる中2人は何か忘れていた。


「サンザイここ最高だね。お酒とご飯美味しいし、それに、ベッドが最高にフカフカ〜。私もうちょっと寝ていたいなぁ」


「あっしももう少しだけ休みたいでやんすね。でも、あっしは何か忘れているような?」


「忘れてる? そうそう、お昼ご飯ビュッフェなんだって何食べようかな」


「さっき朝食食べたばかりなのに良く食べ物の話ができるでやんすね」


「ご飯は無限に食べられるものさ!」


「子供達にも食べさせてあげたいでやんすね」


「私もチェルねぇとかエーデルと一緒に今度ご飯だけ食べに行こうかな」


 そして、部屋で2人は寛ぎ昼食の時間になりやっとメルトはベッドから出た。


「ご飯だ!!! 一杯食べるぞ!」


「あっしも沢山食べるでやんす!」


 2人は仲良く宿屋のレストランに向かいビュッフェを楽しんでいたが、何回かおかわりを取りに行った時にサンザイは青雷から思念伝達が送られてきた。


『サンザイ! 布集めどのぐらい集められた?』


『あ!』


『ん? 今のあ!ってもしかして、まだ集め始めて無いってこと?』


『いえ、あっしはすぐさま布を集めに布を扱っている店を片っ端から巡ったでやんす! それで、その、蜘蛛だと布を売ることが出来ないと断られてしまって、その時にメルトさんと出会ってこれから! これからメルトさんと一緒に布集めをするでやんす!』


『そうだったんだ。サンザイも大変だね。じゃあ僕は手伝わなくて良さそうだね。サンザイ頑張ってね』


 青雷は思念伝達を切った。


『あっ、待ってくださいでやんす! 手伝って欲しいで』


 メルトはお皿一杯にお肉、サラダを載せてサンザイがいるテーブルに戻ってきた。


「サンザイさんどうしたの?」


「メルトさん! おかわりでもうおしまいでやんす! 布集めにいくでやんすよ!」


「私はまだご飯食べたいんだけどな」


「メルトさん!」


「分かった、分かったって、これ食べたら市場に行こうか」


「ありがとうでやんす! あっしももう少しだけ食べるでやんす!」


 2人は食事を済まして昼過ぎにやっと布集めを始めた。


「メルトさん、この麻布はやけに高過ぎるので値切るでやんす! そもそも、あっしを蜘蛛だと馬鹿にしてきて馬鹿みたいな値段をふっかけられたでやんすよ!」


「よっしゃ! 値切りはメルトちゃんに任せなさーい」


「流石メルトさんでやんす!」


 メルトは店の店主に値切り交渉をして、何故か麻布以外にイヤリングも買っていた。


「あれ? あっしは布だけ買ってきて欲しいとお願いしたでやんすよね? どうしてイヤリングも買っているのでやんす?」


「いやぁー。あのおっちゃん商売上手だわ。つい、買っちゃった」


「何勝手に買っているでやんすか!!!!」


「ごめん、ごめんってこう言うイヤリング丁度欲しいと思ってたんだよね。一応、イヤリングは自分の財布から出したから怒らないで」


「まぁ、それだったら良いでやんすか、それで値切れたのでやんすか?」


「ふ、ふ、ふ、銀貨1枚と提示されたけど半額の銅貨50枚まで値切ることに成功したよ!」


「おー! あっしの時は銀貨5枚とか抜かして、あっし、腹がたったので、蜘蛛の巣を店の中に何個か張ってやったんでやんす!」


「あーだから、何ヶ所か棚に蜘蛛の巣が張ってたんだ」


「それじゃあ、次はあの店でシルクって言う布を買うでやんす!」


「シルク? それは、魔蟲の洞窟の蚕がいるんだから買う必要ないんじゃ無い?」


「いえ、蚕達の布とこっちの布の違いを調べるためにも買わないといけないでやんす」


「へぇー、シルクだから高いけど足りそう?」


「それならあそこに隠したへそくりを使うでやんす」


 サンザイはコーヒー店の床の下に入り込み、糸を巻きつけた金貨10枚を取ってきた。


「どうでやんすか!」


「うそ! そんなところにお金隠してたの!?」


「あっしは令嬢との取引で結構儲けさせてもらったでやんすからね。それを同僚達に知られないためにあらゆる店の床下に隠しているのでやんす!」


「今度床下見てみようかな」


「あっしのへそくり取ろうとしないで欲しいでやんす!」


「ごめん、ごめんってそれじゃあ、次はあのお店でシルクを買うんだね」


「そうでやんす。メルトさんお願いするでやんす」


 メルトはサンザイのへそくりを使ってシルクを買った。


「これで、他には何を買えば良いのかな?」


 その間サンザイは紙に何か書いていた。


「ん? サンザイ何書いてるの?」


「白桜様は絶対にまたこの布買ってこいって言うでやんすから、店の名前と値段を地図に書いているのでやんす」


「案外まめなんだね」


「あっしは力が弱いから頭を使わないと生き残れないのでやんすよ」


「蜘蛛として生き残るのも大変なんだね」


「えぇ、主人様の力で知能が上がらなかったらあっしは子供も作れずに仲間のお腹の中に入ってたやんすからね」


「サンザイコーヒー飲む? 私が奢ってあげるよ」


「本当でやんすか! お願いするでやんす!」


 メルトはコーヒーを買いに行き2人は公園に行き一息つき、その後、太陽が沈むまで布を買い続けたのでした。

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― 新着の感想 ―
おお~っ!ちゃん買えたんだ!うん、良かったね~。 忘れて寛いでいたことはウッカリ言わないようにね(笑) これで満足してくれるのかな?次のムチャ振りがありそうなきが♪
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