魔力爆発
私は藍介を抱きしめ泣いていた。
もう、藍介心広過ぎだし、めっちゃ良い子!大好き!
「藍介、いつも本当にありがとう。藍介のこと大好きだよ」
藍介は深呼吸をしていたが、私が撫でたら急に。
「あばぁばぁばばばばぁばば」
藍介がよくわからないこと言い、体をガグガグと上下に揺れ始めた。
「藍介!?大丈夫なの!?」
「主人様!今すぐ藍介さんを離してください!」
「緑癒!わ、わかったわ!」
私は藍介を地面にゆっくりと下ろしてあげた。
緑癒は鱗粉を藍介に掛けたが、藍介の体は激しく揺れていた。
「藍介さん!何か返事をしてください!藍介さん!」
「お兄ちゃん!?大丈夫!?お兄ちゃん!!!」
「藍介〜、どうしたの〜?大丈夫〜?」
「藍介!起きて!」
「水バシャっとかければ気が付くんじゃない〜?」
「それは流石に可哀想じゃない?」
藍介の弱い思念が頭に流れてきた。
だけど、体は激しく揺れていた。
「紫水‥。すみませんが‥、私を貴方のスキルを使って天高く打ち上げてくれませんか」
「藍介!?急に何言っているの!」
「そうだよ〜、藍介どうした〜?」
「今すぐ!天高く!私を打ち上げてください!早く!」
藍介は紫水の足を掴み必死に頼み込んでいた。
「お兄ちゃん!空飛びたいの?それなら、花茶飛べるよ!」
「危険ですからダメです。さぁ!紫水早く!」
「わかったよ〜。死なないでね」
「ありがとうございます」
紫水はスキルを使い水を操り、洞窟から藍介を運び空高く藍介を打ち上げた。
すると、藍介は青い爆炎を放ちながら、爆発した。
ドォーン!!!っと耳が痛くなるほど音と共に爆風が森全体を駆け巡った。
藍介は力尽きたようにそのまま地面へと落下しはじめ、紫水は水を操り藍介をキャッチした。
紫水ナイスキャッチ!!!
「どういうこと!?」
「お兄ちゃん!?」
「あれってもしや?」
「ふぅ〜間に合った〜」
私は何が起こったのがわからなかった。
だって、藍介達が無事に帰ってきて、花束と花冠もらってとっても嬉しかった。
なのに、こんな最後って‥‥。
前よりもっと藍介と仲良くなれたのよ。
なのに、どうして、爆発‥‥。
頭が追いつかない。
緑癒はすぐさま藍介を治療した。
幸い、藍介は無事だった。
本当によかったぁ。
爆発した本人は幸せそうに眠っていた。
「やはりあれは、魔力爆発ですね。生物での発生はみたことなかったです」
「魔力爆発ってなに?」
「魔力が一瞬で外に放出されると炎属性上級魔法の爆裂魔法と同等の威力で爆発する現象のことですね。普通は、長期間使われた上級以上の魔石が劣化して起こる現象なのです。藍介さんがなぜ魔力爆発をしたのか僕はよくわかりません。これは、藍介さんが起きてから直接聴くしかなさそうですね」
「緑癒は普通の魔力爆発は見たことあるの?」
「花茶みたことあるよ!」
「俺も〜、湖の魔石が上から降ってきた時に爆発したの見たことある〜」
「あの洞窟の魔石は純度が高いので劣化してなくてもたまに魔力爆発する魔石が稀にありますからね」
そうだったの!?
知らなかった。
あの洞窟めっちゃ危ないじゃない!
魔石そこらじゅうあるのよ!
家、移動させようかしら?
「それじゃあ、皆んな家に帰るわよ!それと、藍介は私の家で看病するから、花茶と緑癒、私の家に泊まってくれないかしら?」
「やった!主人様の家にまたお泊まりだぁ!!!」
「僕も泊まっていいのですか?」
「藍介の状態わかるの緑癒しかいないから私の部屋に泊まって欲しいわ」
「えー!花茶もお庭じゃなくて主人様のお部屋に泊まりたい!今日、花茶凄く頑張ったんだよ!」
「私の部屋広いけど貴方達大きすぎるじゃない。んー、わかったわ。部屋広げることにするから2人とも私の部屋に泊まって」
「やったー!!!主人様と一緒に眠れる!」
「ねぇ〜、ねぇ〜、俺も〜主人様と〜一緒に寝たい〜」
「紫水には家の警備があるじゃない」
「え〜、少しだけ部屋の中入っちゃダメ〜?」
「少しだけなら良いわよ」
「やった〜!俺も主人様と一緒に寝れるね〜」
私達は家に帰り、私の部屋で藍介を真ん中にして囲うように布団を敷いた。
右側が私、左側を花茶、上が緑癒で下が紫水。
めっちゃぎゅうぎゅうなのよね。
私が藍介に触れたせいで藍介は死にかけた‥。
これからは、藍介に触れないようにしないといけないわね。
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