白桜のお金稼ぎ計画
藍介が旅立ち1ヶ月程度たった頃、白桜はとある計画をたてていた。
白桜は自分の部屋で可愛らしいフリルのドレスを着たラックルの写真を見つめていた。
「写真。これを使えば魔族の国で商売をする事ができるわね。ふふふ、これを広めてこの写真に価値をつければ、大儲け間違いなし! 藍介さまよりも主人様に喜んでもらえる! そうなったら、やるしかないわね! 青雷に連絡しなきゃ!」
その時、ラックルは悪寒を感じていた。
「うぅううう、なんだろう。嫌な気がするな」
隣で寛いでいた青雷がラックルの顔を覗いた。
「ラックル君どうしたの? 風邪引いた?」
「いいや、なんか嫌な気がしてさ」
すると、白桜から青雷に連絡が来た。
「青雷! あたしの話を聞いて頂戴!」
「ねぇちゃん急にどうしたんだよ」
「少しだけ2人きりで話したいからラックルは部屋から出ていって頂戴」
「ここはラックル君の部屋なんだからそんなこと言わないでよ!」
「僕は別に構わないですよ。今日も白桜ちゃん美しいです」
「当然よ。あたしは主人様の次に美しいのよ」
「それじゃあ、僕は隣の部屋で書類片付けるので終わったら呼んでください」
「ラックル君ごめんね」
「大丈夫ですよ、それでは」
ラックルは自室から退出した。
「で、ラックル君を追い出して何を話したいんだよ!」
「そんな、喧嘩口調で言われる筋合いないわよ。まぁ、長話になるのは嫌だから手短に言うわね。主人様に喜んでもらうためにあたしと青雷とラックルでお金を稼ぐわよ!」
「稼ぐって何をするのさ」
「この写真覚えているかしら?」
白桜はラックルが女装した姿の写真を見せた。
「これがどうやったらお金になるの?」
「この写真を売るのよ。でも、その前にやらなきゃいけないことがあるのよね」
「やらなきゃいけないこと? 何をするの?」
「主人様からブロマイドって言う有名な人の写真が金になるって話を聞いたことがあるのよ。それでね、ラックルなら魔王軍七翼よね? それなら、有名人って事でしょ。彼の女装した姿のブロマイドを販売すれば、大金を稼げるってことなのよ」
「ブロマイドを売るならイデアおじちゃんの方がいいんじゃない?」
「それも考えたわよ。でも、ライバルにはあまりお願いをしたくないのよ。まぁ、ラックルで稼げたらイデアにもチャンスを与えようかしらね」
「イデアおじちゃんを呼び捨てにするなんて、僕以外には言っちゃダメだよ。イデアおじちゃん女性人気が凄すぎてイデアおじちゃんに女の人が話しかけただけでも周りにいる人たちが鋭い目つきで睨むんだよね。あー、怖い、怖い」
「分かった気をつけるわ。それで、青雷の報酬なんだけど取り分の5分の1でいいかしら?」
「うーん。僕には取り分とか分からないからな」
「じゃあそういう事であたしは準備を進めるからラックルには貴方が伝えておいて」
「えー、しょうがないな、僕に任せて」
青雷は白桜との連絡を終えて白桜の話をラックルに話した。
「僕の写真売らないでくださいよ! しかも、女装した姿なんて恥ずかしいじゃないですか!」
「そういいながら、この前の集まりでノリノリで女装してたじゃん」
「あれは、僕が可愛いからと白桜ちゃんに言われて仕方なく」
「じゃあねぇちゃんに言われたらやってくれるの?」
「まぁ、白桜ちゃんが僕とデートしてくれるのであれば手伝ってあげても良いですよ」
「分かった。ねぇちゃんな話すね」
次の日、白桜がラックルに話しラックルは鼻の下を伸ばして承諾した。
「ラックル君、リリアーナ様の時に痛い目にあったのに懲りないね」
「だって、美女が僕にお願いをしてくれたんですよ。頑張らなきゃ!」
「それなら、ラックル君頑張ろうね」
「うん! 白桜ちゃんとのデートの為にがんばる!」
そうして、ラックルのブロマイド販売に向けて白桜と青雷、ラックルは動き出したのでした。
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