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回想 俺様が解説するぞ! 後編

今回で一区切りになりますので、1週間ほど投稿をお休みします。


8月4日(日)から8月11日(日)までお休みいたします。

次回投稿は8月12日(月)からとなります。

 氷月は妹(姉)のエインに妻である洞窟の主人の話していた。


 氷月はエインのいる方向と反対方向を向いた。


「後編!」


「あんたどっち向いて話してるのよ」


「ファンサービスというやつだな!」


 エインは呆れていた。


「意味がわからないこと言わないでよ。で、貴方の奥さんの1年間の暮らしについて分かったけど、その後はどうなったのよ」


「それがだな、妻は魔蟲の洞窟から出れるようになって魔蟲の森の主人となったのだ」


「魔蟲の森というダンジョンを手に入れたというわけね。ダンジョンを2つ獲得しているとは、この世界で初めてなんじゃない? 貴方の妻すごいわね」


「だろ! 俺様の妻は強く、賢く、可愛らしいのだ!」


「いや、私はそこまでは言ってないわよ」


「でな、森へ出れるようになった時に紅姫が産卵期に入ったので、妻は森へすぐには出なかった。すると、妻が来てから初めての侵入者が現れてな、それが、まさかの魔王軍の兵士達だった」


「どうして、魔王が魔蟲の洞窟へ? 貴方がいるから上質な魔石を採取することはできるけど、何か他の目的があったの?」


「あぁ、なにやら魔王は人間との戦争を考えているみたいでな、優秀な人材を獲得する為に、ダンジョンに住む魔物達に勧誘していた。だが、魔王軍側では、アの獣、いや、イデア・ラヴァーズという不死の獣が、勧誘に来る予定だったのだが、前主人のリリアーナが違う者を寄越し、魔蟲の洞窟と魔王軍は敵対してしまったんだ、その兵士達を纏めていたのが、隊長のネルガルと副隊長のライネルだったわけだな」


「イデア・ラヴァーズ、彼の事は知っているわよ。巨人を滅ぼした終焉の獣、いや、愛を知らずにいた哀れな獣が愛を知ってしまったが故に愛に縛られてしまった、悲しき獣ね」


「ほぉお、エインは獣の事を知っているのだな、それなら、あいつが俺様の妻を愛してしまったみたいでな、俺様という夫がいると言うのにちょっかいをかけてくるんだ、何か獣の弱点とか知らないか?」


「弱点なんてあの獣にはないでしょ、強いて言えば、そうね。愛したい人には甘いところかしらね」


「やはり、凪が完全に拒絶しないと無理か」


「話が少し脱線しているわよ。貴方の妻が勝つのは分かるけど、どのような勝ち方をしたの?」


「簡単さ、この2人は戦う相手が悪かったのだ、ネルガルは魚人と魔人のハーフみたいでな、槍術が得意で水で固めた槍を使って戦うのだが、相手が紫水じゃ話にならなかったな、ライネルは妻から武器をもらった藍介と妻によって敗れ、2人は究極霊薬を使って一時的にパワーアップしたのが、それでも2人は敗れた。その後、イデアが現れたと言うわけだ、イデアは圧倒的な力を持ち、一番邪魔な紫水を戦闘不能にしようとした時に母である黄結姫が、息子を庇い重症を負ってしまったのだ、紫水は母の黄色い血を浴びてしまい、俺様は理由がわからないのだが、紫水の水を操る力が使えなくなってしまったのだ、そして、そんな絶望の中、俺様の妻はイデアと戦い、勝利、かと思うきや、イデアは不死、気力を全て消耗してしまった妻は死を覚悟した」


「えぇ、それで、どうなったの!」


「イデアは妻の魂に一目惚れしていたので、彼女を抱きつき、その後はもう分かるだろ、妻にベッタベタに甘え、妻のそばにいる為ならばなんでもする男になったな」


「そう言う事ね。終焉の獣を手懐げたのね。それだけで、相当な戦略になるわね」


「まぁ、獣は今までのしがらみがあるから自由には慣れていないがな、紅姫の息子青雷から聞いたのだが、現在の獣は魔王軍を辞めたがっているみたいで、魔王やその部下達がそれを阻止しているみたいだな」


