黄結姫の髪
少し時間を遡り、女性陣はお風呂から上がり更衣室で浴衣を着ようとしていた時の話。
「紅姫さん大きいね! みんなの中で一番大きい!」
「花茶ちゃんありがとう。でも、どうして私だけ体が大きいのかしらねぇ? 黄結姫さんも私と同じぐらいの体型になると思ってたのに、実際には小さいわね」
「体は小さくなってやっと、主人様のお家にお邪魔することができるようになったのに、髪が長くて動きにくいです!」
「黄結姫様の髪綺麗よね。でも、長すぎてお手入れに時間がかかりそう」
白桜は黄結姫様の髪を触った。
「紅姫さんこの髪を切れませんか?」
「主人様がお作りになった道具で切れないのなら諦めるしかないんじゃないかしら? でも、その長さだと動きずらいし、そうだ! 髪を短くなるように結べは良いのじゃないかしら」
「髪の結び方ってどうすればいいのかしら?」
「花茶お兄ちゃんに聞いてくる!」
花茶は裸で外に出ようとした為、主人様と白桜が花茶を止めた。
「裸ででちゃダメ!」
「これでも巻いてなさい!」
主人様は花茶の体にタオルを巻いた。
「これなら外出ていい?」
「浴衣きて欲しいな」
「主人様、あたしが花茶に浴衣を着せるから菊姫と百合姫、蝋梅妃手伝ってきて」
「白桜ありがとう」
主人様は菊姫に浴衣を着せていた。
「で、話し戻すけど、それなら、三つ編みにしてまだ長かったら纏めてみてもいいんじゃない?」
「白桜ちゃんお願いします」
「花茶も手伝うよ!」
「三つ編み始めましょうか」
白桜は黄結姫様の長い髪を3等分の束にして、花茶と母様、白桜で交互に束を編んでいった。
「これ使って」
主人様は髪ゴムを白桜に渡した。
「主人様、ありがとうございます」
白桜は三つ編みが終わり髪ゴムで髪を纏めた。
「すごい!すごい! 少し短くなったよ!」
「三つ編み可愛いわね。私もやってみようかしら」
菊姫の浴衣を着せた主人様は、黄結姫の様子が気になるみたいで戻ってきた。
「これでも、地面についちゃってるわね。うーん、そうだ、今の三つ編みを崩して、3本の三つ編みを作りましょう」
「主人様、せっかくの三つ編みを崩しちゃうのですか?」
「1つじゃ長いなら3つ作って纏めやすくするのよ」
「わかりました! さぁ、やり直しよ!」
「やり直しだ!」
私達は3つの三つ編みを作り、そして纏めてお団子にしてみた。
「ボリュームあるわねぇ」
「頭少し重たいですけど、さっきよりも動きやすくなりました!」
「黄結姫さん可愛い!」
「髪の量が半端ないわね。すいてあげたいけど、すきバサミも」
主人様はギザギザのハサミを作り出して、黄結姫の髪を切ろうとした。でも、ハサミは粉々になり髪が切れなかった。
「主人様大丈夫ですか! お怪我はしてませんか!」
「大丈夫よ。やっぱり、ダメかぁ。ん? 切るのが無理なら、隠してみたらいいんじゃない。そうよ! 私はなんでも作れるんだもん、黄結姫の髪を纏める髪留めに魔法かければいいのよ!」
主人様はムカデの形をした黄色のバレッタを作り出した。
「黄結姫! お団子解くわね!」
「えっ! せっかく時間かけて結ってくれたのに、もう解いちゃうのですか?」
「これをつけて欲しいのよ」
「主人様がおっしゃるならその通りに」
黄結姫の三つ編みを解き、髪をお団子にたが、床に髪が付いていた。そして、ムカデのバレッタで髪を留めた。すると、ムカデの目から小さな魔法陣発動し、床に付いていた髪がムカデの目に吸収され、黄結姫の髪は短くなった。
「凄い!凄いです! 頭がとても軽くて、動きやすいです!!!」
「さすが主人様!」
「黄結姫さん、頭軽くなってよかったね!」
「この髪留め可愛いですわね」
「主人様ありがとうございます! この髪留め大切にします!」
「解決できてよかったわ。せっかくの綺麗な髪が土埃ですぐに汚くなるのは嫌だったからね」
黄結姫はクルクルと体を回転して、動きやすくなったことを喜んでいた。
その後、女性陣がまだ着替えている中、ライネルが女子更衣に侵入したのでした。
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