スミスの久しぶりの再会
次の日の朝、テンサーさんの店に行く前スミスエレガントに寄ろうと考えたので、先に黄結姫さんにはテンサーさんの店へ向かってもらい。私1人でスミスエレガントに向かいました。
「おや! 藍介様じゃあないですか! 今日はどの様なご用件で?」
「少しだけお話をしたいのですかよろしいですか?」
「藍介様でしたらいつでもお時間を作りますとも! それで、いつも一緒に来ている美しいメイドさんは今日はご一緒ではないのですね」
「えぇ、黄結にはテンサーさんの店に先に行ってもらっているのです」
「テンサー様ですか。立ち話もなんですし、こちらへ部屋へどうぞ」
私はスミスさんの後に付いて、応接室へ向かいました。その廊下の途中で丁度メイドのアンナさんが通ったのでスミスさんはお茶の用意をお願いしていました。
私は応接室の座り心地の良いソファーに腰を下ろし美味しい紅茶を飲んでひと休憩をとった後にスミスさんにこれからテンサーさんに会ってもらえないかと話しました。
「藍介様のご提案は嬉しいのですが、彼が私を店に入れてくれるかというと、難しいのではないでしょうか。私何故か、彼に嫌われているのですよ」
「テンサーさんが嫌う理由はただ一つです。女にモテるからですね」
「え? あっ、いや、失礼しました。女性に好かれているのが気に食わないということでしょうか?」
「そうです。モテる男は大嫌いだって叫んでましたからね」
「まさか、そんな事で嫌われていたとは、私はてっきり魔道具が作れないせいで嫌われているかと考えてしましたが、うーん、彼に好かれるにはこの顔を傷付けるしかないという事。ですが、この顔は大切な商売道具ですので、この選択は難しですね」
「スミスさんはテンサーさんと仲良くなりたいのですか?」
「そりゃあ、もちろん仲良くなりたいですよ。彼はこの国一の魔道具技師ですからね。販売商品を充実されるためにも彼とは友好関係を結びたいのです」
「それでしたら、私はこれからテンサーさんの所へ向かうのでスミスさんもご一緒しませんか?」
「それは、嬉しいご提案ですが、店を開けるのは」
「そうですよね。難しいですよね。テンサーさんにスミスさんを紹介したかったのですが、残念です」
スミスさんは少しだけ考え込むと急に立ち上がり、部屋から出ていった。それから、数分すると彼は戻ってきました。
「藍介様、店は従業員に任せましたので、テンサー様に会いに行きたいです」
「ほんとですか! それでは今すぐに行きましょう!」
私とスミスさんは店から出て、テンサーさんの店へ着きました。そして、ガメツイさんが工房まで案内をしてもらい、スミスさんは久しぶりにテンサーさんと会ったのでした。
ブックマーク、評価いただけると嬉しいです。