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夢の中の図書館 前編

 私は藍介と結魂したことによって藍介のスキルである世界の図書館を使用できるようになっていた。


 世界の図書館を使用すると、本のリストが目の前に表示されてそのリストから本を選ぶと取り出せる仕組みになっていた。


 私は適当にリストから本を取り出してみた。すると、本が私の手から飛び出てきた。


「おー! 藍介がいなくても本が読めるってことね。これなら、この世界の常識を紫水達に教えることができるわね!」


「妻よ、俺様は漫画と言うものが読んでみたい!」


「漫画はダメよ。氷月には、そうね。この道徳の本でも読んでなさい」


 私は小学校時代に見たことのある道徳の教科書を取り出して氷月に渡した。てか、道徳の教科書もあるって世界の図書館すごいわね!


「道徳? うーん、なんだ、この程度の事俺様が知らないはずがないだろう。それよりも、俺様は心踊る漫画が読んでみたい!」


「その道徳の本を読んで感想文を書いてきたら考えてあげるわ」


「感想文? この本のか? それをやれば漫画が読めるのだな! よし、やってやろうじゃないか!」


 氷月が道徳の教科書を取り私の部屋から走り出すと、彼の手にあった本が消えてなくなった。


「妻よ! 妻の近くでしかこの力は使えないみたいだぞ! さっきの本が消えてしまった!」


「藍介に借りた時はそんな事なかったのに、本を取り出せるけど他の人には貸すことができないってことね」


「妻よ、漫画を読む時は妻の近くにいないと行けないということだな」


「そういうことよ。まず最初に、さぁ、この道徳の本を読んで感想文を書かなきゃダメよ」


「くそっ、緑癒に書いてもらおうと考えていたのに、これじゃ、俺様がやらなければいけないじゃないか」


「緑癒に押し付ける気だったのね。3冊分の感想文を書かないと漫画を貸さないわよ」


「なんで増えてるんだ!」


「自業自得よ。さぁ、漫画が読みたかったら、感想文書きなさい!」


 氷月は漫画のために渋々道徳の本を読み始めた。


 そして、1時間足らずで氷月は眠っていた。


「寝てるじゃない!もう! まぁでも、道徳の本なんか面白くないから仕方ないわよね。たまに、泣ける物語が書いてあったり、悲しい物語も入っているはずだけど、氷月には退屈だもんね」


 氷月に毛布をかけてあげて、私は夕飯を食べることにした。


 その日の夜、私は布団に入り眠っていた。


 眠りにつくと、私は夢の中で広大な図書館に迷い込んでいた。


 辺りを見渡すと、本、本、本。本だらけでよくわからない文字で書かれている本もあった。


「もしかして、これが、世界の図書館? なの?」


 少しだけ図書館を散策すると、一冊の古びた日記に目がいった。


「そういえば、藍介の宝物って日記って言ってたわよね? こんな感じの日記なのかしら?」


 私はその古びた日記を本棚から取り出し、日記を広げた。日記の中身はなんと、私が眠っている写真が載っていた!


「なによこれ!!! 誰かの日記だと思ったら私の写真が出てくるのよ!!! それに、これ、どうして元の世界の私の部屋が写ってるのよ!!! 誰がこの写真とったのよ!!! ネルガルが花茶に変なこと聞いてたの小耳に挟んで調べてみたら、本当にあるじゃない!」


 私の元の世界の写真が載っていた。すると、遠くの方から藍介が私を呼ぶ声が聞こえた。


 そして、藍介にこの現象とこの本について説明してもらった。


「主人様は私と結魂したことによって世界の図書館から本を借りれるようになったと、でも、スキルの制約があり、他の人には貸すことができない。スキル保有者は眠ることによってこの図書館へ行くことができるようになるということでしょう。主人様に会えるようになれるなんて夢のようです」


 藍介は相当私に会えて嬉しかったのが、ずっと抱きついたままであった。


「ねぇ、藍介、嬉しいのはわかるけど、抱きつきながら説明しないでよ」


「いやです! 報告はしていますが、私とっても大変だったんですよ。特に女性関係! 主人様以外の女性なんて興味すら無いのに、あっちは私に好かれようとあの手この手で私に取り入ろうとしてくるのですよ。私には妻がいると言っているのに、愛人でもいい!とか、ほざいて、ほんといい迷惑です!!!」


「イケメンって大変ね」


「この姿は全て主人様に愛させる為の姿なのですから、他の女にモテる為のものじゃないんです!」


 藍介は相当大変だったのね。でも、藍介を好きになる人の気持ちもわかるかも、強くて賢く、家事掃除料理が上手でその上、イケメンなんだもん、そりゃ、惚れないわけないわよね。

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感想文……小学生のころ何度も悩んで書いたな~。でも居眠りはしなかったよ(笑) こっちでも苦労しました。この先もある事だから頑張りましょう。
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