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シェーフと氷月

 マランは紅姫とデートを楽しんでいた。


 マランは湖で薔薇の花束を紅姫に渡した。


「紅姫さん! 貴方の美しさこの赤い薔薇よりも美しく! そして、妖艶だ!」


「妖艶はいらないような? でも、ありがとうございますわ」


「紅姫さん! 俺と結婚をしてください!!!」


 マランはデート始めに結婚の申し込みをしたのである。


 その姿を見た物陰に隠れていたシェーフは呆れていた。


『あいつ、馬鹿なんじゃない? 自信満々に俺と結婚してください! なんて、付き合ってもないし、ましてや、デートの始めにやるんじゃなくて! 普通はデートが終わる頃にやるべきでしょ! 一緒に遊び仲を深めた時に告白なのに、あの馬鹿! 仕方ないわ、私がやらなくちゃ!』


「おい、そこの精霊! お前はマランの精霊だよな!」


『キャッ! 急に誰よ!』


 シェーフが男の声に驚き後ろを向くと、そこには氷月が立っていた。


「俺様は妻にお願いをされてな! マランのデートを邪魔をする奴の邪魔をしてくれと言われたのだ! さぁ!俺様が直々にお前の邪魔をしてやろう!!!」


『貴方、私のことが見えるってわけよね? うーん、もしかして、貴方も精霊なの?』


「そうだとも! 俺様はこの世に3体しかいない魔石精霊の1人! 氷月だ!」


『ま、魔石精霊!? いや、そんなわけないわよ。魔石精霊って私達上位精霊よりも上位の存在だって言われてるし、そんな精霊がこんな煩い男なんてあり得ないわよ』


「煩いとはなんだ! 魔石精霊アの弟なんだぞ!」


 シェーフはこの男を使ってマランの暴走を止めることができるんじゃないかと考えた。


『ねぇ、私と勝負をしない?』


「俺様と勝負だと? 上位精霊と勝負か楽しそうだな! アのせいで体を動かすことが出来なくてな!」


『受けるってことよね。それなら、あそこにいるマランと紅姫のデートを成功させた方が勝ちって事で』


「デートを成功か、成功とはどうなれば成功となるんだ?」


『そうね、マランと紅姫さんが恋人になったら成功ね』


「恋人か、いいだろう! それなら、簡単だ! 妻に聞いたことがある。ハラハラドキドキすると吊り橋効果で恋人になれるとな!」


『ハラハラドキドキ? 何を言っているの?』


「俺様のターンだ! 湖で何か言っているが、ハラハラ、ドキドキする為には! 試練が必要だな!」


 氷月は湖の中に巨大な魔石を一瞬だけ出現させて湖に巨大な波を作った。


 波は辺り全体に広がり、湖にいたマランは紅姫の手を引いて逃げようとしたが、紅姫は炎の糸をだし森へ向かう波を全て蒸発させた。


「ふぅ! 危ない所でしたわ。マランさん、大丈夫ですか?」


「べ、紅姫さん、凄いですね」


 マランは紅姫の活躍によって、より一層彼女の事を好きになった。


「俺! 紅姫さんの隣に立てる男に絶対になってみせるので、俺と結婚してください!」


「あら、また結婚の話? わたくしデートを楽しみたいのだけど? これもデートの一環なのかしら?」


「俺は紅姫さんと1日でも早く一緒になりたいんです!」


「あら? 今は一緒にいるのにどうしてかしら?」


「紅姫さんと一生を共に歩みたのです!」


 一方、試練を与えた氷月はマランに試練を与えたのにマランが逃げようとしていたので少し不機嫌になっていた。


「紅姫が俺様の試練を突破してしまったな! マランのやつ逃げようとしてなかったか? 俺様の試練を取られるとはひ弱な奴だな!」


『そうなのよ。弱いから私が助けてあげているのよね。でも、さっきのはやりすぎよ! 紅姫さんのお陰で森に被害が無かったけど、周りに被害が出ることは禁止だからね』


「ハラハラドキドキは難しいのだな」


『もう! なんでこいつが洞窟の主人の夫なのよ!』


 シェーフと氷月との勝負はまだ始まったばかりだ。

頑張れシェーフ、氷月に負けるなシェーフ! マランの恋を実らせる為に!

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― 新着の感想 ―
急ぎすぎですね♪何が彼を駆り立てるのか(笑) おじゃま虫に合流。無事、彼は試練を越えられるのか?そう、彼はですね(笑)
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