慌てる2人
藍介達が繭になっている間に、冬が来て冬眠をする子達とは会わなくなった。そして、蝋梅妃の元で働く蟻達は彼女が繭になった事で命令を行う存在がいなくなり混乱していた。私の元に1人の蟻が助けて欲しいとお願いされ、私はそれを助けた。
「白桜の繭って暖かいのよね」
「冬は寒いんだな」
私と氷月は白桜の繭に抱きつき暖をとっていた。
「前はこんなに寒くなかったんだけどな」
「なぁ、凪、もっと暖かくなる方法があるんだが、やってみないか?」
「方法って何よ」
「俺様と裸で抱きしめ合うことさ!」
「却下!」
「くそぉ、凪はいつになったら俺様と愛し合ってくれるんだ」
「はぁー、みんなぁ!!! 早く! 繭から出てきてよぉぉぉおおおおお!!!!」
すると、ネルガルとライネルが白桜の部屋にやってきた。2人はとてつもなく慌てていた。
「やべぇって!!! これは、やばい!!!」
「凪さん! 今すぐに何処か隠れよう!!!」
「ネルガル、ライネル急にどうしたのよ!」
「それが、イデア様から手紙が来て、5日間休みをもらえたので、そちらに向かいますって!」
「それのどこがやべぇのよ」
「俺達はイデア様の特別任務全くやってなかったんだよ!」
「自業自得じゃない!」
「そんなぁ、凪さん、俺達をイデア様から守ってくれよぉ」
「主人さん、俺達を助けてくれ!!!!!」
ネルガルとライネルが必死に懇願し、仕方ないから助けてあげることにした。
「もう、今回だけだからね。次からはキチンと仕事しなさいよ!」
「凪さんありがとう。本当にありがとう」
「恩にきるぜ!」
「で、気になっていたんだけど、どうして凪さんと氷月は白桜ちゃんの繭を抱きしめてるんだ?」
「それはだな! 白桜の繭が温かいから暖をとっていたんだ!」
「そうなのか?」
「俺も寒いから触ってもいいか」
「優しく触るのよ」
ライネルは白桜の繭に触った。
「温かいな!」
「まじか! じゃあ俺も触っていいか!」
「優しくよ、優しく」
私とネルガルとライネルそして氷月と共に白桜の繭で暖を取り合った。
その次の日、険しい顔のイデアさんと肉球が真っ赤に染まっているクティスがやってきた。
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