紅姫に送られた果し状
ある日の朝、紅姫は森を探索していた。
「うーん、この頃のパーティーが同じ事ばかりで楽しくないのよね。なにか、新しい催しのアイデアが転がってないかしら?」
紅姫は地面に転がっている石を持ち上げて下を見た。
「うーん、プレゼントが書かれた紙を石の下に隠して探してもらう余興なんていいんじゃない? うん、楽しそうね。でも、もっと刺激的な催し物ないかしら?」
すると、紅姫に向かって一本の矢が飛んできた。
紅姫は咄嗟に避けて矢は紅姫の右にある木に刺さった。
「危ないわね!!! でも、刺激的で楽しかったわ! あれ? 矢に紙が巻き付いてあるわ?」
紅姫は矢に巻き付かれた紙に気付くと紙を開いた。そこには、字が書いてあった。
「えーと、今から貴方を倒しに行きます。マランより? これって!まさか! 主人様にお話を聞いた事がありますが、果し状!? 倒しに、私を倒すなんて彼には無理なのに、面白い! 面白いですわ! 主人様に報告しなきゃ!」
紅姫は矢と紙を持って主人様の家に向かったのでした。
一方、エルフの国へ帰ったマランは紅姫に送る結婚指輪と花束、そして、告白する為にマランは白いタキシードを注文し、店まで服を取りに向かっていた。
「これで、紅姫さんと結婚できるぞ!」
『ねぇ、マラン、一言言ってもいいかしら?』
精霊のシェーフはフヨフヨとマランの側を浮かんでいた。
「ん? シェーフどうしたんだ?」
『紅姫さんと恋人じゃないのに結婚を申し込むのはどうかと思うわ。そもそも、順序を踏まずにすっ飛ばすなんて絶対に振られるわよ』
「何を言っているんだ。俺のこの思いは伝説の木ユグドラシルよりも高いんだ!」
『何言っているのよ。はぁー、ダメだ、私の話をまったく聞いてない』
「紅姫さんと結婚〜。紅姫さんと結婚〜。青雷君にはかっこいいおもちゃでも買ってあげようかな。確か、青雷君にはお姉ちゃんがいたよな? 可愛いぬいぐるみでも買って行ってあげよう。これで、マランお父さん大好きってなって、俺と紅姫さんとの子供とも仲も良好間違いなし!」
『自分の世界に入っちゃってるわね』
「はっ! 急に会いに行ったら失礼だよな。シェーフ俺が手紙を書くから紅姫さんに送ってくれないか?」
『なんで私が手伝わなきゃいけないのよ。でも、手紙かぁ、ふふふ、いいこと思いついたわ。いいわよ。手紙を送ってあげるわ』
「シェーフ変なことをしたら怒るからな」
『私に任せなさーい』
マランはタキシードを店から受け取り、家に帰り紅姫に恋文を書いた。シェーフはその恋文を紅姫におくったのでした。
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