なんでもやってやる券パート3
虫人となった白桜から連絡を受けた青雷は自分も虫人に進化するために強くなることを決心した。そして、自分1人では強くなれないと考えた青雷は強制的に魔王の弟子になった。
「はいこれ、3枚目」
青雷は魔王から貰った『なんでもやってやる券』を一枚魔王に渡した。
「俺の修行を受けたいなら、5枚は貰わないとな!」
「嫌だよ。僕が渡すのは一枚だけだし、後出しで言われても効力ないよ」
「くっ、なんでこんなに賢いんだよ」
「そりゃあ! 僕は母さんの子供だからね! 賢くて当然さ!」
「青雷は俺にどんな修行をつけてほしいんだ?」
「今よりも強くなって進化したいんだ!」
「今よりも強くなったら、俺は本当に死んじまう」
魔王は青雷に聞こえないぐらい小さい声でボヤいた。
「ん? 魔王様何か言った?」
「いや、俺は何も言ってない。強くなりたいか、そうだな、剣習ってみるか?」
「いいね! 青雷! 六刀流! うん! かっこいい!」
「六刀流って刀そんなに持ってどうするんだよ!」
「敵を細切れにする!」
「発想が怖いわ!!!」
「剣って人を切る武器なんでしょ? 敵を細切れにしないの?」
「あのな、剣を振るうのは人を殺すためなんかじゃない、大切な人を守るために剣を振るうんだ」
「大切な者を守るために剣を振るうか、でも、敵が大切な人だったら切らないの?」
「場合によるな」
「ふーん、だからラヒートさんを殺さなかったんだね」
「ラヒートは俺の大切な人だからな」
「僕の大切な人は主人様と母さんとねぇちゃんはうーん、大切なのかな? いやでもな、ねぇちゃんは守りたくないな」
「青雷の姉は美人だけど、性格悪そうだよな」
「そうなんだよね、性格が仲間の中で一番悪いと思うよ。しかも、頭がキレるから余計に面倒なんだよね」
「よし、仕事も終わるし、修行でもするか!」
仕事は全く終わっていなかったが、魔王は終わった雰囲気を出して、青雷を騙し、2人は訓練場へ向かった。
魔王は青雷に木刀を6本渡した。
「ほら、これで六刀流できるな」
青雷は8本ある足の2本の足で立ち上がり、残りの6本の足に木刀を糸を使い足に巻きつけた。
「おー! 六刀流奥義! えーと、あお、うーん、雷乱れ斬り!」
青雷は木刀を巻きつけた足を自分なりにかっこよく振った。
「どう! カッコいいでしょ!」
青雷の動きを見て魔王は青雷には基本的な振り方を学ばせることにした。
「青雷、剣って言うのはただ振ればいいってことじゃないだぞ! それに、その動き、気持ち悪いぞ」
「嘘!? 僕の動き気持ち悪かった?」
「お前を見ている他の奴に聞いてみるか」
魔王は訓練場で鍛錬していた兵士3人に青雷の雷乱れ斬りの感想を聞いた。満場一致で動きが気持ち悪いと言う結果になった。
「うそだ!!! 僕かっこよかったって!」
「自分の動きを鏡で見てみたらどうだ」
「大きい鏡どこにある?」
「すまない、大きな鏡を持ってきてくれ!」
魔王は訓練場にいた兵士達に命令し大きな鏡を持ってこさせた。
青雷は大きな鏡の前に行くと、六刀流奥義、雷乱れ斬りを繰り出した。
青雷は鏡に映る自分が木刀を適当に振り回し、木刀を振る自分の動きが気持ち悪いことを知ってしまった。
「僕、かっこ悪かった。魔王様、剣の振り方教えて」
「だろ、よしゃ、まず最初は剣を一本振る練習するぞ」
「師匠! よろしくお願いします!」
「おうよ! それじゃあ、俺の動きを自分なりに真似てみな!」
魔王は師匠と呼ばれて嬉しくなり、魔王は青雷を立派な剣士として育て上げることを決心したのであった。
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