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まさかの再会

 私と黄結姫さんは魔道具店から宿へ帰り、これからの予定を話し合いました。


「藍介さん、あの魔石本当に売らなくて良かったのですか? こちらの提示した金額で買い取ってくれるのでしょう? どうして断ったのですか?」


「断ってはいませんよ。ですが、主人様の魔石はやはり高純度と評価される物。それなら、他の店でも魔石をいくらで買い取ってくれるか確認する必要があると思うのですよ。それに、私が見せた魔石は主人様から貰った魔石の中で魔力量が1番少ない物を選びました。なのに、相手はこの魔石を欲しがっている。つまり、主人様の作る魔石はこの国では最高級、いえ、滅多にみることのできない希少価値のある魔石と言えるのではないでしょうか」


「おー! それで、明日は魔石を買い取ってくれるお店を回るというわけですね」


「はい、今日中に戸籍を買いたかったのですが、こればかりは仕方ないでしょう。私が想定していたよりもこの国は魔石に飢えている。可能性がありますね」


「魔石に飢えている?」


「えぇ、魔道具を動かすには魔石が必要です。それか、魔法陣を使い自身の魔力を流し込み魔道具を動かすのですが、それだと高い魔力の者しか作ることが出来ないのですよ。だから、魔石を使えば魔力量が少ない人でも魔道具を作ることが可能であり、魔石は消耗品です。魔力が無くなれば新しい魔石に変えれば良いだけの話。昔は魔石が取れる鉱山があったみたいですが、魔石を取り尽くしてしまい魔石不足に陥っているのがこの国の現状です」


「それでしたら、この魔石ので所を知りたがる輩が現れるのではないですか?」


「それは当然です。が、私には心強い護衛がいますので、大丈夫でしょう」


「藍介さん、私を信頼してくれているなんて! 嬉しいわ!!! 藍介さん、危険な奴らは私が蹴散らしてあげますよ!」


「よろしくお願いしますね。それで、イデアさんの部下の方達の情報は得られましたか?」


「あー、それなんですけど、話を色々聞いたのですが、魔人、獣人、人獣、エルフが沢山奴隷として捕まっているので、誰がイデアさんの部下なのか分からないのですよ」


「うーん、そうなりますと、私が地位を確立する間に並行して少しずつ情報を集めなくてはいけませんね。何か彼等が分かりやすいようにイデアさんの存在を知らせる為には、うーん。考え付かないですね」


「それじゃあ、藍介さん今日は遅いのでこのぐらいにして明日に備えてゆっくり休みましょう」


「それもそうですね。朝起きて身支度を済ませたら魔道具店巡りをしましょう」


「はい! それではおやすみなさい」


 黄結姫さんはボロボロのベッドに横たわり眠りにつきました。それじゃあ、私も疲れましたし、図書館に少しだけ顔を出したら、眠ることにしましょうか。


 私はベッドに横たわり、意識だけを世界の図書館へ飛ばしました。


 いつも通り私は世界の図書館へ行き、主人様の写真集を探しました。それが、前に置いた場所に前世日記が見つからないのです。何故でしょうか?


「あれ? ここにもない? どうして、ここに侵入できる人なんていないはずなのに」


 すると、聞き慣れた女性の声が奥の方から聞こえました。


「なによこれ!!! 誰かの日記だと思ったら私の写真が出てくるのよ!!! それに、これ、どうして元の世界の私の部屋が写ってるのよ!!! 誰がこの写真とったのよ!!! ネルガルが花茶に変なこと聞いてたの小耳に挟んで調べてみたら、本当にあるじゃない!」


 私は女性の声の方へ走り出しました。まさか、まさか、主人様がこの図書館へ! 会いたい、彼女に会いたい。報告はキチンとしていましたが、やはり、彼女に直接私は会って話がしたい。


 そして、彼女前に私が現れると、彼女は驚くことなく優しく私に話しかけてくれました。


「あら、藍介。私が居てビックリしたでしょ。あのね、私もここに来れて驚いているのよ。それに、これ!何これ! 藍介いつの間に私の事盗撮してたの! いやでも、元の世界の写真があるのはなんでかな? 藍介でも、前の世界の私に会う方法なんて無いのに」


「主人様! あるじぃさぁぁぁぁまぁぁぁ!!!」


 私は主人様に勢いよく抱きついてしまいました。


 だって、ここで会うことができるなんて考えられなかったからです。あぁ、嬉しい。とっても嬉しいです。彼女の温もりも意識だけの状態なのに暖かさを感じ、そして、彼女の柔らかな体の感触も全て感じます。愛している人に会えるなんて、私は幸せ者ですね。

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― 新着の感想 ―
今後の方針も決まりましたけど、先は長いですね。 逢えなくて禁断症状でも出るのかと思っていたら、意外な再会方法を見つけました。 これで密会し放題ですね(顔に出やすい二人で何処まで秘密に出来るのかな♪)
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