獣の愚痴
私は藍介さんの宝物を見ていると、凪さんがやってきました。
私は懐に藍介さんの宝物を隠して凪さんに抱きつきました。
「なぁぎぃぃさぁぁぁん!!!! 愛します! 愛してます! 私の全てを貴方に捧げます! だから、私をもっと愛してくださぁぁぁいいい!!!」
「うわぁぁ!? ちょっ、分かった、分かったから。お仕事お疲れ様です。偉い偉い」
凪さんはなんと、私に抱きつかれてもあまり嫌がらず優しく私の頭を撫でてくださったのです。
「凪さん!? はぁぁぁぁあああ!!! 凪さん! 凪さん!」
「相当、ストレス抱えてたのね」
「そうなのですよ! 凪さん聞いてくださいよ!」
「仕事の愚痴ね。いいわよ! 沢山話して発散しちゃって!」
「はい! それでは、まず最初にエルフの王子ナーヴァはチェルーシルを嫁に寄越したら今回の件目を瞑ってやるとか言いやがりまして、あのですね。チェルーシルはあの王子が嫌いだから、国から離れて私の元で働いていると言うのに、あの男は自身がチェルーシルに嫌われていると分かっていてそんな事を私に提案してきたのですよ。穏便に済ませるには、チェルーシルを渡せば簡単に解決しますが、私はそんなことは絶対にしません」
「チェルーシルさん王子様に言い寄られているの!?」
「はい。チェルーシルは元々エルフの国の王を守る近衛部隊の隊員でして、彼女の実力は隊長クラスとも言われていましたからね」
「チェルーシルさん凄い人だったのね! でも、どうしてそんな良い待遇だったのにイデアさんの屋敷メイドになったの?」
「それは、王子からの熱烈なアプローチが嫌で嫌で、王宮で働きたくないと言うことから私の元へやってきたのですよ」
「チェルーシルさん大変だったのね」
「チェルーシルを私の元で匿った時からと言うもの、あのクソ王子がチェルーシルのメイド姿が見たいから私の屋敷に招待しろとか、チェルーシルにおかえりなさまいませご主人様と呼んでほしいとか、あいつ変なやつなんですよ」
「チェルーシルさんにはハチミツを沢山あげないといけないわね」
「良いのですか!? ハチミツは高級食材ですよ!」
「いいのよ。今は冬のせいで蜂達は巣に篭っているけど、少しだけ貰えないかお願いしてみるわね」
「凪さん! 貴方の心は女神そのもの! 愛しています! 凪さんを信仰します!」
「緑癒みたいな事言わないでよ。私は神なんかじゃないからね!」
「ん? 緑癒さんも私と同じ事を仰っていたのですか?」
「イデアさんに会う前かな、私の宗教を作りたいって言われて、まぁ、悪気がある訳でもないし、みんなと仲良くなれるなら良いかなって思って許可したんだけど、まさか、洞窟内にいる殆どの子達が入信しちゃってたのよ」
「凪さんの宗教。入信したいです! お布施はいくらほど払えばよろしいですか! 金貨100枚? いえ、1000枚でどうでしょうか!!!」
「お金なんて今の私には必要ないじゃない。そもそも、私が手伝ったことは、信者と分かるように証を作ってほしいって言われて凪教信者バッチを作ったのよ!」
私は凪さんから凪教信者バッチを貰いました。
「これが、凪教信者バッチ! なぜ、凪さんの姿ではなく魔石のしかも、ごくごく普通の形をした魔石を選んだのですか?」
「私って言えば、魔石を作り出して操る力だと思うのよ」
可愛い、凪さんのその考え! もう、可愛くて仕方ない!!!
「凪! それは、俺様と結魂した事によって俺様の力が凪にも使えるようになったのだ! 俺様ってばやっぱり凪の夫として最高の夫だよな!」
クティスを担ぎながらこちらへやってくる恋敵がきました。
「クティス!? どうして、担がれているのですか!」
「ガウガルルガ!(僕にも分かんないよ!)」
「分からないわけないだろ、俺様を尻に敷くとはな!」
クティスは体をブンブンと揺らして恋敵から逃げようとしていました。
ブックマーク、評価いただけると嬉しいです。