表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

384/590

灰土とネルガルとライネルの共闘 後編

「ふぇええ〜〜〜んん!!! こんなに痛いの初めてだよぉ〜〜〜!!! かあさぁ〜んんん!!! 主人さまぁぁああああ!!! 痛いよぉぉおおおおお!!!」


 紫水はその場で地面に座れ込み、子供のようにわんわんと泣いていた。


「そりゃあ、槍で左肩貫かれたら痛いわな」


「仕方ないだろ、本気で戦わなきゃ俺たちの方が殺されちまうからな! 紫水! 緑癒さんを手配してあるから傷はすぐに治るぞ」


「それでも〜! 痛いよぉお〜!!! ネルガルの馬鹿!」


「おい、紫水こそ殺す気でやってきたんだからお互い様だろ。そもそも、紫水なら俺の攻撃なんて弾けたんじゃないか?」


「いいや、今の紫水にはそんな反射神経ないさ。人になったことで感覚が全く違う感じ方になってしまっているし、紫水は前の体の時よりも動きは遅くなったが、前の時よりも魔力量は遥かに増えている。そう、紫水は虫人になったことで、身体能力が衰えた代わりに魔力が上がったわけだな! そして、身体能力が衰えているのにも関わらず、昼寝ばっかりして己の肉体を鍛え上げなかったのがいけないのだ!!!」


 へたり込んでいる紫水に灰土は紫水を肩に乗せた。


「緑癒様を待っている間に紫水の泣き喚く姿をずっと見ているのは心に来る、緑癒様の所へ向かうから後片付けは任せた!」


「痛いからゆっくり飛んでよ〜〜!!!」


 灰土は紫水を担ぎ飛び去った。


 ライネルとネルガルが辺りを見渡すと、びしょ濡れになった紫水の布団と庭の地面に穴が開いていた。


「なぁ、これを俺達で直さなきゃいけねぇんだよな?」


「これは、凪さんに怒られるな」


 その後、凪が家に帰り庭を見ると、ライネルとネルガルが大きな布団を庭の塀に干す所に出会し、凪はネルガルとライネルに庭が元に戻るまでご飯抜きの罰を与えたのでした。


 2人は必死に庭を戻そうとしたが、やはり、2人では力不足だったので、頼もしい助っ人、花茶が加わり、半日で庭を元通りにしたのであった。


 庭を元通りにして次の日、花茶とライネルは豊穣の森で狩りをしていた。


「ねぇ、ライネルお兄ちゃん、紫水は上手くいったの?」


「さぁな、あとは親友であるネルガルの出番ってな」


「ふーん、やっぱり、花茶が紫水を倒した方が良かったんじゃない? 花茶の方がもっと、痛い目に合わせられるよ!」


「怖えこと言うなよ。俺は、花茶にはあんまり戦って欲しくなくてな、藍介さんを守ろうとするのはいいが、自分自身が危ない目に飛び込むのはどうかと思うぜ」


「だって、紫水があの事を知ったら絶対に邪魔してたじゃん! お兄ちゃんの幸せは花茶の幸せでもあるの! ライネルお兄ちゃん達にボコボコにされてもお兄ちゃんの邪魔をしようとしてきたら、次は花茶が紫水をボコボコにするんだから!」


「あのな、紫水がマジで戦おうとすれば俺たちなんざすぐに殺されちまう。今回勝てたのは、多分、あいつ自身、止めて欲しかったのかもしらねぇぜ」


「そんな事あの紫水が考えるわけないじゃん! ライネルお兄ちゃんは紫水を買い被り過ぎだよ!」


「そうか? おっ! 花茶! 明日の飯は鳥で決定だな!」


 ライネルは太っちょな鳥を見つけると、花茶は枝に止まっている鳥を木杭ウッドスティックの一撃で仕留めた。


「この鳥、おデブさんだね」


「肉がたらふく食えそうだな! よっしゃ帰っか!」


「帰ろう!」


「花茶式の準備は出来てるよな?」


「もちろん! 花茶とびっきり可愛い服をアお姉さんから貰ったの!」


「そりゃあ良かったな。俺は、料理でも作って藍介さんを祝ってやるぜ!」


「ライネルお兄ちゃんありがとう!」


「おうよ!」


 ライネルは太っちょな鳥を抱えて花茶と一緒に主人の家に帰った。

ブックマーク、評価いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
直ぐに終了。それでも被害が出ました。 過激♪兄思いの妹でした。出来るかどうかは別ですけど。 仲良く狩りをしました。……コレってデート?貴族様の逢引きの手段の一つだったような気が(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