新たな結魂の結び方
藍介の護衛が決まったことで藍介は人間の国へ行く準備を始めた。そして、私は氷月に結魂のやり方を教わっていた。
「まさか、妻が結魂のやり方を知りたいとは、話は理解できたが、妻よ。俺以外の男と結魂するのはどうかと思うぞ」
氷月は少し不貞腐れていた。私がアさんから助け出してくれると氷月は考えていたみたいで、私が一回も助けに来てくれなかったことを根に持っていたみたいだった。
「氷月、機嫌なおしてよ、奴隷になった亜人種達を助け出すためには戦争以外だとこれしかないと思うのよ」
「妻は優しすぎるぞ本来なら魔王側がやるべき事だと言うのに、それに、人間の国結界はどうやって攻略するのだ?」
「私は考えたものをなんでも作れるのよ。だから、結界に引っ掛からなくするアクセサリーを作ろうかなってね」
「まぁ、藍介ならその心配もなさそうか。でも、料理人が居なくなるのは辛いな」
「大丈夫、新しい料理人として、私とライネルが交代で料理を作ろうと思うわ」
「本人には?」
「話してないけど、説明したら承諾してくれると思うわ」
「分かった。結魂のやり方を教えるぞ」
氷月は薄い魔石を私の目の前に出した。その魔石はまるで、スクリーンみたいだった。
氷月はスクリーンに魔法陣を映した。
「この魔法陣を地面に描き、自身の魂と相手の魂を一時的に身体から離れさせ魂を結びつけるのが結魂だが、魂を一時的とはいえ身体から出すのは死のリスクが高いよって、俺様が編み出したのは、この魔法陣だ!」
さっきとは違う魔法陣を映した。
「さっきの魔法陣と今の違いが私には分からないんだけど、この新しい魔法陣を使えば簡単に結魂を結べられるの?」
「そうだとも! この魔法陣の中に入り、キスをすれば結魂ができるというものでな、俺様と妻がした結魂とは少し違うが、これもまた結魂だ! この魔法陣であれば相手の魂に引っ張られずに自我を保てるし、なんと、うまく行けばだが、相手の力を借りることもできるかもしれんぞ!」
「相手の力を借りる。藍介なら世界の図書館を覗ける事ができれば、結魂するのはメリットになるわね」
「だが、妻を軸として、多数の者と結魂する場合は妻は結魂した者達の力を使えるが、相手は妻の力しか使えないがな!」
「私は結魂した人達の力を借りれるけど、相手は私だけの力を借りることができるってわけね」
「そういうことだ。藍介は俺様の力は借りれないが、妻の力なら借りることができる。俺様は妻の想像生成を使えるが、藍介の世界の図書館は使えないということになる」
「それって、私が魂を結ぶ人を増やしたら、増やすだけ私が使えるスキルが増えるってこと!?」
「そうなるな」
「でも、借りるにしてもその人の100%の力を使えるの?」
「それは、流石に無理があるな、弱体したスキルになってしまうが、それでも、結魂するメリットはデカいぞ」
「それなら、これから藍介の所に行って実際に確かめてみましょう!」
私は藍介の家に走り出した。
「妻よ、俺様の気を知らないで、はぁ、まぁ、妻が強くなれるのであれば、夫が増えるのも悪くないか。ん? これから増えるであろう夫達とは俺様は家族になるのか、うん! 家族が増えるのはいいことだな! 妻よ! 待ってくれ!」
氷月も家から出て私の後を追ったのでした。
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