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記憶の再体験

 長机の前にゴウライ、カーラー、オビリオンその向かえには藍介とイデアの計5人が集まっていた。


 クティスとスーロとターンはミーライちゃんのお世話係として遊具が沢山ある部屋で一緒に遊んでいた。


「ミーライちゃんはクティスが面倒を見てくれるので安心してください。それでは、藍介さん、ゴウライの記憶の取り戻し方を教えてください」


「全ての記憶を取り戻せられるかは分かりませんが、ゴウライさんがこの本を開いてもらえればいいだけです」


「その、魔導書を開けば旦那の記憶が戻るの?」


「戻ると言うか、自身が強く願う思い出したい記憶を再体験する事ができるのです」


「それで、見れる範囲が決まっているから全ての記憶を取り戻すことは難しいと言うわけだな」


「オビリオンさんの仰る通りです。さぁ、ゴウライさん貴方が思い出したい事を考えて本を開いてください」


「貴方、大丈夫。もし、貴方が暴れたら私が一発ガツンと貴方を気絶させればいいだけの話よ。だから、怖がらないで」


「あぁあ、カーラー。すまない」


 ゴウライは魔導書を開いた。


「これは!?」


 ゴウライはその場で気絶した。


「あなた!? ちょっとどう言うことなの!」

 

 藍介は本を指差した。


「多分、魔法が成功しただと思いますね。ほら、空白だったページに絵が描かれています。ゴウライさんとこの女性は誰でしょうか?」


 本にはゴウライが牢獄であぐらで座っている姿とボンデージを着た女性の絵が描かれていた。


「この女性は誰ですかね? うーん、顔つきがリリアーナに似てませんかね?」


「私の知っているリリアーナはこんな服を着ませんが? 洞窟から出られてイメチェンでもしたのでしょうかね?」


「私も初めてこの服を着た彼女を見ました。もしかして、彼女こそが本物のリリアーナと言うことでしょうか?」


「うちの旦那にこんな服を着て誘惑するなんてふざけんなよクソ女!!!」


「怒るのも無理はないですね。ですが、ほら、次のページには文字が浮かび上がっていますね」


「これを読めば、記憶を無くす前のゴウライさんの行動が分かるはずです」


「私が読むわ!」


 カーラーは浮かび上がってくる文字を声に出しながら読んだ。


『辛気臭い所にいるわね。まっ、こんな場所に監禁されちゃったら、貴方に使い道がないわね』


 カーラーの顔が険しくなり、怒りで手が震えていた。


「カーラーさん、私が読みましょうか?」


 藍介はカーラーがこれ以上読むことは危険だと判断して、自分が読むこと提案した。


「えぇ、ごめんなさい。私だと、腹が立ち過ぎて頭がどうにかなっちゃいそう」


「私が読ませていただきます」


 藍介は文字を読み始めた。


『私がここまで来るのにどのぐらい大変だったか分かるかしら? 分からないわよね。何も成果を持って来れずに暴れるだけ暴れて、はい、負けてきましたーってあんたそれでも三大大将の一角なの? 弱すぎないかしら?』


「カーラーさん。リリアーナの部分は声に出して読まなくてよろしいでしょうか?」


「藍介さん、私のことを気にしないで全部読んで」


「はい」


『我は負けた。獣に負けたのだ』


『あーあ、なんで、ラヒートはこんな弱いやつに手を付けちゃったのかしら? 初めからイデア・ラヴァーズを狙えば良かったのに、そうしたら、あの美男とベッドで楽しめたのにな』


「うわっ、何ですかこの女。私がこんな奴を好きになるわけないでしょ!」


「まぁまぁ、イデア落ち着け。にしても、俺達が会ったリリアーナとは全く違うな」


「多分ですが、今は猫を被る必要がないから、これが、彼女の素の姿なのでしょうね」


「最低なクソ女ね」


「それでは、続きを」


 藍介はリリアーナとゴウライの会話を音読し、カーラーが怒りの余り机を真っ二つに切断したのでした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こ、コワイ……女性の怒りはオソロシイ(◎_◎;) [気になる点] 若作りでこの格好しているのでは?オバサンダシ。 [一言] よく机だけで我慢出来ました。春日部の幼稚園児に出て来る天才気取り…
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