緑癒の魔法
解呪開始してから1日が経ち、私は何十回と緑癒と紫水に魔力を供給した。
流石に休憩なしで行くのは体力的にも辛いため、藍介にご飯を作って貰ったり、大きな布団で4人で眠ったりした。魔王さんはなんで俺も一緒に寝なきゃいけないんだよ! って叫んでたけど、紫水が仲間外れは可哀想と言うことで仲良く4人で眠ることになった。
「いや、2人は良くあんなイビキの中眠れたな、俺は寝不足だな」
「主人様と〜、眠る時はこの耳栓が必要不可欠だからね〜」
紫水は水を固めた耳栓を魔王に見せた。
「それがあるなら俺にも作ってくれよ!」
「同感です。僕にも作って欲しかったです!」
「あんた達、私はそんなにイビキなんてかいてないもん!!!」
と、他愛のない話をした後、緑癒はラヒートに魔法を使う準備を始めた。
緑癒は紫水にラヒートを浮かべてもらい、彼女の下の地面に魔法陣を書いていた。
「ねぇ、緑癒どんな魔法を使うの?」
「えーと、魔法と言ってますが、その魔法は元々スキルとしてこの世界には存在していて、魔力を消費するスキルだったのですが、前世の僕がそのスキルを継承する事ができずに死んでしまったので、この世に存在しなくなってしまったのですよ」
「えーと、前世で持っていたスキルを誰かに渡し忘れたから、この世界にそのスキルが無くなったって事でいいかしら?」
「はい、本来ならもうこの世に存在しないスキル。それを、新たな魔法にする事によって使用可能にできるのですよ」
「でも、昔にあったスキルを緑癒が持っているなら、そのスキルを使用すればいいだけなんじゃないの?」
「このスキルは継承しないと使えないスキルなので、前世の僕が今の僕に継承しない限りスキルとしては使用不可能なのですよ」
「前世の緑癒がぁ〜、他の人に渡し忘れたから〜、今の自分がスキルを持ってるけど〜、それをスキルとして使うことは〜、出来ないってことだね〜」
「複雑なのね」
「はい、ですが、前世の僕は天才だったので、スキルの効果を魔法に移し替える魔法陣を完成させてたのですよ。どうです! 僕って天才なんですよ!」
「大切なスキルを継承し忘れてるけどね〜」
「あれは、仕方ないでしょ、最後にあったの人は絶対に渡しちゃいけない人でしたし、そもそも、あのスキルを使えるのは莫大な魔力量を持つ人に限りますからね。そんな簡単に継承できちゃ、幼い僕が教皇になった理由が分からなくなってしまいますからね」
緑癒の前世での話を聞いていたら、緑癒は魔法陣を完成させた。
「ふぅ、これで、『神の慈悲』が使えますね。あー、あの方だけには見つかりたくないですぅ。まぁ、見つかっても話しかけられることは無いでしょうから、よし! 一丁派手にやりますか!!!」
私と紫水、魔王さんは緑癒の側から離れた。
「緑癒〜がんばれ〜!」
「応援してるわよ!」
「ラヒートをお願いします!」
緑癒は羽を広げ、黄金の鱗粉を振り撒きながら、魔法の詠唱を始めた。
「神を束ねし、全知全能たる主神よ。その力を持って不浄なる物に神の慈悲にて癒したまえ。『神の慈悲』」
魔法陣から金色の光の柱が現れ、ラヒートを包み込んだ。
金色の光の柱は天井を貫通して洞窟の中をも照らし、山をも金色の光は貫通し、空高く、いや、空よりも高く暗いその先へ光が伸びていった。
ラヒートは金色の光に包まれ、神龍水と黄金の鱗粉で弱まった呪いは光の浄化の力によって彼女の体から出ている呪いは消え去ったが、彼女の体奥深くまで呪いが侵食していたので、一度の魔法で全ての呪いは消え去らなかった。
「この調子ですと、10回? いや、14回は発動しないといけませんね」
緑癒はお尻を出しながら、地面にうつ伏せで倒れ、緑癒は倒れながら、ラヒートの呪の状態を診断していた。
「緑癒大丈夫!? 倒れちゃってるじゃない!?」
「大丈夫〜? 起きれる〜?」
紫水は緑癒の生のお尻をペチンッペチンッ叩きながら起こそうとしていた。
「紫水、僕のお尻を叩かないでください。僕のお尻を触っていいのは主人様だけです!」
「あの金色の光はあの人間しか使えなかった、失われた神の力‥‥。なんで、こんな所に虫として生まれ変わったのか不思議でならないな」
魔王は緑癒が使った神の力に驚いていた。
「主人様! さぁ! 僕の魔力はゼロです! キスッ! をお願いします!!! あの、久しぶりにこの力を使ってので、昨日よりも長いキスッ! がしたいです!」
「はいはい、もう、キスに慣れたから何度だってキスしてあげるわよ!」
「やった!!!!」
私は倒れている緑癒を抱き起こしてキスをした。
「主人様、僕は幸せものですぅ。はぁっ〜。もっと、主人様とキスッ〜!」
緑癒が主人様にキスをせがんでいる中、金色の光はとある神の元へ届いでいた。
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