獣と魔石精霊の対決
私は沢山凪さんにアプローチを試みましたが、氷月によって邪魔され、もう、私の堪忍袋の尾が切れたのです。休日が残り2日しかない、凪さんにまだ好きとも言ってもらっていません!
私とクティスは溜まりに溜まった怒りを直接氷月さんにぶつける為に私達は氷月さんを凪さん家よ外に呼び出しました。
「氷月さん! 私の邪魔をしないでください!」
「ガウガバァ!!!(氷月のバカァ!)」
「ん? 邪魔とはなんだ? あー! そう言えば、俺様の妻である凪にちょっかいを出していたな! 俺様は凪の夫なのだから、変な男が近付かないようにするのは当然だろ」
「ガウガウガ!!!(氷月は凪に嫌われてるよ!!!)」
「俺様が嫌われるだと、そんな訳ないだろ! 凪はな、ツンデレと言って、普段は異性に対してツンツンした態度をとっているが、ごくたまに、デレデレに甘える。 甘えてくるって言うことは俺様を愛している証拠じゃないか!」
「ふん! それでしたら、私なんか凪さんと一緒の布団で寝ましたし、私が半裸の時だって、凪さんは私の腕を枕にして眠っていたのです。これは、すなわち! 私のそばにいると安心して落ち着くと言うこと! 私の方が凪さんに愛されています!」
「ガウガ! ガウガルルルガウガ!(僕だって! 凪と一緒にお風呂入ったもん!)」
「ん? 待ってくれ、獣よ。お前は本当に凪と一緒に風呂に入ったのか?」
「ガウ!ガウガルルルガ。ガウ、ガグガウガウグルル。ガウガ、ガウグルルガウガ!(うん! 凪に全身洗ってもらったんだよね。しかも、一昨日に手を洗ってくれて。ほら、見てよ手が真っ赤じゃなくなったんだ!)」
クティスは嬉しそうに肉球を見せてきました。
「クティス!? いつの間に凪さんと一緒に、またお風呂入ったのですか!?」
「ガウガ!(いいだろ!)」
「嘘だろ、俺様とはまだ一度も一緒に入ったことが無いのに。よし! 今度、妻がお風呂に入いる時に俺様も一緒に風呂に入ればいいか!」
「ガバァ(馬鹿だ)」
「氷月さん、それは凪さんに許可を得なければ、一生嫌われてしまいますよ」
「そんなことはない。なぜなら、俺様と凪は結魂しているからな!」
「いや、貴方が勝手にしたことであって、彼女の許可を得ずに結魂しただけであって」
「ほぉぉん。イデアは俺様と凪との関係にやきもちを焼いているのだな!」
「それは、否定できませんね」
「そしたら、これから凪と一緒にお風呂に入れた者こそが夫に相応しいと言う事で、凪に会いに行くか!」
「いいでしょう! 受けて立ちます!!!」
「ガバァ?(馬鹿なの?)」
そして、私と氷月は凪さんに会いに行くと、めちゃくちゃ凪さんに怒られ、クティスは後ろで笑い転げていました。
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