夢の中の図書館 後編
藍介はいまだに私に抱きついていた。その後も言い寄ってきた女性たちが相当腹にしていたのか、藍介はずっと愚痴を言っていた。
「はいはい、お疲れ様。そういえば、まだ魔石は売ってないみたいだけど、これからどうやって資金を調達するの?」
「それはですね。魔石を買い取ってくれる店を何店舗か周り魔石の買取価格を調べようかと、それで、一番高く売れる店を乗っ取ろうかと考えています」
「乗っ取るの!? まぁ、自分で店を作るよりかは、元々ある店を乗っ取った方が楽なのかな?」
「まぁ、多分今日行った店が1番の有力候補だと思いますが、一応この国の価格を調べとかのも手かと思いましてね」
「あと、イデアさんの部下とは接触はできてないみたいだけど、確か、黄結姫の話だと、藍介の仲間達じゃ、イデアさんの部下なのか連れてこられた奴隷なのか判別できないのよね?」
「そうなのですよ。そこをどうしたものかと、何かイデアさんとわかるような事をすればあっちから接触してきてくれるとは思うのですが、そのアイデアが全く思い浮かべられなくて」
イデアさんの部下とわかる方法か、イデアさんにも聞いたけど、エルフ、獣人、魔人のチームって聞いたけど、亜人種の奴隷が多いこの国じゃ見分けら事なんてできないし、藍介がイデアさんとの繋がりがあると分かってもらうには、そうよ、魔道具を作るのであれば、その魔道具にイデアさんの印を刻印すればいいんじゃない? それか、お店の名前とか分かりやすくすれば、相手の方が近づいてきてくれるんじゃない?
「ねぇ、藍介、お店の名前をイデアさんの名前にすればいいんじゃない? あと、魔道具を作るんだったら、その魔道具にイデアさんだとわかる刻印でも付けてみたらいいんじゃない?」
「主人様! 貴方はやはり、素晴らしい方です!!! そうですね!そうですとも、イデアさんの名前を使えばもしかしたら部下の方達が気付くかもしれません。んー、でも、イデアさんの名前を直接使うのは」
「それなら、イデアさんじゃなくて、クティスの方を使うのはどう? それに、クティスはこの国でも終焉の獣として有名なんでしょ?」
「はい、文献も残っているそうですし、クティスさんの名前と姿は知れ渡っていると思います」
「それなら、クティスの姿を刻印した魔道具を販売すれば、イデアさんの部下ならわかってもらえるんじゃない? それに、クティスが有名なら捕まった奴隷の人達もこのメッセージに気付いてくれそうじゃない?」
「主人様のアイデアが良さそうですね。うまく行けば、イデアさんの部下との接触そして、奴隷となった人達も私達の話を信じてもらえる可能性があります。それなら、私は早く軍資金を調達し魔道具技師の資格を保有しなくては!」
「うんうん! イデアさんには私が伝えておくわね」
「これからは、ここで主人様と情報の共有が出来るようになるのは大きいですね」
「そうね。でも、ここの行き方がよく分かってなくて、偶然これたものの、次寝た時にこれらかというと、うーん、次来れるかどうかはまだ分からないわね」
「明日の夜に今日と同じ状態で寝てみたらここへ行くことができるヒントが見つからんじゃないでしょうか」
「それも、そうね。明日の夜にやってみるわ」
「はい、そしたら、明日の夜もここで会えますね!」
「これたらの話だけどね。そうそう、氷月がね、漫画を読みたかっているのよ」
私はその後藍介に長達の話を話したのでした。
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