黄結ママ
私とガメツイさんは部屋から追い出されましたが、黄結姫さんがまだ部屋に残っていたので私は彼女を待っていました。
そして、2時間後にやっと黄結姫さんが部屋から出てきました。すると、テンサーさんは黄結姫さんに抱きつき子供のように彼女に甘えていました。
「黄結マーマー、僕ね。もっとママに甘えたいなー!」
ガメツイさんは驚いていました。
「マ?マ? 坊ちゃま、どうして彼女をママと」
「これから僕は黄結の事をママって呼ぶんだ〜。もう、ママはこのまま泊まっていってよ。もっと僕と仲良くなって欲しいな」
「テンサー様、ごめんなさい夜も遅くなっているので、帰らせてもらいますね」
「え〜。僕はもっとママと話したいのになぁ」
「あの、それでしたら。明日また伺いますのでその時に黄結と沢山お話をしてください」
「分かったよ。はいこれ戸籍証明書これがあれば銀行で口座作れるようになるよ。あと、ガメツイ、あれ渡して、魔道具技師資格試験の筆記試験対策本だからそれ読んでおいてね。2次審査は僕がもうこの場で合格を言い渡してもいいけど、どうする?」
「何から何でも本当にありがとうございます。2次審査は筆記審査を通ってからでお願いします」
「藍介なら余裕だと思うんだけど、まぁ、試験楽しみにしとくよ。確か試験日が2ヶ月後だった思うよ。試験予約は商業ギルドに行けば申請できるから早めに行っときな」
「はい、それでは失礼します」
「テンサー様、明日また会いましょうね」
「ママ! 明日はママの好きなお菓子沢山作って待ってるからね!」
私と黄結姫は店を後にしてオンボロ宿に帰りました。
「あの、黄結姫さんどうしてテンサーさんにママと呼ばれるようになったのですか?」
「それが、この前藍介さんが主人様との惚気話が長くて私の話は全くできなかったじゃないですか。だから、私の話を聞いてもらってたんですよ」
「それがどうしてママとなるのです?」
「その、テンサーさんが余りにも可愛かったので、つい、頭を撫でちゃったんです。それから、テンサーさんが子供みたいに甘え始めちゃって」
「あー、それで、ママとなったわけですか。うん。仲良くなるのは良いことです。黄結姫さんにはテンサーさんの機嫌取りをすると言う誰もできない黄結姫さんだけの仕事ができたという事ですね!」
「私だけのお仕事。私!がんばります!」
「頑張り過ぎないようにお願いしますね。程々にがんばってください」
「はい! 主人様にやっと私の活躍をお話しすることができますね!」
「え、えぇ、そうですね。明日はよろしくお願いしますね」
「はい! 早く主人様に言わなきゃ!」
黄結姫さんはテンサーさんの機嫌取りという仕事ができ、嬉しそうに主人様に報告していました。
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