「優秀な人材が居なくなるのは組織として痛手だから仕方ないわよね」


「まぁ、その後はネルガルとライネルはリリアーナから守る為にこの件が片付くまで妻の元で匿うことになった。そして、妻は魔蟲の森へ本格的に探索しようとしたら、魔蟲の森の長である北の長と西の長が争っていてたが、妻が仲を取り持った結果森の長達は仲良くなった。仲良くなったのだ証に、妻は森の長達に名前を考えてあげてな、南の長には金色丸、西の長には銀次、北の長には百合姫、東の長には菊姫と名付けたのだ」


「へぇー、やるじゃない」


「でな、魔王軍の侵入者の話をしただろ、その時に勇敢に戦ったムカデ達が何人が戦死した。それで、静かに暮らしいたい者達を守る為に妻は偽のダンジョンを作ることにしたんだ」


「偽のダンジョンね。それは今は完成しているの?」


「いいや、新たな仲間である蝋梅妃の力によって洞窟は掘ってあるが、トラップがまだ設置できていなくてな、完成にはまだ時間がかかりそうだな」


「まだなのね、偽ダンジョン完成したら見てみたいわね」


「俺様も手伝う予定だから期待しててもいいぞ」


「うん、期待しないでおくわね」


「それでな、妻にとっての平和な時が一瞬で崩れる事件が起こった。リリアーナが魔王軍の軍勢を寄越し、妻は魔王軍との防衛戦をすることになった。あの時の妻は魔力を俺様が驚くぐらいの莫大な魔力を消費して巨大な壁を作り出し、魔王軍を迎え討つと、天からドラゴンの呪いを受けた人間が降ってきたんだ、その呪いを受けた者達を成れ果てとして呼称し、魔王軍、成れ果ての三つ巴の争いに発展したのだ」


「色々な事件に巻き込まれていたのね」


「まぁ、妻は俺様の魔力によって強いからな、結果的に妻が勝ち、魔王軍は撤退、成れ果ては全て倒し妻はやっと平和を取り戻したのだ」


「それがきっかけで虫達は進化をしたのね」


「いいや、虫達の進化のきっかけは俺様さ! 虫達は妻との記念日に俺様の体を妻にプレゼントしてな、妻は推し人形に俺様を詰め込み、女神によって危うく俺様名前が推し人形にされかけたが、妻が氷月と言う名前を考えてくれてな、渋々俺様はその名前を受け入れて魔石精霊となり、俺様は5層目の長になったきっかけで、虫達は進化をしたのだ」


「それが、新たな種族を産み出した経緯ね。記録したわ。色々話してくれてありがとう。これで、仕事を進められそうね」


「俺様の話が妹の役に立って良かった。俺様は今までエインに兄らしい事をしてあげられなかったからな」


「兄じゃないわよ。弟よ」


「兄だ!」


「弟!」


「兄!」


「弟!」


 エインと氷月は譲れない戦いを始めようとすると長女であるアが2人に止めに入った。


「2人ともやめなさい。私はこれから予定ができたから2人は帰りなさい」


「分かりました。お姉様、その予定の後でいいので、私の為に歌ってくれませんか?」


「エイン、いつもの歌でいいかしら?」


「はい! よろしくお願いします」


「花茶ちゃんのダンスレッスンが終わったらいつもの歌ってあげるわね」


「いつも同じ歌ばかり聴いてエインは飽きないのか?」


「お姉様の歌は世界一よ! 飽きるなんてあるはずないじゃない!」


「あら、嬉しい事を言ってくれるわね。エインありがとう」


「いえ、私も弟の話を整理しないといけないので、帰りますね」


「兄だ!」


 氷月は手を振り、エインは魔石から消えた。

「俺様のファン達よ! 俺様の話に付き合ってくれてありがとうな! これから、妻と長達は辛い試練に出会うかもしれない。だが、俺様がいれば全て解決する! この世界で俺様に敵う奴なんていないからな! ふっ、これから妻の物語ではなく、俺様、氷月による英雄伝説の開幕だ!ファン達よ! 俺様の活躍を楽しみにしていろ!」


 ※氷月の英雄伝説はありません。(もしかしたら、後々ほんの少し語られるかもしれませんが、今のところはありません)

 これからも、凪が主人公です。たまに、藍介が主人公となる場合があります。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 自慢話終了♪ダイジェストに報告ですけど、色々ありましたのですね。 [一言] これで「偽ダンジョン」が創れますね。看板も用意しないと。「後100メートルでダンジョン入り口」ですとか。で、その…
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