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ゴキブリって2本足で立てるのね


私は座り込み今までの人生を振り返っていた。


あー、30年間彼氏ゼロ、普通の会社に就職し普通のありふれた生活をしていた私がなんでこんな目に、神様、私なにか悪いことしました?こんな仕打ちありますか?ねぇ!神様!私は何か悪いことしましたか?


私が神様に心の中で抗議をしている中、蜘蛛さんは仲間達を呼んだみたいで巨大なムカデと中ぐらいのムカデ、モフモフデカい蚕に蚕と同じぐらい大きいゴキブリが私に近付いてきた。


座り込み顔を下に向けていた私の前にゴキブリが現れ、すると、若い男性の優しい声が頭の中で聞こえた


「主人様大丈夫ですか?」


私は驚いて顔を上げた。

目の前には私の身長の何倍もある巨大ゴギブリがいた。


「いっやぁぁぁぁぁぁー」


私は悲鳴をあげその場でこてんと気絶した。


「お兄ちゃん、主人様倒れちゃったよ?」


とても可愛らしい少女の声がした。


「やはり、私達の姿は新しい主人様でも、醜いと感じるみたいですね」


「新しい主人様だったら頭撫で撫でしてくれると思ったのに、また嫌われちゃうの?前の主人様みたいにキモイとか、近寄らないでって言われちゃうの?」


「彼女はついさっきまで人間だったので、この反応は仕方ないですよ。主人様が起きるまで少し待つとしましょう」


巨大なゴキブリの背に小さなゴキブリがいた。

その小さなゴキブリは乗っているゴキブリの背を優しく撫でた


気絶している女性の周りには巨大なゴキブリと巨大なゴキブリの背に2本足で立っている手のひらサイズのゴキブリ、巨大ムカデにそれより小さい中ぐらいムカデ、大きい蚕が空を飛び鱗粉を撒き散らし、巨大な蜘蛛、6匹の虫達が女性を囲っていた

虫達はいつ起きるのかな?とソワソワしていた。


私は意識が回復したが、目を開けずに自分の状況を考える事にした。


ビックリした、イケボが聴こえたから顔を上げてみたらゴキブリの顔がドーン!あれは心臓もたないわよ!ってか、あのイケボ誰よ!好みの声だったんですけど!声優だったら私の最推しになるぐらい素敵な声だったんだけど!

あー目開けたら地獄絵図よね、このまま開けずにいようかな?でも、何もされないってことはこの虫達は優しいって事だし、家に帰るためにもこの虫達と協力しないといけなそうだし‥。

凪!もうこれは根性しかないわ!目を開けるのよ!そして話せそうな虫達と交流して情報を聞き出さないと!

ファイト!凪!ふぁいとおおおおおおおおぉ〜!


私は自分を鼓舞し目を開けた。

私の目の前にはまさしく地獄、巨大な虫達が私を囲っていて逃げ場ゼロ、皆、私が目を開けたら顔を近づけてきて私は泣きながら叫んだ。


「近付かないで!お願いこれ以上近付かないでぇ!」


私好みのイケボが頭の中で聞こえた。


「主人様、申し訳ございません。皆さん、主人様にはあまり近付かないでください」


彼の声が聞こえると虫達はゆっくりと私から離れてくれた。


「ほら、もう少し離れてください、妹よ、少し下がってくれないかい」


可愛らしい少女の声がした


「後ろに下がるの苦手なの」


巨大なゴキブリがゆっくりと私から離れて行った。

イケボさんありがとうございます!


虫達は私から5メートルほど離れてくれた。

私は意を決して虫達に話しかけた。


「あの、さっきの男性の声は誰ですか?」


すると、巨大なゴキブリの背から手のひらサイズのゴキブリが巨大なゴキブリから羽を広げ飛び降り、2本足で歩いて私の方に向かってきた。って!もう1匹いたのかよ!

しかも!2本足で歩くってどういう事!?

それって逆に歩きにくくない?


「主人様、先ほど話しかけたのはこの私です」


2本足で立つゴキブリは頭を下げた。


イケボさんの正体は2本足で立つゴキブリだった。

うぅキッツ、イケボなのにゴキブリ‥。

ましてや、普通の人と話してる時と同じぐらい声がスムーズに聞こえる。

あー、上で飛んでる可愛い蚕だと思ってた

まだ、蚕は可愛いから許せるけど、ゴキブリって

私は仕方ないから情報を聞くことにした


「あの、色々質問しても大丈夫ですか?」


私は2本足で立つゴキブリに話しかけた。


「はい、主人様、何なりとお申し付けください」


「それなら、なぜ私がこの洞窟の主人になったの?」


すると、ゴキブリは何もないところから本を出し4本の足を使って器用に本を開いた。


「主人様がここの主人なった理由は、前の主人、精霊リリアーナが神に新しいダンジョンに行きたいから、自分の代わりとなる人物を探して欲しいと申請した為だと思われます。神の判断基準まではわかりませんが、私の考えでは、神が貴方がこのダンジョンに相応しいと判断されたのではないかと思います。申し訳ございません、神の判断基準については調べられなくなっているので、主人様が来られた経緯しか調べられませんでした」


「どうしてリリアーナがここから離れたがっていたの?」


「それは、私達が原因かと」


「それはなんなの?」


「私達は精霊リリアーナから嫌われていました。その、見た目がキモい、汚い、存在する価値ないと毎日言われ続けていました。彼女は美しいく強い人型しか愛さない方です。自身の分身の精霊達としか話さず、敵が侵入した情報を伝えようとすれば罵倒されたりしました」


「あの、辛い過去の話させてごめんなさい」


「いえ、つい感情が先走ってしまい申し訳ございませんが、少し話を聞いてくれませんか?」


「えぇいいけど」

私は直感したこれは話が長くなるパターンだということを


イケボゴキブリさんはコホンと咳払いをして話し始めた


「リリアーナは私達の存在が嫌でここから出たがっていました。ダンジョンが出来た頃は、冒険者というとても強い人間が沢山きてくれたことで彼女は、私達のことは眼中になく、冒険者と愛し合うことばかり考えていました。いつからかは、忘れてしまいましたが、冒険者が急に少なくなってしまい、彼女の楽しみが無くなり始めた時、私達に八つ当たりをし始めました。日々、罵倒、罵倒、リリアーナの精霊達にも馬鹿にされ、私は特殊固有スキル『世界の図書館』という珍しいスキルを保有し、知能が高かった為、私に利用価値があるとわかるなり、美容など女性が知りたい知識を眠ることもできずに調べ続けさせられ、汚いからと湖に放り込まれ溺死しかけたりと、あっ、その際、主人様の左側にいる紫色のムカデが助けてくださいました。それとですね‥‥‥。」


イケボゴキブリさんは相当ストレスが溜まっていたみたいで、それからもずっと私に自分達がどれ程リリアーナに虐められ続けたかを話続け、2時間、多分2時間経ったと思う、映画一本分の長さだと思う。私はその間、「そうなのね」「そんなことがあったのね」と相槌していた


それにしても、イケボゴキブリさんはなぜ2本足で立っているの?その細い足で立つのって難しくない?

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― 新着の感想 ―
イケボのG……何某公で再生されるなあ……
[一言] こんなとこに放り込まれたら普通に鬱になって廃人になる自信ある
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