温泉回 迎撃システムFURO・OKE
金色丸、その後に氷月、緑癒が壁を登り女湯を覗こうとした。
女湯ではアラーム音が鳴り響き、シャワー前にあった風呂桶が浮遊した。
「うわっ! 主人様! この音何!? あと、あそこで何が浮いてるよ!」
花茶はアラーム音に驚いていた。
「これはね、覗き見しようとした馬鹿を倒す為の迎撃システムなのよ」
「迎撃システム? それはどういうことでしょうか?」
紅姫は首を傾げていた。
「あー、あたし主人様が考えたこと理解できちゃったかも」
「白桜ちゃん、私に教えてください」
「我にも分かりやすく解説して欲しい」
「多分だけど、あそこで浮いている風呂桶が女湯を覗き見した馬鹿共を攻撃するんじゃない?」
「女湯を覗き見するといけないのか?」
「いけないわよ。それなら、入る前に男女別々に別ける必要もないでしょ」
「まぁ確かに」
風呂桶は一斉に壁の上へ飛んだ。そして、壁を登りきった金色丸の顔面目掛けて風呂桶が飛んで行った。
「うわぁぁあ! なんだこれ!」
金色丸の顔面に当たった風呂桶は魔法陣を展開した。その時、金色丸は重力を操る魔法陣によって男湯の床に叩き落とされた。
「ぐへぇ!? 痛くないけど、動けない」
床にへばりつく金色丸、その次には氷月。
「妻よ! これは、やりすぎじゃないか!!!」
そして、緑癒が男湯の床へ落ちてきた。
「痛いです! とっても痛いです!!!」
緑癒は魔力で作られた羽から緑色の粉を出し、自分自身を回復しようとしていた。
3人が男湯に帰ったことを知った主人は男湯に聞こえる声で話し始めた。
「次また女湯を覗こうとしたら、即撃ち落とすわよ! この迎撃システム、FURO・OKEの前には勝てないからね!」
「主人様すごーい!」
「さすが主人様です!」
「あの壁から落とされるって相当痛いわよね」
「まぁ、あたい達の裸を見ようとしたのが悪いんじゃない?」
「百合姫、私達元々裸だったわよ」
「後で、主人様に服をお願いしないと」
「それなら、我に似合う服が欲しい」
「後でみんなの着る服は考えておくから、今はみんな浴衣を着てもらうわ」
そして、床にへばりつく3人を眺めている残りの男性陣達というと。
「俺〜、覗かなくてよかった〜。あれ〜絶対に痛いもん〜」
「はぁー、紫水俺が止めといて良かったな。緑癒様、反省してください」
「う、う、動けません」
紫水は床にへばりつく緑癒のお尻を優しく叩き、灰土は緑癒を見下ろしていた。
「妻よ! 俺様は覗こうとしたが、裸を見れてないぞ! こんなに拘束するのは不当だ!!!」
氷月は重力魔法に自身の魔力で抵抗しようとしていたが、主人の力の方が強かった為、氷月は負け、より一層床にへばりつくことになり、氷月がいる床だけが、窪んでいた。
「なぁ、金色丸よ、儂は言ったじゃろ、主人様に嫌われると」
「ぎんじぃ、オラを助けて欲しいだ」
「儂の力では無理じゃな、そこで反省しんしゃい。儂はもう少し風呂を楽しむかのぉ」
銀次は電気風呂に入りお風呂を満喫していた。
「ぎんじぃ、それなら、オラ、頑張るだ!」
金色丸は重力魔法に筋力だけで抵抗した。
「オラァァァァァア!!! 負けないぞ!!!!」
金色丸は見事重力魔法に打ち勝ち、1人だけ自由のみとなった。
「オラ勝てただ!!!!!」
「嘘だろ、俺様の力を持ってしても勝てなかったのに」
「金色丸さん! お願いです! 僕を助けて!」
「氷月様と緑癒様、これは気合いでなんとかなるだ」
「気合いでなんかでどうにかなりませんよ!」
「気合いかぁ、よし! 俺様もやってみるか!」
緑癒は諦めて自身の身を重力魔法に任せ、氷月は金色丸に応援されながら、筋力だけで抵抗し始めたのであった。
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