村の英雄
私と黄結姫はワラン村に滞在して3日、その間に私は様々な情報を集めました。
村に男が居ない理由は出稼ぎに出ているからだそうで、彼らは3ヶ月後には帰ってくるみたいです。その間は12歳の少年達が門を守るそうです。
この時期は魔物が出ない時期みたいなので子供でも門を守れるみたいです。
他には、夜になるとアンデットが現れるので聖水を門に毎晩かけてアンデット対策をしているみるみたいです。
アンデット、私はまだ一度も会ったことがないですが、確か、火が弱点のはず。もし遭遇したら魔法で対処可能ですね。
「黄結姫さん、もうそろそろこの村から次の村に移動しましょう」
「はい、ここの人達は優しい人が多かったので、少し悲しくなりますね」
「えぇ、ですが、私達の最初の目標は王都に着くことですので、少しばかり長いしてしまいましたね」
すると、外からコンダ君が叫ぶ声が聞こえたのです。
「スケルトンが門を突破した!!!!!!」
「おや、これは一大事ですね」
「藍介さん、助けに行かないと!」
「うーん、ここで目立つのも、どうかと思いますが、仕方ない。私が対処するので黄結姫さんは村の人々を守ってあげてください」
「藍介さんが戦うより私の方が良いのでは?」
「スケルトンは火が効きますし、私もある程度は戦えますからね」
「危ない時は私を呼んでくださいね」
「分かってますとも、それじゃ、黄結姫さんは村の人達の助けに行ってください」
「はーい、藍介さんも気をつけてくださいね」
黄結姫は窓から外に出て、避難所に集まっている村人達の元へ向かった。
「それでは、フヨフヨさん出番ですよ」
私は手にはフヨフヨさんを浮ばせ、私は門へ向かいました。
門にはスケルトンが16体いました。スケルトンは聖水の力で門より村の中には入らない様子でしたが、それは時間の問題であり、聖水の効果が切れてしまったら雪崩れ込むようにスケルトンが村に入ってきてしまいます。そうならない為にも、ここで私がスケルトンを倒さねばなりませんね。
「火玉」
フヨフヨさんが真っ赤に光輝き、私の体と同じぐらいの大きさの火玉を作り出し、スケルトンに放ちました。
スケルトン達に火玉が当たると巨大な火柱を立ててスケルトンを一掃した。
「おや、火力が高過ぎましたね」
「兄ちゃん、魔法使いだったのか!!!!!」
コンダ君は私に駆け寄ってきました。
「すげぇ! すげぇ! たくさん居たスケルトンがたった一発の魔法で倒すなんて、兄ちゃんすげぇよ!」
「ありがとうございます。それで、コンダ君、どうしてスケルトンがあんなに沢山現れたのですか?」
「その、この辺はまだ瘴気が弱いから強いアンデットが出ないんだけど、瘴気が強くなる時期があってちょうどその日が今日だったみたい」
「それで、スケルトンが沢山現れたと」
「多分、モンデばぁが言ってた」
「うーん、瘴気ですか。もしかしたら、強い魔物が発生している可能性もある。それなら、私が直接叩きに行った方が良さそうですね」
私はフヨフヨさんを使い空を飛び、辺りを見渡しました。
そして、私は見たのは門へ真っ直ぐに進軍してくるスケルトンの群れでした。
「おや、これは、かなりの数ですね。さっきまでのスケルトンとは強さも違いそうです。それなら、思いっきり吹き飛ばしますか」
フヨフヨさんに魔力を込め、フヨフヨさんはさっきよりも赤く光った。
「爆炎!!!」
スケルトンの群れの真上に群れを覆う巨大な魔法陣が展開され、一筋の赤い閃光が群れの真ん中を照らした瞬間、スケルトンは爆炎に巻き込まれ、全てのスケルトンが消滅した。
「おや、また一撃。もう少し攻撃魔法を使いたかったのですが、弱かったですね。うーん、次は補助魔法を使っての高威力の爆炎を放ってみたいですね」
私は地面に足をついた時、村の人々に囲まれて彼らに感謝されました。
「藍介さん、ありがとう! 本当にありがとうございます」
「藍介さんが魔法使いだったとはどうして先に言ってくれなかったんだよ!」
「藍介様、素敵」
その日の夜、村人達にずっとつけ回されて、私は散々な間に合いました。
私の布団に女性が入り込もうとするわ、村長の一人娘を私の嫁にさせようとするわ、黄結姫が、私の妻と勘違いした女性が黄結姫に暴言を吐くなど、もう、女性関係がめんどくさい! なので、私と黄結姫はこっそり、この村から出ることを決意したのでした。
ブックマーク、評価いただけると嬉しいです。