主人の心情
私は教会から出るとミーライちゃんが出迎えてくれていた。そして、ミーライちゃんを助けてくれたムカデの2人に名前を付け、私は家に無事に帰還した。
私は3日ぶりに居間でゆっくりと寛いでいた。紫水に抱きつかれながらだけどね!
この3日間本当に疲れたわ、TU・KA・RE・TAのよ! もうね、緑癒は魔法一発撃つだけで魔力が底をつくわ、そんな緑癒をみて紫水も、『もう〜魔力無くなっちゃった〜』ってキスを迫ってくるわで、この3日間、疲れたのよ! 唯一、心の平穏を保てたのがお風呂に入っている時かしらね、その他は常に、緑癒と紫水がべったりとくっついてきて大変だったのよ。私、一発殴ってやろうかと考えた時もあったわ、でも、私は我慢したわ、うん、私偉いわ。
私がこの3日間で感じたことは、イケメンであっても、変態だったら、ときめかないものなのね。
緑癒と紫水も虫人となって、めっちゃくちゃイケメンに進化したのよ、緑癒なんて女性!? と驚くほど中性的な顔で、紫水はあどけなさが残っているけど、うん、イケメン。高校生だったら、他のクラスの女子達も紫水に話しかけようと押し寄せてくるぐらいのイケメン。ふっ、そんな2人と私は熱いキスをしたんだけど、何も感じなかったわ、心がときめくー! とか、何にもなかった、無よ、無!
緑癒は下半身露出し続けるわで、ラヒートさんの解呪が終わった時、私の内心は、『まだ、ラヒートさん目覚めないで!!! 緑癒のアレが丸見えだから、起きないでー!!!』って、慌ててたわ。魔王さんもラヒートさんの解呪が終わった瞬間、緑癒にズボンを履かせようとしていたからね。あの時、魔王と目だけで意思疎通ができた時、あっ、魔王さんも私と同じ考えだったのねって納得したわ。
紫水は紫水で、なんか必死に我慢しているようだったけど、それが一番怖かったわ、何をされるか不安で、でも、してこないから、いつ爆発するか分からない爆弾をそばに置いている感じだったわ。
2人には悪いけど、私の心は藍介に惹かれているの。2人とキスをしていても、藍介の事を考えていたわ。
でも、私は藍介を好きだけど、緑癒と紫水、それにイデアさんの気持ちはどうなるのかしら、私が一方的に別れを告げた場合、紫水とイデアさんは藍介を殺そうとするかもしれない。緑癒は、多分殺そうとはしないと思うわ、多分だけどね!
はぁー、今までモテたことのない私が、こんな事を考えないといけないなんて、あぁ、頭が痛くなってきた。
私はこれから、どうすればいいのか、みんなと仲良くなれたけど、恋愛面でギクシャクするなんて、嫌。それなら、私が藍介に対するこの気持ちを押し込めれば、いや、もう無理よ。藍介とキスをした時、私の心は震えたの、心の底から藍介を欲してしまっていた。
「私はどうすればいいのかな」
「ん〜? 主人様〜? 急にどうしたの〜? 俺が沢山ぎゅ〜ってしてあげようか〜」
「もう、ぎゅーしてるでしょ」
「主人様と俺は〜、もう〜、ふふふ〜。恋人だからね〜」
「はいはい、今日は疲れたからその話は後で」
「え〜!!! 主人様が〜、俺の事を受け入れてくれた〜! 俺嬉しい〜! この後あの白いのを殺そうかと思ってたけどやめるね〜」
「紫水、物騒なこと言わないの、あの子に名前をつけたんだから殺しは禁止よ。それに、あの双子にはミーライちゃんの護衛を任せているんだから、ちょっかいをかけちゃダメよ」
「は〜い。俺は主人様の恋人であり〜、護衛だからね〜」
「護衛は、灰土でもいい気がするんだけど」
「む! 灰土より〜、俺の方が遥かに強いよ〜」
「んー? 灰土の方が強いと思うんだけどな」
私と紫水が居間で雑談している間、緑癒はゴウライの診察、魔王さんとオビリオンさんはラヒートさんの介抱、イデアさんはと言うと、藍介と昼食の準備をしてくれているみたい。
ライネルと花茶は豊穣の森でアさんのダンスレッスン、ネルガルは金色丸と銀次と一緒に偽ダンジョンの穴掘り、もちろん、蝋梅妃も一緒よ。紅姫と黄結姫は白桜の服作りの手伝いに、菊姫、百合姫はいつも通り森の警備、灰土は鍛錬中かしらね。
あっ、あの後、ミーライが黒常を離してくれなくて、カーラーさんが困っていたわね。真白ちゃんはそんな弟を笑ってたわね。まぁ、私でも黒常が可哀想とは思うけど、その前に笑いが込み上げちゃうわね。
色々な事が起こっていて、私はあの子の事を完璧に忘れてしまっていた。
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