仕方ない撫でてあげよう
魔力爆発を起こした藍介は無事に意識を取り戻し普段の生活に戻った。
それから10日経ち、私は藍介に触れないように細心の注意を払って藍介とかかわってる。
そのせいで藍介怒っているのよね。
私は今座椅子に座り、お茶を飲んでいた。
平和っていいわねぇ。
私が和んでいる中、藍介は雑巾とバケツを持ってきて縁側の掃除をし始めた。その間、藍介は私に不満をぶちまけていた。
「主人様!なんで撫でてくれないのですか!この前、紫水と一緒に添い寝して、緑癒のお尻を抱きしめたり、紅姫のお尻を触って、黄結姫の頭を撫で、花茶と毎日一緒に遊んで!この頃、私のこと無視してませんか?虫だけに無視ですか?」
ちょっと親父ギャグ入れないでよ。
危うくお茶を吹くところだったわ。
「そんなことないでしょ、無視なんてしてないじゃない」
「そうですか?それなら、普段は料理が美味しかったと褒めてくれていたのに今はないですよね?」
「そう?私、藍介の料理美味しいから大好き」
「はぅう、そうきますか、それならどうして撫でてくれないのですか?」
「それは、ほら、その、ねぇ、あれよあれ!気分じゃないから」
「それなら撫でる気分はいつになったら来るのですか。やっぱり、あの爆発のせいなんですよね?あれは、スキルのせいで起きたことなので私は大丈夫だと何度も言ったじゃないですか」
いや、藍介は無事だけど周りにいる私が爆発に巻き込まれちゃうじゃない。
あれ、ほんと凄かったのよ。
「じゃあ、触ったら爆発しない?」
「えぇ!しませんとも!」
本当かな?
「それなら、撫でてあげようかな」
「さぁ!どうぞ!撫でてください」
藍介は両手を広げた。
そこまで言うのなら撫でてあげないとね。
私は藍介の頭を撫でてあげた。
「主人様、主人様、あぁ、至福ですぅ」
「ねぇ、藍介、なんで皆んな私が撫でると嬉しそうにするの?」
「それは皆、主人様のことが好きだからですよ。あっ、もっと撫でてもらってもよろしいですか?」
うーん、今の所爆発の前兆はなしだけど、仕方ない撫でてあげよう。
「仕方ないわね。もう少しだけ撫でてあげるから、きちんと掃除するのよ。それにしても、皆んな私のことが好きだからですって言うのよねぇ。少し恥ずかしいわね」
「主人様が皆を平等に扱ってくれるから、皆主人様を慕っているのです」
「平等ね」
「リリアーナの話はしましたよね。あれはもう本当酷い方で」
「はい、リリアーナの話は今はなしで、折角ストレスなく生活しているのだから暗い話より楽しい話しましょ!」
「そうですね、あっそういえば主人様はクエストクリアをしたとおっしゃってましたが、次のクエストは何が出ましたか?」
「んー、それはね。ダンジョン評価X取得条件は1年間暮らすことなんだって」
「そうだったのですね。あっそうそう、報酬は貰えたのですか?」
「あれ?この前言わなかったかしら?」
「いや、あの爆発のせいで記憶が少し飛んでいて」
「それなら、言うわよ。報酬は」
「報酬は?」
「なし」
「なし?報酬なしということですか?」
「そうよ」
「それは、その、主人様が泣いた理由が分かりましたね。主人様が洞窟にいらっしゃった時は私達を嫌っていたのに、今では一緒に生活して、私のことをそのぉ、す、す、す、き」
「嫌ってはいないわよ。嫌っては、その、苦手だっただけだから!今じゃ苦手意識を克服してこんなにも貴方達に触れるようになったのよ!凄いことじゃない!」
私は藍介を撫でるのをやめた。
「えぇ!流石は主人様です!あの、もう少し撫でてもらっても?」
「このやりとり2度目なんだけど、もう藍介も甘えん坊だな」
もう一度藍介を撫でてあげた。
藍介といい、紫水、緑癒は花茶よりも甘えん坊さんなのよね。
「主人様!!!遊ぼ!!!ねぇねぇ!昨日約束した洞窟探検しよう!」
花茶が縁側から部屋に入ってきた。
そうね、今日は花茶の言う通り洞窟探検に行こう!
この洞窟広いし横穴多すぎて迷子になりそう。
マップとかないのかな?
いや、マップ自分で作れば良いじゃない!
どんなマップにしようかな?
ゲームみたいに進行していくとマップが埋まっていく系にしようかな?それとも、全体マップ系?
私は地道にマップ埋めていく系が好きなんだよね。
そういえば、神々のダンジョンは全体マップをゲーム初期に渡されるのよね。
それはそれで、親切設定よね。
うんうん。
ダンジョン数結構あるから嬉しいちゃ嬉しいけど、自分で見つける楽しさがないのがちょっとしたマイナスポイントね。
よし!地道にマップ埋める系のを作ろう!
名前は虫マップ君で決定!
ブックマーク、評価いただけると嬉しいです。