宙吊りライネル
私は浴衣に着替え、花茶と森の長達と共に家へ帰った。
家に帰ると庭の方から男性の長とネルガル、ライネルの悲鳴が聞こえた。
紅姫はライネルを庭に生えている木に宙吊りにされ、他の捕まえた男性陣は庭で正座をしていた。でも、灰土は紅姫の隣で立っていた。
「紅姫!俺様はいつまでこの座り方をしなくてはいけないんだ!」
「オラ、この座り方嫌いだ!」
「そうかのぉ、儂はこの座り方結構好きじゃぞ」
銀次はお咎め無しだったが、座り方が気に入った為、金色丸の隣で正座していた。
「足が痺れて〜、動けない〜」
「紫水、俺もだ、緑癒さんこの痺れを治してくれ!」
「僕も痺れて動けません。どうして灰土さんは正座していないのですか! ずるいです!」
「灰土様は暴走した貴方達を止めようとしてくれていたから、正座の刑は免除よ」
「私にとって正座は罰ではないですがね」
「んな事より、誰か!!! 俺を助けてくれぇ!!!」
宙吊り状態のライネルは紅姫の糸から逃げ出そうと体を動かすが、糸の強度が強く、体を動かした力でぶらんぶらんと揺れることしかできなかった。
「くそぉ! 細せぇ糸なのに、なんで強度だ!」
「あんたはそこで反省してなさい! 主人様を悲しませた元凶はあんたなんだからね!」
白桜はライネルの体をより一層揺らし始めた。
「やめろって、やべ、出る。でちゃいけないものが出ちまう!!!」
ライネルは揺れに酔ってしまい、後少しでリバースしかけていた。
「ライネルお兄ちゃん!? 大丈夫!!! 花茶が助けてあげるよ!」
その姿を見た花茶はライネルの元へ駆け寄り、ライネルを降ろそうとした。
「花茶様、今は主人様を悲しませた元凶に罰を与えている真っ最中なので邪魔しないでください」
「それなら、花茶も主人様を悲しませたから、ライネルお兄ちゃんの罰を花茶が受けるよ!」
「ダメです。そもそも、ライネルが女子更衣室に侵入しなかったから、こうはなっていないので、一番きつい罰を与えるのが正しいです」
「そんな、ライネルお兄ちゃん顔真っ青だし、許してあげてよ」
「白桜、ライネルこのままだと死んじゃうから降ろしてあげて、後で私直々に罰を与えとくからさ」
「主人様がそうおっしゃるなら、そうします。ライネル! 主人様の優しさに感謝しなさい!」
「主人さんありがとうございます」
白桜はライネルを降ろした。
菊姫、百合姫、蝋梅妃は正座をしている男性陣を見て、菊姫が百合姫にある事を聞いた。
「百合姫、オスって馬鹿な人が多いのかしら?」
「そうか? あたいの部下はオスもいるが、よく働いてくれて助かっているけどな」
「私の方はメスの数が多いからオスは交尾するだけなのよね」
「あたいの方もあんまり変わんないが、それでも、戦闘力はオスの方がステータスは高いよ」
「まぁ、これは私達の仲間の話であって、他の種には適用されないのかもね」
「蝋梅妃、蟻の方はどうなんだ? あたい達の同じかい?」
「我の方はオスはほんの少ししかいないからな、そもそも、交尾するためにオスは産まれるから、交尾が終わったら、オスは死んでしまうな」
「そこは私達とあまり変わらないのね」
「そう言えば、人間なんかはオスが権力を持ってるって話だけど、どうなんだろうな?」
「子孫を残す種しか出来ないのにね、でも、私達とは寿命も違うし、人間のオスは私達のオスとは役割が違うのかもしれないわね」
「人間社会を知らないからあまり言えないけど、人間も人間で大変そうだしね」
男性陣の足の痺れからくる悲鳴を聴きながら、森の長達は雑談を繰り広げていのであった。
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