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イデアおじちゃんをスカウトしよう 前編

 青雷は白桜にイデアおじちゃんのスカウトの仕方を訊ねていた。


「ねぇちゃんイデアおじちゃんにどうやってお願いしたらいいかな? イデアおじちゃんこの頃忙しいみたいであまり会えてないんだよね」


「イデアなら簡単よ主人様を出したらすぐにやりますっていうに決まってるわ」


「うーん、それだけじゃまだ足りないような気がするな」


「それなら、これよ。主人様の寝相集!」


 白桜は主人様の寝相を配下のカメラに写真を撮らせていたのであった。


「いつのまに!? それならイデアおじちゃん嬉しがるね」


「でしょ、あっ、イデアだけじゃなくてクティスもお願いしてみたら? 子供とかに人気なんじゃない?」


「分かった。クティスにも聞いてみるね。それじゃ、切るね」


「この写真集送るからうまくやるのよ! お金を稼いで主人様に沢山褒めてもらうんだから!」


 白桜は青雷に主人様の寝相集を送った。


 青雷は魔王城のイデアの仕事部屋のドアの前まで来ていた。


「よし、これさえあればイデアおじちゃんをスカウトできるね」


 青雷はコンコンとドアをノックした。


「イデアおじちゃん僕だよ!」


「青雷君ですか、どうぞ入ってください」


「はーい、お邪魔します」


 青雷は部屋に入るとイデアは書類に埋もれ、クティスはずっと肉球スタンプを書類に押していた。


「ガウガァ〜、ガウグルガウガァ〜(終わらないなぁ〜、押しても押しても終わらないなぁ〜)」


「青雷君、仕事で忙しいので手短でお願いします」


「その、ねぇちゃんと一緒にラックル君のブロマイドを売ろうと頑張っているんだけど、イデアおじちゃんにも手伝って貰いたいなって」


「すみませんが、今は手が離せられないので、お手伝いは出来そうにないですね」


「どうしてイデアおじちゃんこんなにお仕事忙しいの?」


「それはですね。エルフの王が城に来たことを覚えていますか?」


「うん。魔王様慌てて帰ったんだよね。それで、お話をして色々なんかあったって」


「私はその尻拭いをしているのですよ。まさか、木材の関税を下げろと言われてしまいましてね。エルフの国の木材は耐久面、内蔵魔力量も高く品質が良いのですが、エルフの国の木材が大量に入ってきてしまうと自国の木材の価値がより一層下がってしまうのですよ。それを踏まえて今までの適正価格の見直し、そして、他にも、魔蟲の洞窟と貿易の橋渡しをしろとも言われてしまいまして。まだ、凪さんには伝えていませんが、私としては凪さんの負担を増やしたくなく、魔蟲の洞窟陣営ではまだ貿易は出来ないと思うのですよ。はぁー、なんで、私がここまでやらなきゃいけないのですかね。木材の価格などは他がやればいい話だというのに、この仕事全てを名指しで指名されてしまい。もう、私、過労死してしまいそうですよ!」


「僕には難しいこと分かんないや。イデアおじちゃん大変なんだね」


「なので、この状況では手伝えませんので、他を当たってください」


「イデアおじちゃん、これあげる」


 青雷は白桜から渡された主人様の寝相集をイデアに渡した。


「これは、一体? なっ!? 凪さん!!! はぁわぁはあああああ!!! 可愛い!可愛すぎます! お腹出しちゃってます。お腹冷えませんかね?」


 イデア写真集をもらうなり、ページを物凄い速さで巡り始めた。


「凪さん! 凪さん! ちょっ!? 股を広げすぎです! もう、無防備にも程がありますって! 掛け布団が吹っ飛んでるじゃないですか!」


 50ページもある写真をたった5分で見終わったイデアは紅茶を淹れて落ち着こうとしていた。


「ふぅ、はぁー。幸せです。久しぶりに凪さんを見れるなんて。仕事のせいで凪さんに連絡できず、藍介さんの動向を聞くこともできていませんでしたが、久しぶりに連絡しなくては行けませんよね」


 クティスは一旦肉球スタンプ作業をやめて、机の前まで動き、イデアが読んだ写真集をめくっていた。


「ガウ! ガウグルガウガウガ!!!(凪! 凪の寝相だ凪に会いたいな!!!)」


「それなら僕が主人様にイデアおじちゃんに連絡してって頼んでみるね」


「いいのですか! 連絡は明日の夜でお願いします」


「今から連絡してもらうようにお願いしてみる。イデアおじちゃん相当疲れ切ってるようだし、少しだけ休まなきゃ。残りの仕事は僕のこの何でも券を使って魔王様に全て押し付けてくるから大丈夫だよ」


 青雷は魔王の何でも券をイデアに見せつけた。


「大事な券を私の為に使って良いのですか?」


「イデアおじちゃん頑張ってるからね。まだ、この券残ってるから大丈夫だよ。それじゃ、僕は主人様にイデアおじちゃんに連絡してもらうようにお願いして、その後、魔王様の所に行って仕事させに行くね!」


「青雷君。ありがとうございます」


 イデアはほんの少し涙を流した。


「それじゃあ行ってくるね」


 青雷はイデアの部屋を後にすると、白桜に主人様にイデアへ連絡してもらうようにお願いをして、青雷は何でもやってやる券を持ち、魔王にイデアの仕事をやるようにお願いしたのでした。

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― 新着の感想 ―
いい子ですね。「可愛い子には旅をさせよ」といいますけど、順調に成長してますね。 ……真相が判ったら何と言うのでしょうか。「ご主人様が楽しみにしているんだって」と言えば大丈夫かな(笑)
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