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洞窟探検 2日目 『蜘蛛パーティー』

 やっと、撫で撫で地獄から抜け出せた私は紫水の背に乗って3層目の蜘蛛住処にやってきた。

 手がプルプルするぅ。

 撫でるの好きだけど、あの子達もっと撫でて撫でてって甘えてくるんだもん。甘えられたら、応えてあげたくなるじゃない。まぁ、でも、やっと3層目についたわね。


 私は、紫水から降りてマップを開いた。

マップの左上に蜘蛛の姿をした黒いマークが現れた。

ここが3層目で間違いないわ。

あれ?

蜘蛛が沢山いるはずだけど、あまりいないわね?

どうしたのかしら?


「ねぇ、藍介、ここは蜘蛛の住処のはずよね?マップにも蜘蛛のマークついているし、うーん、蜘蛛さん達、普段より少ないよね」


「えぇ、そのはずなんですが、蜘蛛があまりいないですね。もしかしたら、紅姫が主人様の探検の邪魔をするなっと命令したのかもしれませんね」


「そういえば、昨日帰ってきた時、紅姫に話したわね」


「主人様、主人様、こちらに来てください」


突然、紅姫の声がした。


「紅姫、声だけは聞こえるけど、貴方はどこにいるの?」


すると、20メートルほど離れた左の横穴から紅姫が現れた。

紅姫は前脚一本を使い、こっちこっちと手招いていた。


「主人様、こちらに来てください」


「だから、どうしたのよ」


 私と藍介、花茶、紫水は紅姫のいる横穴に歩いた。

私達は、紅姫の後ろについて行き大きな空間に出た。

そこは、目を疑う様な光景だった。


「これって」


 そこは蜘蛛達がクラブパーティーを開いていた。

わかるわよ、お前は何を言ってるんだって、でもね、これはどう見ても蜘蛛がクラブでパーティーを開いているのよ。


 魔石を使ってミラーボールを表現、流れている音楽は真っ白な魔石から流れ、大中小様々な大きさの蜘蛛達がダンスフロアで踊っていた。

もちろん、DJ蜘蛛もいるわ。

蜘蛛達、皆んなダンス得意なのね。

あれって、ブレイクダンスよね?

ロボットダンスしている子もいるわね‥‥。

どういうことなの!?

えっ?

そういえば、この頃、紅姫を見るのが少なくなったと思ってたけど、それはご飯食べにとか、紅姫沢山の子供いるから子供のお世話かと思ってたけど、もしかしてこれを準備してたってこと?


「主人様、どうですか、藍介さんに人間はパーティーを開いて楽しむと聞いたので、子供達にお願いしてこの場所でパーティーを開いてみました」


「パーティーを開いてみたって」


 確か、この世界の文明は中世の西洋に近い感じだったけど、なんで現代クラブのパーティーなのよ!

このドゥンドゥンって重低音真っ白な魔石から聞こえるけど、音出る魔石ってあったのね。

知らなかったわ。

えっ、私ついていけない。

え?どういうこと?

私がパーティー会場入り口前で佇んでいたら、藍介と花茶はダンスフロアで踊り始めた。

藍介はキレッキレのロボットダンスを踊り、花茶は音に合わせて体を揺らしていた。紫水はというと、この爆音の中で寝ていた。貴方、この爆音でも眠れるってすごいわね。

ちょっと、尊敬するわ。


「まさかここまでの再現度とは、流石!紅姫さんです」


「何これ!何これ!花茶!ここ好き!お兄ちゃん、お兄ちゃん、楽しいね」


「楽しいですね、花茶」


「主人様も花茶と一緒に踊ろ!」


「さぁ!主人様!踊りましょう!」


「主人様、わたくしと踊ってくれませんか?」


 3匹は私に手を差し出していたが、あの、ごめん、頭が追いつかない。

あと、陰キャの私にこのパーティーは難易度が高すぎる。

そもそも、私の人生で初めてなのよ。

踊りってどうやって踊るの?

踊りって中学校でやった体育の授業以来なんですけど!

無理、踊れないよぉぉぉぉお!


珍しい魔石紹介


◾️ミラーボールの形をした魔石◾️

 蜘蛛達が藍介から教えてもらった異世界知識を元に魔石を少しずつ削って作った。

どうして回りながら光を反射するのかは作った本人達は仕組みを知らない。


◾️音を出す真っ白な魔石◾️

 蜘蛛達がミラーボールを作っているときに急に音が鳴り始めたらしい。

 DJ蜘蛛はその日、運命を感じたと話している。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ダンスクラブでみた一昔前の光景……斜め上の光景ですね(笑) [一言] ムカデの天敵にゲジゲジがいるとどこかで聞いた気がします。これを耳元で囁けば目が覚めるのでは。
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