シートベルトの重要性
私は花茶と紫水を連れて洞窟探検に出かけた。
手には虫マップ君を持ち、服も探検家ぽい服を作って着てみた。
私のこだわりポイントは、帽子にライトをつけたこと。
やっぱり、形から入るのって大切よね。
なんだろう、私、とってもワクワクしてきた!
「主人様!いつもの服と違うんだね!なんかカッコいい!」
「カッコいいでしょ!やっぱり探検するならこの格好よね」
「主人様〜、服簡単に作れるなら〜いつも半袖と短パンじゃなくて〜もっと可愛い服着て欲しいな〜」
「そういえばずっと半袖短パンで過ごしてたわね。いや、だって、楽だし、ファッションに気を使う必要ないからさ」
「え〜、俺可愛い服着た主人様みてみたいな〜。紫色のワンピースだったり~、紫色のドレスもいいねぇ〜」
「紫水は本当に紫色好きなのね」
「そりゃあ好きだよ〜。ねぇ〜ねぇ〜、ワンピース作って着てみてよ〜」
「貴方どうやって服の種類知ったのよ」
「藍介だよ〜。どんな服なのかも教えてもらった〜。そうそう〜、藍介がよく言ってるよ〜。主人様はもっと可愛い服着て欲しいって〜」
「やっぱり、藍介ね。うーん、可愛い服かぁ。そういえば私、ファッションとか苦手だったから、いつも目の前にある服で適当に済ましてたのよね」
「主人様って案外ズボラなのかな〜?」
「ズボラって言葉誰から教えてもらったのよ!」
「藍介〜」
「まぁ、否定はしないけどさ、そう言われちゃうとそうね。少しは気を使わないといけないのかな」
「ねぇねぇ!早く探検しよ!主人様!花茶に乗って!乗って!」
「まず最初に洞窟の入り口まで行って、そこから探検しましょ」
「ん〜?どうして入り口からなの〜?」
「この虫マップ君を埋めるのに中途半端な所から埋めるの嫌なのよ。入り口から地道にマップを埋めていく方が楽しいじゃない」
「そうなんだ〜。それじゃあ〜、行こうか〜」
紫水は花茶の背中に水でできた椅子を作り、私はその椅子に座った。
「主人様!いっくよー!」
「花茶、よろしくね。って、きゃあ!」
花茶のスピードは紫水よりも早く、私は水の椅子を必死に掴んだ。
そうね、この感触はそう、硬めのスライムってところかしら。
もし、この椅子から手が離れたら‥‥。
紫水が安全のために水の椅子を作ってくれて良かった。
次回からシートベルトつけてもらおう!
生きてたらね!
爆走する花茶のお陰で約30分で2層目についた。
早すぎるのよ!ペース落として!
やばい握力なくなってきた。
「はぁ、はぁ、花茶ちゃん!主人様落ちそうだからスピード落として!」
「ん?なぁに?」
花茶は急に止まった。
「えっ!えええぇぇぇ!!!」
「主人様!」
私は前に射出された。
それはもう、とんでもないスピードでね!
車のシートベルトってやっぱり大切なんだって実感したわ。
皆んなは車乗る時、必ずシートベルトするように!
って、誰に言っているのよ!
紫水は慌てて水を使い、射出された私を助けてくれた。
それはもう、痛かった。
あのスピードで水に思いっきりぶつかったのよ。
壁じゃなくてよかったけど、それでも、水面にぶつかった時、めっちゃ痛い!痛いのよ!
でも、生きてる!
生きてるよ!
ママ!生きてる!
うわーん、ほんとに生きてる。
紫水本当にありがとう!!!
「紫水!ありがとうぅ、本当にありがとう!」
私はずぶ濡れになりながら、紫水に思いっきり抱きついた。
「花茶ちゃん、主人様を乗せて嬉しくて張り切っちゃったのはわかるけど、乗っている主人様のことを考えなきゃダメだからね」
「うん、うぅ、主人様、うぅ、本当にごめんなさい」
花茶は泣きながら謝ってくれた。
私は花茶の頭を撫でた。
「謝ってくれてありがとう。次はゆっくり行こうね」
「あるじさまぁぁ!!ほんとうにごめんなさい」
花茶は私の体に頭を擦り付けてきた。
「へっくしゅ!ううぅ、服乾かさないと風邪ひいちゃいそう」
「主人様〜、大丈夫〜?俺何か手伝うことある〜?」
「花茶も手伝う!」
「大丈夫よ、すぐに服を乾かすアイテム作ってみる」
服を乾かすか、ドライヤーでいいか。
私はスキル想像生成を使ってすぐに乾かすことのできるドライヤーを作って服と髪を乾かした。
私達は再び出発し、無事?洞窟の入り口に着いたのであった。
思ったより時間かかっちゃった。
よし!気持ち切り替えて!
洞窟探検たのしむぞぉ!
凪が作り出したアイテム紹介
◾️虫マップ君◾️
魔蟲の洞窟専用マップ。
普通の紙のマップだが、左上に黒いマークがついている。そのマークは各層の代表的な虫の姿に変化する。
歩いて行くと、少しずつマップが更新されていく。
マップに表示されている、赤い丸は自身を記している。
◾️ドライヤー◾️
見た目は黒いドライヤー。
服を瞬時に乾かすことができる。
普段家で使っている物より、とても強力。
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