魔蟲の洞窟 長達集合 後編
私が4人のお尻を触った後、最後の長がやってきた。
氷月は庭へ走って来た。
「妻よ! 待たせたな!」
「妻? 主人様、あの男は一体誰なのですか?」
「はぁ? 何あいつ、主人様を妻と呼べるのは俺だけだよ〜」
「侵入者か!」
「主人様、もっと僕のお尻触ってください」
「やっと来たわね」
私と氷月は横並びに並んでいる長達の前に立った。
「えー、この度5層目の長となった元推し人形こと、魔石精霊の氷月よ。変なこというけど、根はいい子なのよ。だから、みんな仲良くしてあげてちょうだい」
「妻が俺様の紹介をしてしまったが、俺様は凪と結魂した夫の氷月だ! 元々はこのダンジョンの主人の魔石精霊として産まれる予定だったが、俺様の名前が決まらなくてな、それで、妻が名前を俺様に付けたことによって俺様は完全なる魔石精霊としてこの世に生を受けたというわけだ」
花茶が手を挙げた。
「はい! アお姉ちゃんの弟さん! アお姉ちゃんのお手伝いしてあげて!」
「もちろん、姉の手伝いをするとも、アにとって使命を果たすためにこのダンジョンと俺様を神に作ってもらったのだからな!」
「へぇ〜、主人様の夫は〜、俺だよね〜。だって〜、俺の方が強いし〜、カッコいい〜」
「それを言うなら私の方が主人様の夫として一番役に立ちます。掃除洗濯、料理なんでもできますからね!」
「主人様にもっとお尻触って欲しかった」
「まぁ、まぁ、服を着ていればいつでも触ってもらえますって」
「灰土さん、ありがとうございます」
「いや、いつでも触るなんて言ってないからね!」
私はつい突っ込みを入れてしまった。
「それにしても、洞窟組は揃ったけど、森組がまだやってきてないわね」
「そうだね! 菊姫さんと百合姫さん来てないね!」
「それでしたら、私が話してみますね」
黄結姫の髪が淡い光を放ち始めた。
『菊姫さん、百合姫さん、銀次さん、金色丸さん、あと蝋梅妃さん! もし、繭から出ているのでしたら、主人様の家まで来てください』
すると、菊姫、百合姫、銀次、金色丸、蝋梅妃の声が聞こえてきた。
『やっぱり、主人様の家に向かえばよかったのね』
艶っぽい女性の声、蝋梅妃の思念が飛んできた。
『あれ? 主人様がこっちに来てくれるんじゃなかったの?』
『ほれ、みたことかい、儂は主人様の家に向かおうといったじゃろ』
『まぁ、まぁ、銀次さん、百合姫も悪気があったわけじゃないし、今から向かえばいいことよ』
『きんじぃ、オラが運んであげるだ』
『金色丸ありがとう。甘えさせてもらうわい』
『主人様! 今から向かいますので、お待ちください!』
「ということですね。皆さん今から行きますね」
「集まるまで時間があるから、ゆっくりしましょうか」
「賛成! 花茶主人様の隣!」
「あ! 花茶! 抜け駆けは許さないわよ!」
私の右腕には花茶、左腕を白桜が私の腕を抱きしめていた。
これこそ両手に花ね!
「私も主人様を抱きしめたいです」
「私も!」
黄結姫は私を抱きしめた。そして、紅姫は私と花茶、白桜をまとめて後ろから抱きしめた。
美女に囲まれるのっていいわ〜。ん? なんか、私、おじさんみたいじゃない?