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久しぶりに旧友から連絡が来た

 主神ゼスは普段通り仕事を処理していた。


「人間にしたんだから、早くあの星を救ってくれないかな」


 重要書類に目を通し、判子を押した。


「うわっ、あいつここまできちゃってるじゃん。このスピードだと間に合うのか? でも、俺の目にはこれでしか勝てる手段が見えないし、うーん、予定をはやめさせるか? いや、無理をさせたからこれ以上仕事量増やしたら、本格的にストライキが発生しちゃいそう。それだけは、回避しないと」


 ゼスは机の左側に置いてある水晶に手をかざした。


 水晶から黒いもやが映し出された。


「あいつの進行を止めるためにも他の星をぶつけないと、でも、ぶつけられる星がないんだよなぁ」


「いや、一つだけあるぞ! でもな、あの星を動かすとなると、あいつにあの星の存在を知らせちゃうことになるし、そうなったら、うわーーーー!!! 考えただけで面倒だ!!! いやさ、彼は仕事熱心だからつい、仕事をお願いしちゃうわけで、そのせいでいつの間にか家族が崩壊! しちゃったわけでさ、うん。これは、最終手段として残すと言うことで、この星は今は使わないと言うことで!!!」


 仕事をしながら独り言を言っていると、懐かしい友達の声が聞こえた。


「神を束ねし、全知全能たる主神よ。その力を持って不浄なる物に神の慈悲にて癒したまえ」


「うわっ!? びっくりした。ん? もしかして、やっと僕を呼んでくれたのかい? 遅いんだよなぁ。もっと早く僕を呼んでよね!」


 ゼスはラヒートに神の慈悲を発動させている緑癒を見つけた。


「いたいた、ん? なんだ、あの呪いは? 今までに見たことのない呪いだな? 僕は全知全能。この宇宙に僕の知らないことはない! のだけど、なんだあれ?」


 金色の光を浴びても尚、呪いは女性の体の中に存在していた。


「しぶとい呪いだな。主神たる僕の力を使っているのに消えないなんて、一体。もしかして、僕の宇宙には無い呪いってこと?」


「んな馬鹿な。仕方ない、直接聴いてみるか」


 緑癒は神の慈悲によって魔力を使い果たし、倒れた。


「よし、今なら話しかけられそう‥‥? あいつ、なんで、ズボン履いてないんだ? てか、フル○ンじゃん! えっ!? あんなことする奴だっけ? おや、あの女性は勇者の思い人だよな、ふぇっ!? キスしてる!? 下半身露出馬鹿とキス!? この僕を驚かせるなんて、凄いな。今度、ヘーちゃんにお願いしてみようかな?」


 ゼスは特殊なプレイを妻にお願いしようが、悩んでいた。


「いや、これ以上怒られる事はしないほうがいいな。うん。僕は学ぶ男だからね」


「でも、やっと久しぶりに友達と話せるタイミングを逃しちゃダメだよな。もっと僕の力を貸してあげるか」


 ゼスは自身の力の一片を緑癒に貸した。


 主神の力を受け取ってしまった緑癒は嬉しそうにするはずもなく、キョロキョロと辺りを見渡し、天に向かって、思念を乗せた金色の光を放った。


『僕に構わないでくださぁぁいいぃぃぃ!!!』


『久しぶりに連絡したのはそっちなのに、そんなこと言わないでくれよ!』


『僕は金輪際貴方と関わりたくないのですよ!』


『それなら、どうして、僕の力を使ったのさ!』


『彼女の呪いを解く為に必要だったのです!』


『そんで、気になったんだけど、どうして下半身露出してるのさ!』


『僕のお尻は主人様のお気に入りなのです。そんなお尻をズボンなんかに隠されるなんて嫌でしたからね。それに、裸のほうが僕は好きです』


『いや、自分以外の人がいる場合は露出するのは避けようよ』


『逆です。逆! 主人様がいるからこそ、僕のお尻の良さを主人様に知ってもらいたいのですよ』


『君ってそんな変態だったっけ?』


『僕の人生は縛られ続けられて終わりましたが、今は違います! 僕は自由! だから、僕は自分がやりたいことをやってこの新しい命で面白楽しく生きていくのです! なので、金輪際! 僕に話しかけないでください!』


 緑癒からの一方的な思念が送られてこなくなった。


「あれ? 僕の声、聞こえてない? うわっ、僕を拒絶し始めてたよ。それなのに、僕の力を使うとか勝手すぎない? ふん! そっちがその気なら、僕だって力を貸してあげないもーんだ!」


 ゼスは緑癒に貸した力を取り返そうとしたが、ゼスは力を取り戻せられなかった。


「あれれ? おかしいな? もう一度」


 何度やっても緑癒から自身が貸した力を返してもらう事ができなかった。


「なんで!? どうやったんだよ! それは、僕の力だぞ!」


 ゼスはその後も何度も力を奪い返そうとしたが、全てが失敗したのでした。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] お尻丸出し……はっちゃけすぎですけど、ここまで追い詰めたの? [一言] 部下はもっと労わらないとね。家庭崩壊させるなんて鬼畜過ぎ。
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