イデアおじちゃんをスカウトしよう 後編
青雷は撮影会を行なっている部屋に戻りラックルの写真を確認してその日は終わった。そして、次の日では、ラックルの写真をブロマイド加工にして販売に向けて動き出していた。
その日の夜イデアの元に凪から連絡が来たのであった。
「イデアさん久しぶり元気してた?」
「ガウガ! ガウディ!!! ガウエスト!!!」
クティスは凪に真っ赤になった肉球を見せて頑張ったアピールを始めた。
「クティスまた肉球が真っ赤になってるわよ。イデアさんクティスに仕事回しすぎなんじゃないかしら」
「凪さぁん。凪さんだ。凪さんに会えた。うぅ、なぎさぁぁぁぁんんん! もう私疲れましたぁぁぁぁあ!!! なぎさぁぁあんんん!!! 私を癒してください!!!」
イデアは凪に会えた嬉しさと仕事の疲れで情緒が不安定であった。
「うわっ! イデアさん大丈夫? 前よりやつれてない?」
「ずっと、書類と睨めっこの日々なのですよ!」
「白桜から少し聞いたけど大変なのね。あっ、白桜で言うと青雷とラックル君の3人で写真を使った何かをやっているのよね」
「その事ですか。昨日、青雷君から手伝ってほしいとお願いされましたが、仕事が忙しくてなかなか時間が取れないのですよ」
「残念よね。イデアさんの写真集欲しかったな」
「あの、それは、凪さんは私の写真が欲しいのですか?」
「うん。欲しいわね。あと、クティスの写真集も欲しいな」
「ガウガ! ガウガグルルルガ!(僕のも! 僕写真集作る!)」
クティスは前足をブンブンと上げ下げして自分もやるアピールをした。
「凪さんが私の体を求めている! なぁぁぎぃぃさぁぁぁああんんんんん!!! 私は貴方だけのイデアなのですからいつでも! 私は凪さんのためならばこの身全てを捧げます!!!」
「ほんと! 私凄く嬉しいわ。それなら、青雷に伝えなきゃね。イデアさんとクティスの写真集楽しみにしてるわね。もう夜も遅いし、イデアさん疲れていると思うから、藍介の報告は明日の夜に話すわね。また明日、おやすみなさい」
「明日も凪さんに会える!!! はい! また明日!」
「ガウガァ!(また明日!)」
凪からの連絡が切れるとイデアとクティスはラックルの部屋に向かい青雷に手伝う事を話した。
「イデアおじちゃん仕事忙しくないの? 本当に手伝ってくれるの?」
「もちろんですとも! ですが、一つだけお願いしたいことがあるのですがよろしいですか?」
「お願い?」
「凪さんに私の写真を全て渡して欲しいのですよ」
「ガウガ!(僕のも!)」
「分かったよ。主人様に全種類のブロマイドを送るんだね。ねぇちゃんに伝えておくね。それじゃあ、イデアおじちゃんとクティスは明日朝早くここに来て、他の準備は僕達が済ませておくね」
「明日の朝ですね。凪さんが私の体を見たいと仰ってくださって。もう、私、嬉しくて嬉しくて」
そして、イデアとクティスがラックルの部屋から退出すると青雷は白桜に報告した。
「ねぇちゃん凄いね計画通りだね!」
「主人様にお願いした甲斐があったわ! ふふふ、これで、ブロマイドは爆売れ間違いなしよ! あんた達! 手を抜くんじゃないわよ! これからが戦争なんだから!」
ラックルの部屋の天井にはカメラとカスタマー、スタイリングなど白桜の配下も住まわせてもらっていた。
「おーう! 頑張ります!」
「私めの美をお見せいたしますとも!」
「イデア様なら、タキシード、いや、肉体美をみせるなら薄手のシャツでもいいかしら? 大人の魅力を見せるのもいいかもしれないわ。でも、そうなると服は」
白桜の配下達は明日のイデアとクティスの撮影に向けてアイデアを出し合ったのでした。
「僕の部屋の天井。蜘蛛さんの糸で真っ白になってる」
「あっ、ラックル君の部屋糸まみれにしちゃってごめんなさい」
「いえ、別に大丈夫ですよ。僕の部屋、賑やかになったなって。1人よりも賑やかな方が僕は嬉しいです」
「ラックル君。僕達と一緒にブロマイド成功させようね!」
「はい! 僕の写真が売れるかどうか分かりませんが、僕頑張りましたよ!」
その夜、ラックルの部屋は夜遅くまで、蜘蛛達によって賑わっていたのでした。
突然ですが、吉田亜蓮です。
年末で仕事が忙しいのと体調を少し崩してしまったので、投稿をお休みします。
次回投稿は1月1日元旦となります。
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