灰土の特別な訓練から逃げ出せ 中編
紫水は特別な訓練5日目に突入していた。
紫水、ネルガル、ライネルは魔蟲の森の外周を走っていた。
「もうやだ〜!!! 主人様に会いたいよ〜! ネルガル抱き枕ゴツゴツし始めて抱き心地悪くなってきた〜!!!」
「俺は元々筋肉あったと思うんだけどな」
「俺よりかはねぇえだろ」
「そもそも〜、ずっ〜と走らされてるのなんで〜! 疲れたよぉ〜! 主人様のお腹をモミモミしたいよぉ〜」
「凪さんのお腹に触ろうとするなんて、紫水よく凪さんに殺されなかったな」
「ん〜? 主人様が爆睡してたら揉みたい放題だよ〜。流石にお胸は触るの躊躇するけど〜。お腹ならいいじゃん〜」
「寝込みを襲ってるのかよ!」
「主人様のお腹のモニモニ具合が最高なんだ〜。柔らかいと言えば〜、緑癒のお尻もなかなかのプリプリ具合で叩くと張りがあって楽しいし、ペッシンっていい音が出るんだよね〜」
「いい音って緑癒さんのお尻を楽器にするなよ」
すると、空から緑癒が3人に緑の鱗粉を振りかけに飛んできた。
「僕のお尻がなんですか?」
「あ〜、緑癒〜。緑癒のお尻は良い楽器って話してたんだ〜」
「僕のお尻は楽器じゃないです!!! もう、回復してあげようかと思ってましたが、嫌になってきました。今日は回復なしで頑張ってください!」
「あっ、ちょっ! 緑癒さん、紫水がバカな事言ってすみません。紫水は回復しなくていいんで、俺に鱗粉をかけてください!」
「あ〜! ネルガル裏切ったな〜! 裏切り者には〜、こうだ〜!」
紫水はネルガルの背中に飛びついた。
「おい! 紫水! 離れろ!」
「やだね〜。今思ったら最初からこうすれば走らずに済んだんだね〜。楽ちん〜楽ちん〜」
「重いから離れろよ! てか、ライネルが先に行きやがったぞ!」
「変なことやってるからわりぃんだよ! 俺は先に行かせてもらうぜ!」
ライネルは3人を置いて先に走っていってしまった。
「なぁ、紫水。俺達で逃げないか」
「賛成〜!」
「灰土さんに報告しちゃいますよ!」
「ねぇ〜。緑癒〜。主人様にお尻触って欲しいんでしょ〜」
「急にどうしたんですか?」
「あのね〜、緑癒のお尻は楽器みたいに叩くといい音が出るって主人様に言えばさ〜。もしかしたら〜、主人様は気になって〜、緑癒のお尻叩いてくれるんじゃない〜?」
「それ、良いですね! この頃主人様にお尻を触って欲しいとお願いしても全然! 触ってくなくて、虫だった時はあんなに僕のお尻を愛してくれていたのに虫人になった途端触ってくれなくなってしまったのですよ。僕のお尻に触ってもらえるのでしたら、僕はなんだっていたしますよ!」
「それならさ〜。俺が〜、主人様に伝えるから〜。俺とネルガルが逃げたこと灰土に言わないで欲しいな〜」
「うーん、わかりました。その提案を呑みましょう。ですが、きちんと、主人様に僕のお尻が素晴らしい音色を奏でると伝えてくださいね!」
「うん〜! それじゃ〜、ネルガル〜。折角森にいるんだから〜、中央の湖に言ってゆっくりお昼寝でもしようか〜」
「おっ!いいなそれ! そんじゃ、行くか!」
ネルガルは紫水をおぶったまま進路変更をして、森の中央の湖に向かって走り始めた。
2人は湖に着くと、湖の辺りで金色丸と銀次とアビーサが囲碁をしていた。
紫水とネルガルは3人の元へ向かった。
「その黒い石と白い石を並べて何やってるの〜?」
「おや、紫水とネルガルさんじゃないか。訓練はどうしたんじゃ?」
「ちょっと休憩中でさ」
「まぁ、少しぐらい休むのも良いじゃろ」
「オラは五目並べより、訓練参加してみたいだ」
「うーーーーーーーん。ここに置くと、いや、先を見越して、ここに、いや、ここだと、そこを取られてしまう。うーーーーーーんどうしたものか」
アビーサは白い石を持って悩んでいた。
「ねぇ〜、ねぇ〜。金色丸〜、走りたいならさ〜。俺と交代しよ〜よ〜。俺走りつれちゃってさ〜。休みたいんだよね〜」
「いいだよ。俺が紫水の分走ってくるだ!」
金色丸は走り去ってしまった。
「金色丸は直ぐに負けてしまうからのぉ。楽しくなかったのか。手加減もたまにはしないといけないな」
「じゃあさ〜、俺にそれの遊び方教えてよ〜。ネルガルも一緒に遊ぼ〜」
「いいぜ! アビーサ様! これはどんな遊びなんですか?」
「ふふふ、これわのぉ。五目並べと言ってな、この黒と白の石を使って、縦横斜めに5つ同じ色の石を先に並べられた方が勝ちというゲームじゃ」
「楽しそうだね〜。俺やってみたいな〜」
「そうじゃのぉ。実際に遊んでみないと分からんから、今回の勝負は次回として若者に譲ろうかのぉ」
アビーサは負けかけていたので紫水の提案になることにした。
「おや、後少しで勝てたのに残念です」
「まだ、銀次が勝てそうでだけで、儂は負けておらんからのぉ」
「五目並べやらせて〜」
すると、地面が暗くなり、空から灰土が飛び降りてきた。灰土が地面に着地すると、地面がへこんだ。
「紫水、ネルガル、休憩はここまでだ。まだ、今日の目標まで終わらせてないだろ。アビーサ様、銀次様、勝負の最中に邪魔をしてしまい申し訳ない。この2人は俺が連れていくから勝負を中断しないでください。さぁ、紫水! ネルガル! 後少しだから頑張って走れ!」
「いやだぁぁあ〜!!! 俺五目並べしたい〜!!!」
「くそっ、すまない紫水!」
ネルガルは湖に走り、湖の中で隠れようとしたが、灰土はネルガルの足元の地面を操りネルガルを岩の壁で囲った。
「さっさと水中に逃げれば俺から逃げれたが、詰めが甘かったみたいだな。走り終わるまで俺が直々に側で監視するからな。逃げれると思うなよ」
「うわ〜〜〜〜ん!!! 主人様に会いたいよぉぉ〜!」
「俺干からびちゃう」
2人は灰土に連れていかれ、アビーサはさっきまで行っていた勝負を途中で辞めることができなくなってしまい。五目並べは最終的に銀次の勝利で終わった。
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