藍介の準備
主人様と緑癒、紫水と魔王はラヒートの解呪中。一方で、藍介はゴウライの記憶を取り戻す為にとある魔導者を世界の図書館で探していた。
「えーと、確か、ここの列にあったような?」
藍介は1時間本を探し続けていた。
「あった! ここでしたか! ふぅ、蔵書数が多いのはいいのですが、検索機能などを作って欲しいですね。これで、ゴウライさんの記憶を取り戻せそうです!」
藍介は『記憶を書き換える魔法百選!』のタイトルの本を取り出した。
藍介は自分の家に戻り本を読んだ。
「ふむ、ふむ、あー、このページを読んで貰えばいいのですね」
藍介は身支度を済ませ、ゴウライとカーラー、ミーライちゃんの元へ向かった。ついでに、イデアとオビリオンが居る家に立ち寄った。
「藍介さん、その本でゴウライの記憶を取り戻せられるのですかね?」
「多分、可能だと思いますけど、記憶が戻った場合暴れる可能性もあるので、お二人にゴウライさんを止めていただきたいのですよ」
「承知しました。スーロ、ターンお前らはミーライちゃんを守ってやってくれ」
オビリオンはスーロ、ターンを呼び出した。
イデアは気になった事があったので藍介に話しかけた。
「あの、藍介さん少し宜しいですか?」
「イデアさんどうかしましたか?」
「いや、あの、どうして、藍介さんが歩くとカサカサッと音がなるのですかね?」
「それがですね。私にも分からないのですよね。私の足音がカサカサ言うせいで、皆さんからすぐに私が近付いてくるのが分かるみたいで、薄く伸ばした魔石に乗って移動してみたこともあるのですが、足を動かしていないのに、カサカサ言うのですよ! 私のカサカサの呪いを早く解呪して欲しいですよ!」
「足を動かさなくてもカサカサ言うのですね。あっ、あと、この前借りていたこの本お返ししますね」
「ん? イデアさんに本を貸していた覚えがないのですが? って!? 無くしていたと思ってた私の宝物! イデアさん! 人の物を勝手に盗むのはいけないことですよ!!!」
「ライネルさんから借りたのですよ」
「ライネルがどうして、はっ! 花茶経由か。くぅぅううう。何度も図書館に戻り探し続けた事か。もう! 今日のライネルのご飯は抜きですね!!!」
藍介がライネルの話をしていた時、ライネルは花茶と豊穣の森でアのダンスレッスンを受けていた。
「バックッション!!!!!!」
「うわー、ライネルお兄ちゃん汚ーい!」
「すまん、飛んだわ」
「もう! にしても、凄いくしゃみだったね。もしかして、ライネルお兄ちゃん風邪ひいちゃった!?」
「俺が風邪なんかひくかよ。多分、あれだあれ。俺の事を噂している奴がいるんじゃねぇか?」
「噂か、悪い噂じゃないなら良いね!」
「ふっ、俺がカッコ良すぎて、魔王軍にいた女達が俺の事を心配してくれてるんじゃねぇかな」
アはつかさず突っ込んだ。
「それは無いわね」
「ないない!」
「2人して、否定しなくていいじゃねぇか」
「2人とも、話してないで、ダンスレッスン再開するわよ」
「はーい」
「どうして、俺まで付き合わされてるのかねぇ?」
花茶とライネルはア指導の元ダンスレッスンを再開した。
そして、話は戻り、藍介とイデア、オビリオンは
「藍介さん、私の分はありますよね?」
「客人なので、用意してますよ。本当は用意したくありませんでしたけど!」
「藍介さんの料理は美味しいですから、ご飯抜きになったら、私は凪さんに甘えに行きたくなっちゃいますね」
「どうして、主人さんに甘えに行くんだ?」
「凪さんが私の癒しだからですよ!」
「イデアさん主人様の邪魔はさせませんよ!」
「そんなことを言って、藍介さんも教会へ行きたいのではないですかね」
「私はご飯を運ぶ仕事があるので教会に行けるのですよ。正直、私は教会へ行きたくないですね」
「私は緑癒さんと紫水くんの邪魔をして凪さんと沢山熱いキスがしたいですね!」
「イデア、魔王様の邪魔だけはするなよ」
「分かってますって、だから、こうして私は大人しくオビリオンさんと共に行動することにしたじゃないですか」
「トランプ、オセロ楽しかったな。藍介さん、俺の子供にトランプとオセロを遊ばせてあげたいのだが、主人さんにお願いすればもらえるのだろうか?」
「子供達の為なら主人様は作ってくれると思いますね」
「さすが! 凪さん! その優しい心に私は惹かれたのです!!!」
「はいはい、もう、散々主人さんの話は聞いたから、もう、そろそろ着くから褒めるのは後でしような」
「はーい。クティスはミーライちゃんのお守りをしてくれたでしょうか」
「ミーライちゃんクティスから離れようとしなかったからな」
「凪さんにお願いされてしまいましたからね」
3人はゴウライ家族とクティスが宿泊している施設にたどり着いた。
「温泉施設を宿泊施設に変えるなんて、さすが主人様ですね!」
「どうして、俺はこっちに泊まらなかったんだ?」
「家族揃って温泉を楽しんでもらいたいからって言ってたような?」
「今度、うちの子達も連れてきてもいいか?」
「ええ、構いませんが、あの、一応言っておきますが、ここはダンジョンですからね」
「家族旅行先はここで決定だな!」
「オビリオンさん仕事にプライベートを持ち込まないでくださいよ」
「お前が言うな!!!」
そして、3人はゴウライ家族に会うために温泉施設に入っていくのでした。
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