マランと紅姫のデート
マランは紅姫との試合で勝ち、次の日、報酬として、マランは紅姫との1日デートを所望した。
主人様の庭でマランは紅姫に話した。
「いいですわ。マランさん、今日1日デートしましょう」
「いいんですか!!! やったーぜ!!!」
「お母様がデート、不正して勝ったというのによくそんなお願いができるわね。そもそも、ルールをあんたが破ったのだから、報酬なんて無しでいいのよ! お母様がこんな奴のお願いを聞く必要なんて無いわ!」
白桜は紅姫の前に出てマランを罵倒していた。
「こらこら、白桜。マランさんは私と闘いそして、勝ったのですよ。それに、私、デートという物を言葉では知っていたのですが、まだ一度も体験していないので、正直、マランさんのデート楽しみなの」
「母様!? 分かりました。今日1日母様とデートしてもいいわ。でもね! 母様に変なことをしたら、ただじゃ済まさいから! 覚悟しておきなさい!」
「白桜ちゃん、俺は何があっても紅姫さんを楽しませることを誓う!」
「ふん! 母様、こいつが面白く無くなったらポイしていいからね」
「もう、白桜は心配し過ぎよ。でも、私の事を心配してくれてありがとう」
「あの! デートの時間が無くなりますので!紅姫さん今すぐに森へ行きましょう!」
マランは紅姫の手を引き、自身の魔力で風を操り彼女と自分を浮かせた。
「凄いですわ! 私浮いてます!」
「さぁ、このまま魔蟲の森へ行きましょう!」
「フヨフヨして楽しいですわ!」
紅姫自分の体がフヨフヨと浮かんでいる事を楽しみ、マランは紅姫の為に必死に考えた策が成功して内心とてつもなく喜んでいた。そして、2人は魔蟲の洞窟を抜けて、魔蟲の森の中央にある湖へ向かったのでした。
『マランが楽しんでいるのはいいけど、私は暇ねぇ。何か面白い事ないかな? ん? あのマランがデートを成功させることなんて出来ないわよね?』
少し時間が遡り、マランが紅姫に勝ったその日の夜。マランはシェーフにとあるお願いをしていた。
「なぁ、シェーフ。お願いがあるんだ」
『マランが私にお願いって珍しいわね? どうしたの?』
「明日紅姫さんにデートを申し込む。だから、シェーフお願いだ!」
その時、シェーフはマランがデートを手伝ってくれとお願いするのだと考えた。
『私にかかれば成功するわよ!』
「いや、シェーフは明日1日何もしないでくれ!」
『任せなさーい! ん? 私がデート手伝うんじゃ?』
「いや、シェーフは何もしないでくれ」
『マランだけじゃデート成功しないわよ。私が手伝えば紅姫さんが喜ぶ事間違いなし!』
「分かった。紅姫さんを風の魔法で浮かせたいんだ。その時だけ力を貸してくれ」
『分かったわ! でも、他にも私が手伝わなくていいの?』
「いいんだ! それだけ手伝ってもらえれば十分だ! あとは俺の力で頑張るから屋台でも巡ったらどうだ? ほら、お金は用意してあるからこれを使って楽しんでくれ。いつも俺が不甲斐ないばかりにシェーフに甘えてばかりだ。だから、明日は俺の側にいるんじゃなく、自由に楽しんでくれ!」
『しょうがないわね。明日は自由に楽しませてもらうわね!』
そして、現在。シェーフは1人で屋台巡りをしていたが、マランと紅姫のデートが気になっていた。
『やっぱり! 私がデートを手伝ってあげなきゃダメよね! シェーフもいい歳なんだから奥さんの1人や2人いないと。よし! 私の力でマランの恋を実らせてあげなきゃ!』
シェーフは屋台の食べ屋を全て巡った後にマランがいる魔蟲の森へ向かったのであった。
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