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藍介の侵略計画 後編

 私は本当にこれでいいのだろうか。主人様と結婚できる。それは、嬉しいことです。でも、結婚する理由が愛し合うのではなく、計画を円滑に進めさせるための言わば契約結婚。それでも、私は彼女を縛っていたい。私が彼女の側から居なくなれば、あいつらが主人様に近付いてくる。やっとです。やっと、出会えた最愛の人が他の男に取られるところなんて見たくない。いや、魂婚はいつの間にかしてしまっていましたが、それは、彼女を守る為に仕方のない事です。氷月がいなかったら私は主人様に出会えなかったのですから。


 私はいつの間にか涙を流し、主人様は優しい手で頬を伝う涙を拭き取ってくれました。


「藍介どうして泣いてるのよ。私と結婚するのが嫌なわけ?」


「そんな、ごと、ないです。貴方様と結婚できる嬉しさと、虚しさで、よく、分からなくなって」


「虚しさね。藍介、私ね。藍介の事が好きよ。貴方の作る料理が好き。ゴキブリの時だって、小さい体なのに掃除を頑張ってくれて、私が一人で悩んでいる時励ましてくれたじゃない。それにね、私は藍介のそばにいると、とても幸せな気持ちになるの」


 私は大の大人だというのに、恥ずかしながら、声を出して子供のように泣いてしまいました。


「もう、貴方が泣くと私も泣きたくなってきちゃったじゃない。でも、藍介。私と結婚するのは良いけど、貴方の悪夢はどうするの?」


「それが、何度も悩み、考えた末に思いついたのが、主人様と結婚して欲しいもの達を主人様が受け入れて欲しいのです」


「へぇー、私を好きだと言いながらも、私には他の子達との付き合えってこと」


「はい。そうするしか、手立てが無いと思います」


「そうね。ねぇ、結婚は結婚でも、魂を繋げる結魂でもいいんじゃないかしら?」


「それでしたら、私も結魂もしたいです」


「藍介って欲張りなのね。それで、氷月に直接やり方を聞いて、藍介が言った。私と結魂したい人を受け入れればいいんでしょ? そしたらさ、結婚したらその、初夜とかあるじゃない」


 あの主人様が私のと子作りに積極的とは! 嬉しい! 嬉しい! 危ない、危ない、嬉しさのあまり爆発のカウントダウンがなり始めようとしていました。私、冷静になれぇぇぇ。冷静に。


「は、は、はい!」


 冷静になれませんでした! 仕方ないじゃないですか!告白して直ぐに初夜と言われてしまったら期待せざる得ないじゃないですか! 主人様との初夜。


 藍介は頭の中で凪との初夜風景を思い浮かべていた。


「藍介、藍介? あら? 完全に意識がどっかいってるみたいね? それで、初夜なんだけど、そういう事は、リリアーナの件が終わるまでお預けという事でいいわね」


 私の心は天国から一瞬にして地獄に突き落とされてしまいました。


「え!え!え!!!!! 何故です!!! 初夜は結婚した夫婦が行う神聖な儀式なのですよ!」


「契約結婚でしょ。それに、あなたが、他の人達と結婚してくださいとお願いしてきたんじゃない。少し浮かれてしまった私が馬鹿みたいじゃない。だから、貴方の話に乗る代わりに。私からも条件をつけるわ。私と結婚、結魂できたとしても、キスだけしか出来ないわ。それ以上の行為がしたいのであれば、リリアーナを見つけて、私の復讐を終わらす事ができた時。やっと、夫婦らしい事をしてあげる」


「そ、そんなぁ。リリアーナの情報を見つけるのに時間がかかるというのに、そんなぁ。主人様あんまりですぅ!!!」


「ふん! 私は貴方の提案を受け入れるのだから、キチンと任務を全うしてよね!!! 私は帰るわね!」


 主人様は放心状態の私の額にキスをして、私の家から出て行きました。


「主人様、ずるいです。キスなんてされたら、貴方の条件を受け入れてしまうじゃないですか。よし! 速攻であの国を攻略し、主人様の国を作り、そして、リリアーナの馬鹿女に一泡吹かせてやります! 私ならできますよー!!! えい! えい! おー!!!!」


 そして、私は気付きました。私と一緒に人間の国へ着いてきてくれる人をまだ決められてません!!!


「主人様! まだ、話終わってないです!!!」


 私は慌てて主人様の後を追ったのでした。

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― 新着の感想 ―
そっか~。第一夫に第二夫、第三夫と云う風に決めるんですね……新しい争いの素♪ですね。映画の「大奥」みたいに(笑) あ、ホントだ!同行者を決めてない(笑)
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