頭を冷やすには抱き枕が1番
「はぁ〜、やっちゃったなぁ〜。花茶ちゃん〜、絶対に主人様に言うよな〜。う〜ん、悩んでも仕方ないからあそこに行こう〜」
紫水は頭を冷やすためにある男の家に向かった。
「この時間は寝てるよね〜、おじゃましま〜す〜」
紫水は男が眠る部屋に向かった。
「ネルガル〜、起きて〜、なかなか起きないな〜。それなら〜、俺も少しだけ寝ようかな〜」
紫水は爆睡しているネルガルのベッドに入り込むと、ネルガルを抱き枕にして眠り始めた。
そして、朝、ネルガルは体に何か覆い被さっている事を感じ、慌てて起きた。
「おもっ! 誰だよ! また、緑癒さんか? 紫水!? なんで、お前が俺のベッドで寝てるんだよ! てか、顔近いやめてくれ!!!」
「んんんん??? ふぁ〜あ〜。もう〜、ネルガルうるさいよ〜」
紫水は離れようとしたネルガルを抱き寄せてまた眠りについた。
「なんで! 俺を抱き枕の代わりにするんだよ!!!」
紫水は眠りについていた。
「起きろよ! おい! 今日は最高の日なんじゃねぇのか! ほら、早く起きて歯を沢山磨いてキスする準備してろよ!!!」
「おい! 重いって、起きろ!!! おい! 起きろ!!」
ネルガルは必死に紫水の体を揺らしていた。
「分かった〜、分かったって〜、起きるよ〜」
紫水は体を起こして体を伸ばした。
「ネルガルおはよう〜」
「おはよう! なぁ、なんで俺のベッドに入ってきたんだ?」
「それがさ〜、ネルガル聞いてよ〜」
「なんだ?」
紫水は昨晩の花茶との会話を全てネルガルに話した。
「あの、花茶ちゃんが意地を張ってまで止めるなんて、相当2人が結ばれる事を望んでいたんだな。でも、紫水にとっては結ばれたくないと」
「そりゃあ〜、そうでしょ〜。愛している人がぁ〜、他のオスを愛すなんて〜、俺には耐えられないよ〜」
「そもそも、凪さんはもう氷月と結魂しているよな? 紫水、それはどう考えているんだ?」
「え〜? 氷月は主人様に愛されてないからな〜。でも〜、結魂羨ましいな〜。俺も結魂したいし〜、結婚もしたいな〜」
「どっちもやりたいんだな」
「俺は〜、それぐらい主人様を愛してるからね〜」
「なぁ、紫水も結魂できるんじゃないか?」
「ん!? ネルガル急にどうしたんだよ〜」
「いやさ、氷月さんとは確実に結魂してるんだろ、そして、藍介さんと付き合っているかもしれない。それならさ、紫水も凪さんと付き合えるんじゃないか?」
「ええ〜、そんな〜♡ 主人様と付き会えるの〜♡」
「凪さんはここの主人、いわば、虫達の王。王が1人だけと結婚するのはわかるけど、複数人の妻を娶っている王もこの世には存在するわけで、凪さんなら1人の夫だけじゃなくて、複数人の夫を作ってもいいんじゃないか?」
「それは〜、俺以外にも愛している人が増えるってこと〜。それはそれで〜、嫌だな〜」
「じゃあ、紫水は藍介さんと凪さんの間にどうやって割り込むんだ?」
「藍介をぶっ殺して〜、主人様と〜結婚する〜」
「そんな事をしたら、紫水一生凪さんに嫌われることになるぞ」
「それでも〜、主人様を独り占めできるでしょ〜」
「それはやっちゃダメだ! あのな、自分は良くても相手がダメなら結婚なんてできるわけないだろ!」
「そうかな〜?」
「そうかな〜、じゃないんだよ! 今日はお前が待ちに待った凪さんとキスができる日なんだろ、それなら、キスのために念入りな準備をしないといけないわけだ! よし! 紫水! 歯を磨くぞ!」
「うわぁあわ〜、ネルガル急にどうしたんだよ〜」
「俺は、紫水に幸せになって欲しいんだ。前世の紫水は悲惨な死に方をしただろ、それに、生きていた時も、幸せなんてほんの一瞬で、苦しい毎日を過ごしていたんだろ」
「うん〜」
「親友が幸せを掴めるチャンスを感情に囚われて無にしようとしているから、俺が手助けするんだよ!」
「ネルガル〜、そんなに俺の事を考えてくれてたんだね〜」
「そりゃあ、紫水の前世を唯一知っているのが俺なんだろ?」
「うん〜」
「親友が苦しむ姿を俺は見たくない。だから、俺は今から紫水をいい男に変えてやる! 俺の手にかかれば凪さんに好かれること間違いなしだ!」
「いや〜、ネルガルに主人様の好みなんて分からないよね〜」
「凪さんは女だ! 女の好みぐらい分かってるさ! さぁ! 紫水! 俺についてこい! 解呪の時間まで後3時間もある。俺の知識を詰め込めるだけ詰め込むぞ!」
ネルガルは紫水に自身のモテテクニックを教え始めた(押し付け始めた)のであった。
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