結魂の条件
紫水、緑癒、白桜、灰土、なぜか、紅姫、花茶も主人様と結魂したいと話し、森の長達は金色丸と銀次と蝋梅妃が結魂したいと申し出た。
「うん、私と結魂したい気持ちは分かるわ。でもね、結魂には条件があるのよ! 今回、藍介の他に黄結姫が結魂する理由は、藍介の護衛になり、人間の国へ行くからよ。私と結魂した場合強制的に人間の国へ行ってもらうからね!」
「え〜、それじゃあ〜、結魂したら〜、子作りはどうするの〜?」
「それは、リリアーナに復讐し終えるまでお預けよ」
子作りできないことを知った紫水はやる気をなくした。
「そんなぁ〜。主人様の側から離れないといけないんじゃ〜、それじゃあ〜結魂する意味ないじゃん〜」
「主人様との結魂。主人様のお側から離れる。俺はどっちを選べばいいんだ!」
灰土はどっちを選べばいいか悩み。
「僕は人間の国へ行くことは決まっているので主人様と結魂したいですぅ! 凪教を布教するにはやはり、僕の力が不可欠ですからね。藍介さん、早く凪教を布教できるように地盤を早く作ってきてください!」
「そんな、無茶なことできませんよ! 私だってね、主人様と離れるのが辛いのですよ!」
緑癒は結魂の条件を受け入れていた。
金色丸と銀次そして蝋梅妃は主人様と結魂する権利がないことを知り彼等は悲しんでいた。
「オラ、この姿じゃ人間の国へいけないから結魂は出来ないのか?」
「悲しいことじゃのぉ。せっかく主人様とより深い絆で結ばれるチャンスじゃと思ったのじゃが、儂らの姿じゃ結魂は無理じゃな」
「黄結姫さん羨ましいですわ」
「はぁー、オラ全く活躍してないし、主人様にいらないって言われたらどうしよう」
「私がそんなこと言うわけないでしょうが! もう! みんなストップ! 私は聖徳太子じゃないから一気に話しかけられても分からないから、みんな一旦席に戻って!」
皆は渋々自身の席へ戻って行った。
そして、主人様は黄結姫と結魂を結び、お食事会で改めて結魂の条件を発表した。
「最初に私との結魂の条件は人間の国へ行くことが前提なのよ。そして、結魂したとしても子作りとかはリリアーナへの復讐をするまでお預けって事よ。特に紫水! 分かったわね!」
「うん〜。主人様と結魂したいけど〜、主人様から離れるのは嫌だな〜」
「そして、人間の国へ行けない人の条件は、これから始める藍介の事業を手伝ってくれる人に限るわ」
「て言うことは、オラも主人様と結魂結べるのか! きんじぃ! オラ、主人様と結魂できるだ!」
金色丸は銀次を高く持ち上げて喜んでいた。
「良かったのぉ金色丸」
「藍介さん、我は一体何を手伝えばいいのだ?」
蝋梅妃は藍介に何を手伝えばいいのか聞いていた。
「蝋梅妃さんは偽ダンジョンの制作をして欲しいので、私の手伝いというよりも、偽ダンジョン完成によって主人様と結魂出来るのではないでしょうか?」
主人様は蝋梅妃と藍介の会話の中に入った。
「そうよ、蝋梅妃には藍介の手伝いよりも偽ダンジョンの完成を頼みたいのよ。今作り終わっているのは落とし穴地獄とネルガル主導の湖の罠、私が提案した大きな岩が転がる罠とガラス張りの迷宮だけよね。もっと、他にも罠が欲しいわね」
「えぇ、まだ罠は置くスペースが沢山あるので、他の者達に罠を考えて貰うようにいたしますわ」
「うんうん、面白そうな罠があったらどんどん採用しちゃっていいからね」
「かしこまりました」
「主人様! 黄結姫さんよりもあたしの方が人間の国に馴染めると思うの! だから、結魂の条件に合っているからあたしと結魂してください!」
白桜は結魂をしたがっていた。
「うん、白桜は容量がいいから藍介と一緒に人間の国へ行って活躍すると思うのだけど、藍介を守れるかというと難しいわよね?」
「藍介様は自分自身で守れますよ! あたしも人間よりも強いです!」
「白桜、主人様を困らせるのはいけないことだわ。そういうのなら、白桜は黄結姫さんに勝てるのかしら?」
「お母様、どうして黄結姫様と私が戦わなきゃ行けないの!」
「人間の中にも私達よりも強い人間がいるかもしれないわ。その人間が藍介さんを敵対し攻撃してきたら白桜は藍介さんを守り切れるの?」
「そんな、お母様よりも強い人間なんているわけないじゃないですか!」
「でも、貴方は人間を直接見たことないでしょ」
「そうだけど、でも、そしたら黄結姫様も藍介様を守りきれないのでは?」
「黄結姫さんの力なら強敵相手でも逃げ切ることはできると思うの。黄結姫さんもし、強敵が現れたら藍介さんを連れて逃げることがでからかしら?」
「はい、私なら影を使って逃げ切ることはできると思います! 白桜ちゃんの気持ちもわかるけど、今回は私に譲ってくれないかしら?」
「譲も何も主人様と結魂してるじゃない! ふん! 分かりました、今日は結魂はいいです! でも、絶対にあたしは主人様と結魂するんだから!!!」
白桜は教会から出ていってしまった。
「紅姫さん、白桜ちゃんが出ていっちゃいましたよ!」
「大丈夫ですわ、あの子も自分の力不足に気付いてます。そもそも、主人様、藍介さんが地盤を完成させたら私達を人間の国へ行かせるのでしょ?」
「まぁね。藍介だけじゃ出来ることに限りがあるから、藍介の目が届かない所での情報収集と魔族の奴隷達の解放、そして、凪教の布教もやって欲しいのよね。なんだろう、私の宗教を広めるのってなんか、恥ずかしくなってきたんだけど」
「1年を目安に考えていただけると嬉しいですね」
「かしこまりましたわ。1年の間に白桜を強く育て上げることにいたしますわ」
「ほどほどにしてあげてね」
「かしこまりましたわ。私白桜が少し不安なのでお暇させていただきますわ」
「えぇ、白桜のことよろしくね」
紅姫は白桜の後を追った。
その後、食事会も終わり、藍介は家に帰り黙々と人間の国へ行く最終準備に取り掛かっていた。
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