幸運スケベ
男湯に向かったネルガルは男子更衣室に入ると、そこには虫人になった男性長達が浴衣を着るのに苦労していた。
「紫水、浴衣を着ろ!」
「灰土だって〜、ちゃんと〜、浴衣着れてないよね〜。ほら〜、筋肉見えてるよ〜」
「灰土さんの筋肉量凄いですね。主人様にもう少し大きめの浴衣を用意してもらわないといけませんね」
「なっ!? お前は一体誰だよ!」
「あっ! ネルガルだ〜。おひさ〜」
紫水は泥だらけのネルガルに抱きつこうとしたが、灰土が紫水を止めた。
「紫水、せっかく綺麗になったのに泥だらけになるぞ。ネルガル久しぶりだな。にしても、どうして泥だらけなんだ? あと、ライネルと一緒じゃなかったのか?」
「もしかして、この長細い男が紫水で、筋肉マッチョが灰土さん!? ライネルはもう一つの方に向かったぜ」
「それは、ライネル主人様に殺させるかもしれないのぉ」
「もう、あの風呂桶攻撃くらいたくないだ!」
銀次の浴衣姿は様になっていたが、金色丸の浴衣は金色丸の外骨格によってビリビリに破られていた。
「もう少し言い方ないかな〜。イケメンで〜、知的な〜とか色々あると思うんだよな〜」
「いや、藍介さんからともかく紫水は知的ではないだろ。どっちかというと、そうだな、怖い系!」
「締め殺すしかないか〜」
「やべっ、話を変えるけど、その奥のドアの先は何があるんだ?」
「お風呂だよ〜。色々な種類のお風呂があって楽しいよ〜。俺が楽しかったのは〜、ぐるぐる回るお風呂かな〜」
「ぐるぐる回る風呂?」
その時、ドォーンと大きな音が隣の部屋から聞こえた。
「あ〜、ライネルこれは死んだね〜。ちょっと見に行こうか〜」
「ライネルさん生きていてくださいね! 僕が今すぐに治してあげます!」
「あ! こら! 緑癒! 動かないで、もう! 浴衣を着るなんて簡単なのに、どうして皆さん着れないのですか!」
藍介が順番に長達に浴衣を着せていたが、1人で6人を着替えさせるのには時間がかかっていた。
男性長達とネルガルは女子更衣室に向かった。
そして、赤いのれんの近くでライネルがタオルを体に巻いた少女の頭を撫で、タオルを巻いた姿の主人様がそこにはいた。
「って! なんで皆んなこっち来るのよ! こっちは女性限定! さぁ! 帰ってちょうだい!」
主人様のタオル姿に男性陣は悶絶し、金色丸の暴走を銀次が止め、緑癒、氷月が主人様に飛びつこうとした瞬間、灰土が2人を腕力で止め、紫水にはネルガルが、藍介は花茶を撫でるライネルに怒っていた。
「ライネル! 花茶が着替え終わっていないのに触れ合うなんていけません! 不純異性行為禁止です!」
「もしかして、藍介さんが! 不純異性行為? そんな事俺が花茶にすると思うか? 花茶はまだ子供だせ。俺はボンッ! キュッ! ボンッのお姉さんが好きだ!」
「花茶はボンっ!キュッ?ボン!じゃないってこと?」
「花茶はまだ成長途中だから、これからそうなるわよ」
「うん! 花茶! ボン!きゅ!ボン!になって、ライネルお兄ちゃんにギャフンって言わせる!」
「花茶は今のままで十分可愛いですよ。ですが、今すぐに浴衣に着替えてきなさい! 主人様、花茶がご迷惑をかけてしまって申し訳ございません」
藍介はタオル姿の主人様に頭を下げた。
「元気なのは良いことよ。それじゃ、花茶、戻るわよ」
「うん! 花茶浴衣着る!!!」
花茶が両腕をあげた瞬間、主人様の胸に当たってしまい、巻いていたタオルが床にヒラヒラと落ちてしまった。そして、主人様の柔肌が顕になってしまった。
「いやー!!!!!!」
主人様はすぐに体を両手で隠した。
至近距離で見てしまった藍介は鼻血を出して気絶し、灰土は見ないように両手で顔を隠し、紫水と緑癒、氷月は浴衣を脱ぎ去り裸姿の主人様に自身の浴衣を着せようとした。金色丸は興奮し体から金色の光を放出し、銀次は力が強くなった金色丸に力負けをしてしまい床に倒れてしまった。
そんな、カオスな状況の中、光が現れた。
「あんた達!!! 五月蝿いわよ! 静かにしなさい!!! お母様、こいつら全員つまみ出して!」
「分かったわ。主人様が嫌がっているからごめんなさいね」
紅姫と白桜が現れ、紅姫は男達全員を糸で拘束して、引きずるように外へ連れていった。
「主人様、大丈夫?」
「もう、お嫁にいけないわ」
「主人様、ごめんなさい」
花茶は涙を流しながら主人様に謝った。
「花茶、ごめんなさいね。驚かせちゃって、私は大丈夫だから、次からはちゃんとお風呂から出たらお洋服に着替えようね。服着なかったら、こうなるから」
「うん。花茶、お風呂から出たら服着る」
花茶は反省し、更衣室に戻り、浴衣に着替えた。
はぁー、まさか、ライネルをぶっ飛ばしたら、大勢の前に裸を見せる事になるなんて、思わなかったわ。はぁー、でも、起きてしまったから仕方ないし、花茶は反省してるからこれ以上、考えないことにしよ。
その後、浴衣に着替えた女性陣は紅姫に連れて行かれた男性陣の合流した。
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