獣は優雅に?リモートワークに励む
イデアとクティスは魔蟲の洞窟に着くと一目散に凪の元へ向かった。
「なぁぁぁぎぃぃぃさぁぁぁああああーーーんんん!」
「ガウガァー! ガウガグルー!!!(凪ぎぃ! 会いにきたよー!!!)」
そして、庭で凪に会うとイデアは彼女に抱きつきクティスは尻尾をブンブンと振って次は自分の番だとアピールする為に2人の周りをグルグルと回っていた。
「2人とも落ち着きなさいよ」
「凪さん、凪さんの温もり。あぁ。とても、とっても癒されます」
「ガウガ! ガウガグル! ガウガグル!(イデア! 次僕だからね! 次は僕!)」
イデアは凪に会えて嬉しさのあまり彼女に口付けをした。
「ちょっ!」
「凪さん、キスぐらいいいじゃないですか。裸の私と抱きしめあった仲なのですから」
「私はイデアさんとは友達でいたいのよ」
「そんな事言わないでください。あの、私も凪さんと結魂したいのですが、私の場合は何をすれば結魂できるのですか?」
「どうして結魂できる前提なのよ。イデアさんとは結魂しません。ほら、リモートワーク用の部屋準備したから仕事行ってください」
「リモートワーク? それはどうな意味なのですか?」
「家の中で遠くにいる人と仕事出来るって事です。ほら、仕事する!」
「ガウ? ガウグルルルガウガ?(僕は? イデアはキスしたのに僕の番はまだなの?)」
「仕事なんてしたくないです!!! 凪さんと2人で沢山愛し合いたいです!」
「クティス、イデアさんを仕事させることに成功したら私がお風呂入れてあげるわよ」
「ガウガ! ガウグルガ! ガウ! ガウガガラルガウ(本当! お風呂入れるの! やる! イデアごめんね仕事行ってきて)」
「クティス、私を裏切るのですか」
「ガウ!(うん!)」
クティスは上機嫌でイデアを尻尾で拘束して凪に教えてもらった仕事部屋に連れて行った。
「そんなぁー! 凪さんこれはあんまりですよ!」
凪はドアに時間で外れる南京錠をかけてイデアを5時間部屋に拘束させることに成功した。
「イデアさんこれから5時間たったら部屋から出られるようにしておくから仕事終わらせておいてね。今日の晩御飯の当番は私だからご飯楽しみにしといてね。仕事終わってなかったらご飯抜きだからね」
「え! 凪さんの手料理ですか! 手料理以外にもご褒美が欲しいです!!!」
「それじゃあ、仕事を終わらせたら。夜一緒に寝てあげるわ」
「凪さぁん!今すぐに仕事を終わらせて見せます!」
イデアはすぐさま仕事を始めた。
イデアが仕事をしている間、凪はクティスと一緒に温泉施設へ向かい、クティスを洗ってあげていた。
クティスは仕事もせず凪に沢山甘えることができてとてつもなく上機嫌であった。
イデアはまだ仕事中だし、凪と一緒にお風呂も入れて最高! もっと凪に沢山甘えよぉーと!
すると、クティスの天敵がクティスの前に現れた。
「おー! 獣じゃないか! どうだ俺様と遊ばないか!」
「ガウガグルガウ!(嫌に決まってるじゃん!)」
「おいおい、獣よそんなこと言うな。この頃俺様の活躍がなく暇なんだ」
「ガウ! ガウグルガガウグルガ(知るか! 僕は凪に甘えるのに忙しいからじゃあね)」
「そんなこと言うなよ獣よ」
クティスは氷月を無視して台所へ向かった。が、氷月はクティスの尻尾に抱きついてきた。
「なぁ、獣よ。俺様と遊ばないか」
「ガウガ(嫌だ)」
「そんなこと言うなって、それじゃあ、これはどうだ。妻のブロマイドだ」
「がうっ!? ガウガガウグルガ!(うそっ!? 凪のブロマイドみせて!)」
クティスは氷月が手に持つブロマイドを凝視した。
「どうだ、俺様の遊ぶか? 俺様と遊ぶのであればこの妻のブロマイドを獣にあげよう」
ブロマイドにはメイド服を着た凪が照れている姿が映されていた。
「ガウ! ガウグルガ!(遊ぶ! 遊んであげるよ!)」
「よし! 契約成立だな! 庭で鬼ごっこをして遊ぶぞ! 紫水と灰土、緑癒それと、ライネルと花茶も誘ってみるか」
「ガウガァ!(遊ぶぞぉ!)」
そして、夕飯の時間までクティスは氷月達と共に鬼ごっこを楽しんだのでした。
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