落ち着きの正体
俺は〜、ライネルからネルガルの魔王軍で働いている時の話を聞いたんだけど〜、本当にネルガルはモテていたみたいでさ〜、何度もライネルに聞き返しちゃった〜。あのネルガルが女にモテる〜。女って〜、馬鹿男が好きなのかな〜?
「おい、紫水、ライネルの話も信じてないだろ」
「いや〜、嘘はついてないって分かったよ〜」
「あれは、信じられないって感じの顔だな」
「いやだって、サーフィン馬鹿のネルガルが俺にとってのネルガルであって〜、俺達と初めてあったかなネルガルなんて〜、もう忘れてるよね〜」
「まぁ、そりゃ、俺も思うさ、まさか、あの優等生君が、サーフィンをする事だけ考えるサーフィン脳になっちまったからな」
「おい、2人して俺を貶したいのか!」
「いいや、俺は今のお前の方が話しやすくていいぜ、あの時のネルガルは俺を見下していたしな」
「あれは、魔力探知ができないお前が悪いんだろ」
「仕方ねぇだろ、俺の喉のせいで普通に魔力切っとかないと、俺が声を出すだけで周りが吹っ飛ぶ可能性があるからな」
「へぇ〜、あの時のライネルは本気では無かったんだね〜」
「まぁな。でも、本気を出しても主人さんには勝てねぇだろうな。それに藍介さんなら俺の力に対抗する術を持ってそうだし、俺はあの時2人を相手にした瞬間に負けが確定してたって訳だな」
「なんだろう〜、ライネルの方が大人な感じする〜。これが〜! 大人の余裕ってやつ〜!?」
「何意味の分からねぇ事言ってやがるんだ?」
「いやさ〜、ネルガルが女に好かれるためには大人の余裕が必要だって〜」
「あー、そう言うことか、そうだなネルガルの言う通りだぜ、今の紫水には主人様に好かれようとして心に余裕がねぇんだわ」
「そんな事ないよ〜」
「いいや、もし、主人さんが他の男と恋仲になったら、紫水は何をする?」
「俺はその男を殺すよ〜」
「はい、そんな直ぐに殺そうとするなよ。相手にとって大切な人を殺しちまったら余計に嫌われるぞ」
「主人様に手を出すやつは〜、皆殺しだよ〜」
「こいつ、元々ヤベェ奴と思ってが、間違ってなかったな」
「だから、簡単に殺すなって事だ。そもそも、その男に勝てるように努力するのが、普通じゃないか」
「ん〜? 殺したら勝ったってならない〜?」
「よし、分かった。その考えはそこに置いといて、あと2時間で教会に行かないといけないだろ、その解呪の3日間、俺の約束を守ってくれないか」
「え〜、なんでそんな事しないといけないんだよ〜」
「藍介さんに勝つためにも必要なことだ」
「むむむ〜、俺は藍介に負けてないもん〜」
「ほら、紫水は内心藍介さんに負けてるって分かってるんだろ、今のままじゃダメだから俺の所に来たんだよな」
「ネルガルたまに鋭い事言うね〜」
「たまには余計だ! でだ、俺の約束は簡単だ、普段よりも落ち着いて行動してくれ。俺からの約束はそれだけだ」
「俺は〜、いつも落ち着いてるよ〜」
「約束を守ってくれたら、俺が出来ることならなんでもやってやる券あげるぞ」
「そのなんでも券って流行ってるのかな〜?」
「あーじゃあ、この前の野球で勝った時のこの券いるか?」
「それって〜! 主人様のなんでもしてあげる券!? いいの〜! 本当に約束守ればくれるの〜!!!」
「俺には使う必要ねぇし、欲しいやつが持ってたほうがいいだろ」
「ネルガルのなんでも券より嬉しい〜! 俺約束守るように頑張る〜」
「凪さんには勝てないな、まぁ、俺との約束を守ってくれればそれでいいか」
「何に使おうかな〜。やっぱり〜、交尾をお願いしようかな〜」
ライネルは主人様のなんでもしてあげる券に浮かれているを紫水を見て心の中で主人さんに謝った。
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