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ゴウライとリリアーナ

「ここは、どこだ? 俺は何故、繋がれている」


 本を開いたゴウライの精神は本の中に入り、自身が思い出したい記憶に導いた。


 ゴウライが思い出したい記憶、どうして、記憶を無くしたのか、その原因を知りたかったゴウライは記憶を無くした時を再体験していた。


 ゴウライは牢屋にて、リリアーナと会っていた。


「辛気臭い所にいるわね。まっ、こんな場所に監禁されちゃったら、貴方に使い道がないわね。私がここまで来るのにどのぐらい大変だったか分かるかしら? 分からないわよね。何も成果を持って来れずに暴れるだけ暴れて、はい、負けてきましたーってあんたそれでも三大大将の一角なの? 弱すぎないかしら?」


「我は負けた。獣に負けたのだ」


「あーあ、なんで、ラヒートはこんな弱いやつに手を付けちゃったのかしら? 初めからイデア・ラヴァーズを狙えば良かったのに、そうしたら、あの美男とベッドで楽しめたのにな」


「リリアーナ、我に何故会いにきた」


「そんなの簡単よ。使えない道具を有効活用しにきたの、貴方はそのついでね。でも、私の記憶を残したままだと面倒だし、そうね。サヘル! ラヒートと同じやり方でこいつの記憶消して頂戴」


 リリアーナの後ろから白衣を着たメガネをかけた痩せ細った男が現れた。


「鬼の脳をいじるのですか、それは、楽しそうですね!」


「そんな時間ないからチャチャっと済ませちゃって」


「はぁー、もっと時間があれば楽しめたのに、全ての記憶を無くすのは簡単ですが、リリアーナ様の記憶だけとなると、1時間ほど時間が欲しいですね」


「そんなの、めんどくさいから全て消しなさい」


「貴方って言う人は、ほんと、恐ろしい方だ」


「我の体に触れるのであれば、お前は死ぬことになるが良いのか」


「うーん、リリアーナ様、彼を気絶されることはできますかね? 私体力ないので、多分、彼に触れた瞬間、雷によって私は殺されちゃいますね」


「あんたが弱過ぎるのよ。もう、仕方ないわ。眠らせている間に終わらせちゃって」


 リリアーナ口から桃色の息を吐き出し、ゴウライの顔に桃色の息を当てた。


「何をする!? 我に、何を、し、た」


 ゴウライは眠気に抗えず眠ってしまった。


 精神体の記憶を無くしたゴウライはその後、自分の身に起こった事を直視することができず、その場で震えた。


『俺はあの白衣の男の手によって記憶を無くしたのだな、俺はカーラーとミーライがいるのに、どうして、こんな女と関係を持ったのだ! あぁ、やめてくれ、俺の体で遊ばないでくれ! 嫌だ、嫌だ、こんなのは見たくない。見たくないんだ。カーラー助けてくれ、俺を誰か助けてくれーー!!!!!』


「ふぅ、傷跡も綺麗に縫合出来ましたし、記憶は全て無くなりましたよ。いやぁ! 鬼の脳は大きくて弄り甲斐がありますね! キヒッもっと遊びたかったです。キヒッ」


「その笑い声やめてよ。そもそも、記憶の消し方、前もって伝えててよ。あんなグロいの見たくなかったわ」


「キヒッ、あれ? 普段の究極霊薬作成時もこんな感じですよ?」


「ふぅ、私絶対実験室には近付かないわ」


「そんなことを言わずに私の実験風景を見にきてくれても良いのですよ! キヒッ」


「嫌よ! 次のラヒートはこんな事しないでいいのよね?」


「えぇ、これを飲ませればいいだけですね」


「もう、魔王軍には居られないし、それなら、思いっきり派手に暴れてもらわないとね」


「はい! 魔族の死体があれば持って帰りたいですね!」


「それは無理よ。これを飲ませたら直ぐに帰るから、サヘルは転移陣の準備をしなさい」


「えー、死体を有効活用してあげないといけませんよ」


「やめなさいって、これ以上気持ち悪いものは見たくないのよ! こいつだけでお腹いっぱい!」


「私は、もっと、遊びたいのにな。せっかく実験室から出たのにな、はぁー、帰ったらドラゴンでもイジって遊びましょうかね」


「前から気になっていたのだけど、あのドラゴンって何処から捕まえてきたの? 私が生きてきた中であんなドラゴンを見たことないわ」


「それは、キヒッ。リリアーナ様は知りたいのですね。あのドラゴンの正体を知ってしまったら、キヒッ、あなたはもう、引き返せなくなりますが、それでも、よろしいですか」


「あー、やっぱり、やめとくわ。あんたがこんな事を言うからには、相当な代償がありそうね」


「えぇ、主神を敵に回しますからね!」


「普通の神ではなく、主神!? あんた一体何しているのよ!」


「キヒッ! 知りたいですか、知りたいのですか!」


「嫌よ! 主神には絶対に関わりたくないわ。この話はしなかったことで、ほら、ラヒートの元へ行くわよ」


「そんなぁ、リリアーナ様とこちら側へ来て欲しかったのですが、リリアーナ様、私の話を聞いてくれませんか?」


「嫌よ!いや! 行くわよサヘル!」


 リリアーナはサヘルと共にラヒートが捕まっている部屋へ向かった。


 その後、ゴウライは目を覚まし、記憶を無くした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 性格の悪さは相変わらずです。新しい相棒とは気が合いそうですね。
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